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第22話 災害ダンジョン
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「おい、シローさんたちとはまだ連絡が取れないのか!?」
「先ほどから謎の通信障害が出てまして……」
「通常回線で連絡してみろ!」
事務棟は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。
「C工区にいたウチのメンバーと連絡がつかないんだが、何とかしてくれよ!」
「きゅ、救出チームは順次出発予定です」
「順次って、いつだよ!?」
右往左往する事務職員に、窮状を訴えるギルドマスター。
「いったい、何が起きているんだ?」
「どうやら、ダンバスアプリの大規模通信障害が起きているようです」
「ほんとだ、圏外になってる!」
自分のスマホを取り出すと、右上に「圏外」の表示。
ダンバスアプリは基地局を通じて”協会本部”のサーバーと常時繋がっているのだが、その接続が切れたということになる。
「やっぱ通常回線もダメか」
念のため、回線を普通の携帯電話業者に切り替えるが、それでもだめだ。
「……ユウ、なんかきもちわるい」
不安なのか、袖を握ってくるリーサ。
「……これって”マナ”?」
「!!」
リーサのつぶやきにハッとする。
何か嫌な予感がする。
俺はダンバスアプリをオフラインモードで立ち上げる。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:58,900(-300)
スキルポイント獲得倍率:17@た%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
======
「!?」
スキルポイント獲得倍率がまた文字化けしているのもおかしいが、それより変なのは……。
「スキルポイントが……減った!?」
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:58,400(-500)
スキルポイント獲得倍率:17#む%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
======
ピッ
驚いている間にも、スキルポイントが減少していく。
「フェリナ、これは!?」
「そんな……ありえません。
ご存じだと思いますが、ユウさんたちが使っているダンバスアプリは協会本部のセンターサーバーに接続され、そこにあるスキルポイント口座に各自が所有するスキルポイントの額が登録されています」
フェリナの言葉に頷く。
細かい仕組みはよく知らないが、不正を防ぐため個人が保有しているスキルポイントはクラウドで管理されている。
「ダンバスアプリがオフラインになった状態では、口座を介したやり取りは出来ません」
俺が現在所有するスキルポイントは10万ほど。
スキルポイントを売却してローンを前倒し返済するつもりだったので、たまたま多めにアプリにダウンロードしていたが、残りは別口座に入れてある。
======
スキルポイント残高:58,100(-300)
======
ピッ
話している間にも、スキルポイントの減少は止まらない。
「……と、いうことは?」
先ほどから感じていた嫌な予感、どうやら当たりのようだ。
「はい。十年前に一度だけ出現したという、スキルポイントを直接ダンジョンバスターから吸い取るダンジョン……いわばスキルポイントのブラックホールのような存在が、今回出現したダンジョンの正体だと思われます」
「!!」
フェリナの言葉に立ち尽くす。
それじゃまさに……災害クラスのダンジョンと言う事か!
*** ***
「畜生! どうなってやがる!」
「こちらサトウ、緊急事態発生! 直ちに救援を請う!!
……くそっ、オペレーターと繋がらないぞ!?」
Cランクダンジョンを攻略中だった二人組のダンジョンバスター。
突然ダンジョン全体が揺れた、と思った瞬間ダンバスアプリがフリーズした。
慌ててアプリを再起動したものの、今度は外部と繋がらない。
それの意味するところは……最悪ダンジョン内に置き去りになるかもしれないということだ。
パニック寸前のふたりはなんとか接続が回復しないか、あらゆる手段を講じるものの……。
「だめだ! うんともすんとも言わないぞ!」
「おい、それよりスキルポイントが!?」
「なんだって?」
サトウと呼ばれたダンジョンバスターはオフライン状態のダンバスアプリを見て青ざめる。
「スキルポイントの残高が!?」
ついさっきまでは3000ポイントほどあったはずだ。
それが見る間に減っていき……ついには0へ。
「お、おい! ステータスまで……!」
被害はそれだけにとどまらない。
HPとMPが。
攻撃力と防御力が。
チャージしたはずのステータスが見る間に減っていく。
「ば、馬鹿な!」
一度チャージしたステータスがダンジョン内部で減少するなんて、聞いたことがない。
「は、早くボスを倒さないと」
本当にダンジョンから出られなくなってしまう。
だが彼らは忘れていた。
ここはCランクダンジョン。
強力なオリジナルモンスターが出現する可能性があるという事を。
ウオオオオオオオオンッ!
最後に聞こえたモンスターの遠吠えは、彼らにとって死刑宣告に等しかった。
「先ほどから謎の通信障害が出てまして……」
「通常回線で連絡してみろ!」
事務棟は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。
「C工区にいたウチのメンバーと連絡がつかないんだが、何とかしてくれよ!」
「きゅ、救出チームは順次出発予定です」
「順次って、いつだよ!?」
右往左往する事務職員に、窮状を訴えるギルドマスター。
「いったい、何が起きているんだ?」
「どうやら、ダンバスアプリの大規模通信障害が起きているようです」
「ほんとだ、圏外になってる!」
自分のスマホを取り出すと、右上に「圏外」の表示。
ダンバスアプリは基地局を通じて”協会本部”のサーバーと常時繋がっているのだが、その接続が切れたということになる。
「やっぱ通常回線もダメか」
念のため、回線を普通の携帯電話業者に切り替えるが、それでもだめだ。
「……ユウ、なんかきもちわるい」
不安なのか、袖を握ってくるリーサ。
「……これって”マナ”?」
「!!」
リーサのつぶやきにハッとする。
何か嫌な予感がする。
俺はダンバスアプリをオフラインモードで立ち上げる。
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■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:58,900(-300)
スキルポイント獲得倍率:17@た%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
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「!?」
スキルポイント獲得倍率がまた文字化けしているのもおかしいが、それより変なのは……。
「スキルポイントが……減った!?」
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■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:58,400(-500)
スキルポイント獲得倍率:17#む%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
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ピッ
驚いている間にも、スキルポイントが減少していく。
「フェリナ、これは!?」
「そんな……ありえません。
ご存じだと思いますが、ユウさんたちが使っているダンバスアプリは協会本部のセンターサーバーに接続され、そこにあるスキルポイント口座に各自が所有するスキルポイントの額が登録されています」
フェリナの言葉に頷く。
細かい仕組みはよく知らないが、不正を防ぐため個人が保有しているスキルポイントはクラウドで管理されている。
「ダンバスアプリがオフラインになった状態では、口座を介したやり取りは出来ません」
俺が現在所有するスキルポイントは10万ほど。
スキルポイントを売却してローンを前倒し返済するつもりだったので、たまたま多めにアプリにダウンロードしていたが、残りは別口座に入れてある。
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スキルポイント残高:58,100(-300)
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ピッ
話している間にも、スキルポイントの減少は止まらない。
「……と、いうことは?」
先ほどから感じていた嫌な予感、どうやら当たりのようだ。
「はい。十年前に一度だけ出現したという、スキルポイントを直接ダンジョンバスターから吸い取るダンジョン……いわばスキルポイントのブラックホールのような存在が、今回出現したダンジョンの正体だと思われます」
「!!」
フェリナの言葉に立ち尽くす。
それじゃまさに……災害クラスのダンジョンと言う事か!
*** ***
「畜生! どうなってやがる!」
「こちらサトウ、緊急事態発生! 直ちに救援を請う!!
……くそっ、オペレーターと繋がらないぞ!?」
Cランクダンジョンを攻略中だった二人組のダンジョンバスター。
突然ダンジョン全体が揺れた、と思った瞬間ダンバスアプリがフリーズした。
慌ててアプリを再起動したものの、今度は外部と繋がらない。
それの意味するところは……最悪ダンジョン内に置き去りになるかもしれないということだ。
パニック寸前のふたりはなんとか接続が回復しないか、あらゆる手段を講じるものの……。
「だめだ! うんともすんとも言わないぞ!」
「おい、それよりスキルポイントが!?」
「なんだって?」
サトウと呼ばれたダンジョンバスターはオフライン状態のダンバスアプリを見て青ざめる。
「スキルポイントの残高が!?」
ついさっきまでは3000ポイントほどあったはずだ。
それが見る間に減っていき……ついには0へ。
「お、おい! ステータスまで……!」
被害はそれだけにとどまらない。
HPとMPが。
攻撃力と防御力が。
チャージしたはずのステータスが見る間に減っていく。
「ば、馬鹿な!」
一度チャージしたステータスがダンジョン内部で減少するなんて、聞いたことがない。
「は、早くボスを倒さないと」
本当にダンジョンから出られなくなってしまう。
だが彼らは忘れていた。
ここはCランクダンジョン。
強力なオリジナルモンスターが出現する可能性があるという事を。
ウオオオオオオオオンッ!
最後に聞こえたモンスターの遠吠えは、彼らにとって死刑宣告に等しかった。
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