エージェントSの日常

ミッション0

エージェントSが、誕生したときのお話。

スマ中は、ごく一般的な、シンママです。

毎日幼稚園に通う息子と娘のお世話に追われて、仕事もしないといけないし、自分の趣味の時間なんか、全然ありません。

息子を出産する前までは、重度のヲタクではありましたが、息子を産んで、娘を産んで、休み無しの家事と育児と仕事。

暇さえあれば、少しでも寝て体力を回復させる毎日。

本当に、ヲタ活をする気力も体力もない日々。

しかし、息子が幼稚園の卒園ちょっと前に、事件が起こります。

それは、息子が幼稚園の発表会で劇をすることになった、冬の寒い日のことでした。

劇の演目は、西遊記。

幼稚園の先生に絵本を読んでもらったりして、役選びの日を迎えた息子。

息子は、孫悟空役がしたかったらしいのですが、クジで外れてしまい、猪八戒役になりました。

息子には、大好きなガールフレンドがいて、その子は三蔵法師役になったから、自分も、かっこいい孫悟空役がしたかったと、家でシクシクと泣くのです。

ここで、スマ中のヲタクの血が騒いでしまったのです。

猪八戒より孫悟空がかっこいいなんて、言わせません。

最遊記大好き。

猪八戒推し。

石田彰さん、大好き。

幼稚園の年長さんの息子や、年中さんの娘が、どれだけわかってくれるかはわかりませんでしたが、スマ中はTSUTAYAに行って、最遊記のDVDを借りてきました。

かっこいい猪八戒もいるんだよと、息子に見せつけてやりました。

その甲斐あって、息子は猪八戒役を嫌がることもなく、張り切って幼稚園で劇の練習に励んでくれました。

そのとき、スマ中は気づいてしまったのです。

好きのパワー。

推しの尊さ。

ヲタ活の素晴らしさ。

そして、スマ中は、晴れてエージェントSとなりました。

疲れてなんかいられません。

推しがもたらす幸せな寝不足を、もう一度味わうために、エージェントSは、日々奔走いたします。