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阿
隣
しおりを挟む大学生から社会人になることに伴い、田舎から都会へと上京してきて早2ヶ月。
仕事や都会の生活にもだいぶ慣れてきた。
どこのコンビニが一番近いとか、最寄り起きまでの終電が何時なのかなど、地理的なことも身についた。
新人ということもあり、平日は会社の歓迎会や各先輩、同期との飲み会が何回もあった。
また、同じく上京してきた友人がなかなか近い場所に住んでいたこともあり、飲み会三昧の日々だった。
そのため、土日、平日ともに家にいるのは睡眠時くらいであり、寝て起きるだけに使っているようなものであった。
そんなある時、たまたま何も予定がなかったため、いつもより大幅に早く自宅へと帰ってきた。
たまにはこんな日もいいなと思い、すぐさまソファへと寝転び、だらける。たまっていた漫画を読み進める。
「ドンッ」
突然音と振動が響き、ビクッとして体を起こした。どうやら右隣の部屋の壁が叩かれたようだ。
「…壁ドンか?」
うるさくしてた訳ではなかったため、何かあたってしまったのだろうと思い、再度漫画を読み進める。
何分か経過すると、「ドンッ」とまた聞こえてきた。
気にせず漫画を読み進める。
「ドンッ」
三度目の壁が叩かれた時、さすがにこれはわざとやっていると思い、漫画を読むのをやめた。
「ドンッ」
やはり、あえて壁を叩いているようだった。
「…隣は何してんだ?」
何も音を発していない私からすれば壁ドンされる筋合いもないため、イライラしつつ壁に近づく。
「ドンッ」
やはり、この壁の向こうから叩かれている。
「もしかして、何か事件とか…起きてるのか?」
それならば、壁に何かがあたって壁ドンのようになったというのも有り得なくもないだろう。
事件が起きていたらどうしようと思いつつ、私は恐る恐る壁にそっと耳を近づけた。
「「やっと会えたね」」
壁につけた耳のすぐ近くで声が聞こえ、咄嗟に体を引いた。
この部屋にはもちろん自分一人しかいない。
だが今の声は明らかに私に向けられたものであった。
一気に恐ろしさが全身を覆い、身体から危険を知らせるサインが発せられ、急いで布団へと潜る。
震えながらも自分を落ち着かせる。
「ドンッ」
また壁を叩く音が聞こえる。
「ドンッ」
今度は間隔を空けず壁が叩かれる。
「ドンッ」
「ドンッ」
「ドンッ」
もはや連打するかの如く、壁が叩かれていく。
外へ行こうと思い立ち、財布を握りしめ、急いで玄関へと向かった。
この部屋にはいられない、一刻も早く外に出たい。
そう思いながら急いで靴を履き、ドアノブに触れた。
「ドンッ」
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