怖い話はあなたのすぐ隣に

みみかき

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 これが夢だろうということは分かっている。

 家の近くのコンビニ。時刻は23時ごろだろう。私は夜飯でも買いに来たのだろうか。

 飯を選んでる際に、私の後輩が商品棚に向かっておもむろに排尿行為を行い始めた。店内を一周し誇らしそうにしていた。
 そんな場所にいられるわけもなく、逃げるように店の外へと出た。

 外は明るくなっていた。目の前の交差点の向こうから見知った顔が歩いてきた。
 私が惚れていたクラスの女の子だ。その子は私に気がつくと、歪な笑顔を見せてケタケタと笑った。

 その後ろでは、私の先輩が軽トラの荷台に運び込まれていた。
 地元では有名な悪として有名な先輩であったが、目の前の状況を見るからに、何かとてつもない事をしでかしたのであろう。

 先輩を荷台におろした人の顔を見ると、私の友人だった。しかし、その表情は見たことがないくらい冷徹なものであった。
 その手には軍手がはめられ、さらには大きな大きなスパナが握られていた。その友人がスパナを振り上げ、勢いよく下ろした。
 何度も何度も繰り返し、やがて軽トラに乗ってそのまま走り出した。

 私はその軽トラを追いかけて砂の道を歩いた。
 すると見晴らしの良い高台にでた。そこから眺める湖は碧く輝いており、神秘的な装いをしていた。

 周辺を少し歩いたのち、元来た道を戻っていると会員証らしきカードを拾った。
 すぐ隣に大きな図書館があったので、そこのカードだと思い届けることにした。

 図書館の中に入ると、音は即座に殺され、辺りは静寂に包まれた。
 無数の本が私を見ていた。

 入口の正面に、制服を身に纏った美しい女性がいた。あそこで受付の仕事をしているのだろう。
 私は先ほど拾ったカードを受付の女性に見せた。

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」

 何のことかわからないが、どうやら私は案内されているようだ。
 
エントランスを抜け、無数の本棚の間を抜け、学習している人々の間を抜け、ゆったりとした映像が流れているテレビの間へとたどり着いた。

 先ほどの受付の女性が見当たらず、私は困惑した。
 そこには、1台の古めかしい大きめのブラウン管テレビと、そこから流れる映像をみている私のクラスメイトしかいなかった。
 クラスメイトの中には先ほど交差点で笑っていた女の子もいた。

 テレビの正面右端に取っ手のようなものが付いていた。開けるようにそれを引くと、画面の中へと入れた。
相変わらずクラスメイトの女の子はケタケタ笑っていた。

 画面の中へ入ると、そこは外から見えていたテレビサイズ同様の空間があった。
 しかし、入って来た入口は固く閉ざされ、出口のようなものは見当たらず、私は表側の映像から聞こえてくる音をただただテレビの中で聞くことしかできなかった。

 ここから出ることはできないと諦めていた時、ふと、天井となる部分を押し上げた。
 すると、天井は動き出し、私は脱出することができた。
 そこから外へ出ると、足元は芝生となっていた。

 小高い丘のようなところに私は立っており、下を見下ろすと一軒の家があった。
 西洋の御伽噺に出てくるような外観をしていた。

 家のドアが開き、中から先ほどの受付の女性が現れた。

「ようやく辿り着けましたね。こちらへどうぞ。中で主が待っております」

 その美しい女性に誘われるがまま、家の中へと足を踏み入れた。

 家の中には一人の老婆が椅子に座り、こちらを見つめていた。
 会ったことはないが、恐らく私はこの人を知っている。

 でもそれが誰なのかはなぜか思い出せない。
 そう思いながらも、目の前の人に会えたことで私は涙を流していた。

 受付の女性が主と呼ぶ人物、髪は白く、首筋あたりで束ねられていた。
 眼鏡をかけた顔に刻まれた皺から推測すると60~70歳くらいの女性だと思う。

「お待ちしておりましたよ、○○さん。」

 私の名前が呼ばれたと思ったが、その部分は聞き取れなかった。
 私はどこか懐かしさを感じ、涙を流していたようだ。

 白髪の女性に促され椅子に座った。受付をしてくれた美しい女性は、紅茶セットの用意をしていた。

「今日あなたがここに辿り着いてくれることは分かっていました。ありがとう。今日は楽しんでいってください」

 笑顔の皺を作りながら、白髪の女性が頭を下げた。

 運ばれて来たティーセット、見たこともないようなお菓子。
 それらを3人で囲み、笑顔に包まれたまま、この夢は終わりを迎えた。
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