もふもふ至上主義ですが、なにか?

犬丸大福

文字の大きさ
50 / 190
道中、ばぁちゃん無双。いえ、孫もです

炭焼き小屋にて

しおりを挟む
「俺の名前はベルク。まぁ、ご覧の通り、山の民だ」

僕達はベルクさんのご好意に甘えて、炭焼き小屋で休ませて貰う事にした。

「山の民ってのは、鉱脈なんかを堀当てるのが得意でね。んでもって、黙々とそれを掘ってるんだよ。鍛冶屋のドワーフ達はお得意様でね。
だから皆、土やその上位の属性を持ってるが、俺は水も持っててね、どうにも嫌われてるのさ」
ハッと鼻で笑うようにベルクさんは話す。

「何で?土と水はエル…」もがっと、ばぁちゃんに口を押さえられた。

「植物を育てるには、そりゃ良い属性さ。
でもねぇ、金属、鉱物を扱うヤツらには水は、あんまり好かれないねぇ」

「なんで?」
こてん、と首をかしげて聞いてみた。

「好かれないどころか、嫌悪だよ。
錆びる原因になるのさ。
あと、まぁ精霊が居るから滅多な事はないんだが、水脈を当てちまうと、坑道が水没しちまうだろ?大惨事だ。
そこまで行かなくても、水が出ると掘り進められない。
水属性は水を呼ぶ、ってね、締め出されたわけだよ。
まぁ、そんなわけで、ここには俺と俺の契約精霊だけだ。気楽に過ごしてくんな」

「助かるよ。
肉と森で取れたもんでご飯にしようか。なぁ、調味料はあったりするかい?使わせてくれたらご飯をご馳走するよ、この子が」
ばぁちゃんが僕の頭にぽん、と手を置いた。

「お、おおぅ、アンタが作るんじゃないのか?」
「ダメだよ!ばぁちゃんに作らせたら、食材を無駄にするだけだよ!」
「…ハッキリ言うのな?」
「事実だもん!」
「ハッハッハ!そういうわけで、ユズリハが作るからね、期待してておくれ!」
「お、おぅ。と言っても、うちにもそうそう何もないぞ?」

と言って、案内してくれた台所。

「ええ?!見たことない調味料あるよ!味見していい?!!」
僕は嬉しくなってベルクさんに聞いてみる。

「しょっぱいぞ!ドワーフの町には飯屋も沢山あるし、ドワーフは大酒飲みだからな、つまみも豊富だ。
ドワーフの町に行けばこのくらい普通にあるぞ?」

「ばぁちゃん!!絶対ドワーフの町に行こうね!!買い占めようね!!」

「それは良いんだがね、ドワーフの町じゃ、物々交換出来るかい?貨幣かい?」

「ああーー、何か売れるようなものは持ってるかい?途中で肉を狩って行けば、それも売れるっちゃ売れるな」

「あるにはあるが…ポーションの需要はあるかい?」

「ああ!アンタ達は薬師かい!だから森で迷ってたのか!ポーションなら売れるぞ!というか、俺にも1つ売ってくれないか?!」
ベルクさんは、ばぁちゃんの肩をガシっと掴んで迫る。

「見たところ、どこも悪くなさそうだが?」
ばぁちゃんは、ベルクさんの手をバシっと払って距離を取る。

「ああ、すまない、乱暴するつもりじゃなかったんだ。
実は、俺の精霊がなんか元気ないんだ!ポーションは精霊にも効かないか?!」

「…普通のポーションは精霊にゃ効かないよ」

「そ、そうなのか。でも薬師なら、なにか原因はわかったりしないか?」
ベルクさん、手は出さないように後ろに組んでるけど、グイグイ顔を近づけてくる。

「わかるかどうか、わからんよ。しょうがない、まずは見せてみな」
ばぁちゃんがのけ反りながらも、精霊のためなら、と承諾する。

「本当か!!ありがとう!ありがとう!よし、さぁ出てきておくれ!」

ベルクさんが呼ぶと、テーブルの上に出てきた物体が2つ。


ペタン、と、うつ伏せになったカワウソさんと、その背中を撫でて心配そうにこっちを見るもぐらさんがいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

不器量で可愛げが無くて僻みっぽくて小賢しい私の話

あんど もあ
ファンタジー
王太子が真実の愛とか言って婚約破棄を宣言。廃太子と決まりました。おかげで妹の私に王太子になれと言われたのですが、不器量で可愛げが無くて僻みっぽくて小賢しくて政略結婚の役にも立たないと言われていた私がですか?

とある中年男性の転生冒険記

うしのまるやき
ファンタジー
中年男性である郡元康(こおりもとやす)は、目が覚めたら見慣れない景色だったことに驚いていたところに、アマデウスと名乗る神が現れ、原因不明で死んでしまったと告げられたが、本人はあっさりと受け入れる。アマデウスの管理する世界はいわゆる定番のファンタジーあふれる世界だった。ひそかに持っていた厨二病の心をくすぐってしまい本人は転生に乗り気に。彼はその世界を楽しもうと期待に胸を膨らませていた。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。

凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」 「それは良いですわね、勇者様!」 勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。 隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。 毎日の暴行。 さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。 最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。 今までの行いを、後悔させてあげる--

誰にも口外できない方法で父の借金を返済した令嬢にも諦めた幸せは訪れる

しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ジュゼットは、兄から父が背負った借金の金額を聞いて絶望した。 しかも返済期日が迫っており、家族全員が危険な仕事や売られることを覚悟しなければならない。 そんな時、借金を払う代わりに仕事を依頼したいと声をかけられた。 ジュゼットは自分と家族の将来のためにその依頼を受けたが、当然口外できないようなことだった。 その仕事を終えて実家に帰るジュゼットは、もう幸せな結婚は望めないために一人で生きていく決心をしていたけれど求婚してくれる人がいたというお話です。

処理中です...