もふもふ至上主義ですが、なにか?

犬丸大福

文字の大きさ
57 / 190
道中、ばぁちゃん無双。いえ、孫もです

逃さへんで!?

しおりを挟む
「ッチ。良いかい、アタシらに何かしようなんざ思わないこった。
フエゴがアンタを気にするから仕方ない、アタシ達が店から離れたらその氷は砕けるようにしてやるよ。松雪!頼めるかい?ああ、ありがとう。
これで心配ないだろう!だからさっさと行くよ!」
ばぁちゃんが店の人に釘を刺し、僕の手を繋いで、フエゴさんを急かす。

「あ、ああ。わかった」
フエゴさんも、チラチラと氷像を気にしながらも僕達の後に着いてきた。

「ありゃ、アンタに恨みでもあんのかい?」
店から少し離れてから、ばぁちゃんがフエゴさんに聞く。

「はぁ?!そんなわけあるか?!アイツとはちっちぇころからの仲だぞ?!」

「…ふーーん、まぁ別にいいさ。
さぁ、この街で一番の商会に連れてっとくれ。そこなら昔の金貨も使えんじゃないのかい?」
「ああ、なるほど、あそこなら大丈夫かもしれん」

そして少し歩いてお店に着くと。

「おいおいおいおい、ウソだろう?!」

ばぁちゃんが叫ぶ。


「センバ商会だって?!!!」


「なんだよ!ここが今一番の店だよ!!お前が連れてけって行ったんだろう!」
店の前で棒立ちになったばぁちゃんにフエゴさんが叫び返すと、お店から人が出てきた。

「お客様?何かございましたか?」
黒目黒髪、パリっとした白いシャツに黒いベストとお揃いのズボンをはいた、とっても姿勢のいいお兄さんが出てきた。

フエゴさんは真っ赤になってばぁちゃんをグイグイ全面に押し出す。
え?実は人見知り?

「ああ、すまない、実は旅の途中でね、こんだけ大きな町に来たんだ、一番の店に連れてってくれと頼んだら、まさかのセンバ商会で驚いたんだよ」
ばぁちゃんがポリポリと頬をかきながら答える。

「なんと!我が商会をご存知とは光栄でございます!どのような商品をお求めですか?」
ばぁちゃんを見て、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにニコニコと対応してくれるお店の人。

うん、さっきのドワーフさんとは大違いだね!

「いやぁ、いろいろ欲しいものは沢山あるんだが、ちなみに、この金貨は使えるかい?」
ばぁちゃんがさっきの金貨を出す。

「ッ…!!!お客様!悪いことは申しません、このようなもの、こんな往来で出すべきものではございません!!」
お店の人は、ばぁちゃんが出した手に自分の手をかぶせ金貨を隠すと、小声でばぁちゃんを叱りつけるように言う。

「急にお客様のお手に触れるなど、申しわけございません、ささ、中へどうぞ!
私、この支店の店長をしておりますタチバナと申します。私で良ければじっくりお話をお伺いいたしましょう!
ささ、お連れ様もどうぞどうぞ!」
めっちゃ背中を押されて店の中へ入ると

「カヤ!商談室、1つ空いてるね!そこにお茶を2つ、ジュースを1つ頼むよ!
さぁ、皆様どうぞこちらへ!!」

奥へと案内されるけど、お店の中はいろんな物があってめっちゃ見たい!!
僕がキョロキョロしてると、

「ぼっちゃんは商品が気になりますか?
大人の話もつまらないでしょうし、ジュースを飲んで一息着いたら店の中をご案内いたしましょうか?」
ニコニコ顔のタチバナさん。
僕はばぁちゃんとタチバナさんの顔を交互に見る。

「うん、まぁ、一旦は中へ入ろう。ユズリハもちょっと待っとくれ」
ばぁちゃんが僕の頭を撫でながら言う。うん、僕、大人しく待ってるよ!

「ユズリハぼっちゃん…親近感のわく名前です。できる事なら末長くお付き合い頂きたいです。
ええ、今日という日のこの時間、私が店に出ていたことにも意味がある!!
ワタクシの、センバの勘が、逃すな、と、そう言っております!!」


タチバナさんは、なんかちょっと物騒な事を言いながらニコニコと、僕とばぁちゃんを見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

不器量で可愛げが無くて僻みっぽくて小賢しい私の話

あんど もあ
ファンタジー
王太子が真実の愛とか言って婚約破棄を宣言。廃太子と決まりました。おかげで妹の私に王太子になれと言われたのですが、不器量で可愛げが無くて僻みっぽくて小賢しくて政略結婚の役にも立たないと言われていた私がですか?

とある中年男性の転生冒険記

うしのまるやき
ファンタジー
中年男性である郡元康(こおりもとやす)は、目が覚めたら見慣れない景色だったことに驚いていたところに、アマデウスと名乗る神が現れ、原因不明で死んでしまったと告げられたが、本人はあっさりと受け入れる。アマデウスの管理する世界はいわゆる定番のファンタジーあふれる世界だった。ひそかに持っていた厨二病の心をくすぐってしまい本人は転生に乗り気に。彼はその世界を楽しもうと期待に胸を膨らませていた。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。

凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」 「それは良いですわね、勇者様!」 勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。 隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。 毎日の暴行。 さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。 最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。 今までの行いを、後悔させてあげる--

誰にも口外できない方法で父の借金を返済した令嬢にも諦めた幸せは訪れる

しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ジュゼットは、兄から父が背負った借金の金額を聞いて絶望した。 しかも返済期日が迫っており、家族全員が危険な仕事や売られることを覚悟しなければならない。 そんな時、借金を払う代わりに仕事を依頼したいと声をかけられた。 ジュゼットは自分と家族の将来のためにその依頼を受けたが、当然口外できないようなことだった。 その仕事を終えて実家に帰るジュゼットは、もう幸せな結婚は望めないために一人で生きていく決心をしていたけれど求婚してくれる人がいたというお話です。

処理中です...