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外伝 センバは続く
幕間 理想の上司
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ヨーク視点
アンジュちゃんを下ろして、頭を撫でてから、エクリューシ様が待つ馬車に乗る。
「遅いぞ、ヨーク。まぁいい、これから待機場所に向かい、私の部下を紹介しよう!皆、私のために…」
なんか、エクリューシ様の自分自慢が始まったけど、それってきっと、君の部下じゃなくて、オージーかブライン侯爵の指示の元で動いてるよ?
オージー、なんでこれが良かったんだよ、いまだに僕には分からないよ…
馬車が建物の前でとまり、降りた僕達はその中に入っていく。
「皆の者!喜べ、朗報だ!私が立てたあの作戦を決行する時が来たのだ!!」
「「「「は????」」」」
扉をバーーンと開けた瞬間にエクリューシ様が宣言、その部屋にいた数人の男達がナニ言ってんだコイツ、の顔でこっちを向く。
うん、君の信用度がわかった気がしたよ。
「私の学生時代の側近でヨークだ。バストン侯爵家の三男で、今は領地軍にいるのだが、ちょうど王都に来ていてな、快く私の作戦に参加してくれることになった!」
ご機嫌で僕の背中をバシバシ叩きながら紹介するエクリューシと、アンタ本気か?という目を向ける隊員達。
いやいやいや、僕は参加なんてしたくなかったよ!あー、やっぱり?巻き込まれ事故?
初対面なのに目で会話出来ちゃった。
うん、ここの隊員達とは友達になれそうだ。
「さぁヨーク、そこに座ってくれ。
よし、説明をするぞ!
ここにいるヨークが、明日の昼頃、センバの娘と一緒に市場を散策する!そこで1本道を間違えて路地裏に入って貰う。そこで娘を誘拐させて、アジトを掴み、一網打尽だ!
完璧なこの作戦を完遂するために、明日実際に動くヨークに配置や連携などを、知らせておくように!
ではヨーク、明日は頼んだぞ!
これで王都の憂いはまた一つ、私が取り除いて平和に近づくのだな!!ダーッハッハッハッハ!!」
と、僕の背中をバシバシ叩き、「善きに計らえ!」と部屋を出ていくエクリューシ。
呆然とその姿を見送ってから、
「え?」
と、思わず正面に向き直り、隊員達に疑問系で声を発してしまったら
「「「「はぁぁああ??」」」」
盛大な疑問系で返されてしまった。うん、僕もそっち側なら、同じ反応したと思う。
「え?つまり、あのバカ殿、センバに盛大に喧嘩売り付けてきたんですか?!」
バカ殿って、絶妙な呼び名だね!
「現実逃避してる場合じゃないです!隊長に、あ、いや、隊長は具合悪いから侯爵様に報告を!」
リーダー格の隊員が指示を出す。
「あー、ついでに、バストンと、フレア公爵にも遣いを出して欲しい、って僕から説明に行った方が良いかな?」
父上とフレア公爵にも話上げておかないと、まずい。
「…もし、可能であるなら、公爵様方全員で同じ情報を共有するべきでは?
その上で、センバへ謝罪に伺うべきかと愚考いたしますが、明日…明日…?本気で作戦決行??準備とか、根回しとか…クッソ、バカ殿め!!」
リーダーが頭を抱えだしたぞ。
「アレは何時もああなの?
言うだけ言って、すべて丸投げ。作戦っていう作戦も、計画も、なにも立ててないじゃん。君たち、大丈夫?」
隊員達がかわいそう過ぎない?
「隊長、あ、オージーヌ様が隊長なんですが、隊長がいた時は、きちんと回っていました。バカ殿の耳に入れる情報自体も制限してましたから。
気持ちよく仕事してたとおもいますよ、本人は。もう、隊長の偉大さを毎日実感している所です」
がっくりと項垂れるリーダー。
「今回は僕も関わってるからね、協力するよ。
センバ案件、至急って連絡したら、うちの父上とフレア公爵は何を置いてもすぐ来ると思う。ただ、父上達はここの場所を知らないから、我が家で話合わない?ブライン侯爵はどう?すぐ呼べる?」
リーダーに打開策を提案する。
「はい、うちも〝バカ殿案件、フレア公爵も関係者〞と知らせればすぐ来てくれるかと。
では、そのように連絡します。
我々はこのまま、バストン侯爵家にお邪魔してもよろしいので?」
「ああ、一緒に行こうか。こうなるとエクリューシ様が退出してくれて良かったんだね!」
「あ、誰か一人残ってくれるか?もし戻って来たら、下見に行ったと、配置などの確認に時間がかかってると言ってくれ。バカ殿の勤務時間が終わっても我々が戻らなければ、バストン侯爵家に来てくれ。
誰も居ないと、自分が指示を出す側なのに勝手にしてる、とか、自分が仲間外れにされている、だとか、もう、後が面倒なんです。
的確な指示も貰ったことは無いし、仲間外れもなにも、アンタ我々と一緒の現場で動かないでしょうに、と言いたい…」
うわー、うわー、ストレスマックスだ!
「うん、美味しいお茶と茶菓子出して貰うから、全部愚痴っちゃいなよ!」
不満は小出しに発散しとかないと、大爆発起こすとより大変なんだから!
「隊長は有能なんです。なんですが、隊長だって人間です。今回は妊娠ですが、それに子供がお一人だけとも限らず、何かご病気、こんな仕事柄、怪我などしたら、隊長に何かある度に、アレがしゃしゃり出てくるかと思うと…
ああ、すみません、小さい頃から一緒だった貴方を尊敬します。ええ、自制の効かない幼い頃に関わってたら、俺はアレを殴ってたと自信を持って言えます!」
「ブッファ、無駄にキリっと言い切ったね!貴方方なら、聞かれるようなヘマはしないでしょう!ドンドン言っちゃいなよ!
リーダーだけじゃなく、皆もね!」
アッハッハって、少し空気が和らいだ。良かった。
「貴方のような人が上司なら良かった…」
何人かが目配せしていたが、リーダーのつぶやきは拾えなかった。
アンジュちゃんを下ろして、頭を撫でてから、エクリューシ様が待つ馬車に乗る。
「遅いぞ、ヨーク。まぁいい、これから待機場所に向かい、私の部下を紹介しよう!皆、私のために…」
なんか、エクリューシ様の自分自慢が始まったけど、それってきっと、君の部下じゃなくて、オージーかブライン侯爵の指示の元で動いてるよ?
オージー、なんでこれが良かったんだよ、いまだに僕には分からないよ…
馬車が建物の前でとまり、降りた僕達はその中に入っていく。
「皆の者!喜べ、朗報だ!私が立てたあの作戦を決行する時が来たのだ!!」
「「「「は????」」」」
扉をバーーンと開けた瞬間にエクリューシ様が宣言、その部屋にいた数人の男達がナニ言ってんだコイツ、の顔でこっちを向く。
うん、君の信用度がわかった気がしたよ。
「私の学生時代の側近でヨークだ。バストン侯爵家の三男で、今は領地軍にいるのだが、ちょうど王都に来ていてな、快く私の作戦に参加してくれることになった!」
ご機嫌で僕の背中をバシバシ叩きながら紹介するエクリューシと、アンタ本気か?という目を向ける隊員達。
いやいやいや、僕は参加なんてしたくなかったよ!あー、やっぱり?巻き込まれ事故?
初対面なのに目で会話出来ちゃった。
うん、ここの隊員達とは友達になれそうだ。
「さぁヨーク、そこに座ってくれ。
よし、説明をするぞ!
ここにいるヨークが、明日の昼頃、センバの娘と一緒に市場を散策する!そこで1本道を間違えて路地裏に入って貰う。そこで娘を誘拐させて、アジトを掴み、一網打尽だ!
完璧なこの作戦を完遂するために、明日実際に動くヨークに配置や連携などを、知らせておくように!
ではヨーク、明日は頼んだぞ!
これで王都の憂いはまた一つ、私が取り除いて平和に近づくのだな!!ダーッハッハッハッハ!!」
と、僕の背中をバシバシ叩き、「善きに計らえ!」と部屋を出ていくエクリューシ。
呆然とその姿を見送ってから、
「え?」
と、思わず正面に向き直り、隊員達に疑問系で声を発してしまったら
「「「「はぁぁああ??」」」」
盛大な疑問系で返されてしまった。うん、僕もそっち側なら、同じ反応したと思う。
「え?つまり、あのバカ殿、センバに盛大に喧嘩売り付けてきたんですか?!」
バカ殿って、絶妙な呼び名だね!
「現実逃避してる場合じゃないです!隊長に、あ、いや、隊長は具合悪いから侯爵様に報告を!」
リーダー格の隊員が指示を出す。
「あー、ついでに、バストンと、フレア公爵にも遣いを出して欲しい、って僕から説明に行った方が良いかな?」
父上とフレア公爵にも話上げておかないと、まずい。
「…もし、可能であるなら、公爵様方全員で同じ情報を共有するべきでは?
その上で、センバへ謝罪に伺うべきかと愚考いたしますが、明日…明日…?本気で作戦決行??準備とか、根回しとか…クッソ、バカ殿め!!」
リーダーが頭を抱えだしたぞ。
「アレは何時もああなの?
言うだけ言って、すべて丸投げ。作戦っていう作戦も、計画も、なにも立ててないじゃん。君たち、大丈夫?」
隊員達がかわいそう過ぎない?
「隊長、あ、オージーヌ様が隊長なんですが、隊長がいた時は、きちんと回っていました。バカ殿の耳に入れる情報自体も制限してましたから。
気持ちよく仕事してたとおもいますよ、本人は。もう、隊長の偉大さを毎日実感している所です」
がっくりと項垂れるリーダー。
「今回は僕も関わってるからね、協力するよ。
センバ案件、至急って連絡したら、うちの父上とフレア公爵は何を置いてもすぐ来ると思う。ただ、父上達はここの場所を知らないから、我が家で話合わない?ブライン侯爵はどう?すぐ呼べる?」
リーダーに打開策を提案する。
「はい、うちも〝バカ殿案件、フレア公爵も関係者〞と知らせればすぐ来てくれるかと。
では、そのように連絡します。
我々はこのまま、バストン侯爵家にお邪魔してもよろしいので?」
「ああ、一緒に行こうか。こうなるとエクリューシ様が退出してくれて良かったんだね!」
「あ、誰か一人残ってくれるか?もし戻って来たら、下見に行ったと、配置などの確認に時間がかかってると言ってくれ。バカ殿の勤務時間が終わっても我々が戻らなければ、バストン侯爵家に来てくれ。
誰も居ないと、自分が指示を出す側なのに勝手にしてる、とか、自分が仲間外れにされている、だとか、もう、後が面倒なんです。
的確な指示も貰ったことは無いし、仲間外れもなにも、アンタ我々と一緒の現場で動かないでしょうに、と言いたい…」
うわー、うわー、ストレスマックスだ!
「うん、美味しいお茶と茶菓子出して貰うから、全部愚痴っちゃいなよ!」
不満は小出しに発散しとかないと、大爆発起こすとより大変なんだから!
「隊長は有能なんです。なんですが、隊長だって人間です。今回は妊娠ですが、それに子供がお一人だけとも限らず、何かご病気、こんな仕事柄、怪我などしたら、隊長に何かある度に、アレがしゃしゃり出てくるかと思うと…
ああ、すみません、小さい頃から一緒だった貴方を尊敬します。ええ、自制の効かない幼い頃に関わってたら、俺はアレを殴ってたと自信を持って言えます!」
「ブッファ、無駄にキリっと言い切ったね!貴方方なら、聞かれるようなヘマはしないでしょう!ドンドン言っちゃいなよ!
リーダーだけじゃなく、皆もね!」
アッハッハって、少し空気が和らいだ。良かった。
「貴方のような人が上司なら良かった…」
何人かが目配せしていたが、リーダーのつぶやきは拾えなかった。
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