《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

文字の大きさ
499 / 562
外伝 センバは続く

幕間 バカ殿案件

しおりを挟む
ヨーク視点


我が家に到着して応接室を準備して貰い、父上とフレア公爵様に使いをお願いする。
テーブルに地図を広げて、リーダーや隊員達と場所を確認していたら、

「バストンの小倅!センバ案件とな!何があった!!」

バーーンと扉が開いて颯爽と現れるフレア公爵様と、おや、その後ろからアイシア公爵様にライド公爵様、それにうちの父親が額に手を当てて最後に入ってくる。

隊員達がキリっと姿勢を正す。

「おや、アイシア公爵様方まで揃ったんですか?」
僕はちょっとびっくりして、父親の方を見る。

「お前が、至急のセンバ案件と言うからじゃないか…」
ため息混じりの父親に

「今、センバの次世代が王都に揃っとるじゃないか。つい先日も雷の娘達とセンバで茶会をしたのだろう?そんな時期にセンバ案件でしかも至急ときたら、氷も雷も呼んだ方が良かろう!
さぁ、何があった!」
フレア公爵が急かして来る。

「ちょっと待ってください。
こちらブライン侯爵主体の王都治安部隊の皆さんです。隊員から、ブライン侯爵様にもお声がけしてもらってます。
まだ来てな」
「すまない!遅くなってしまったか!おおぅ、フレア公爵まで、もうお揃いで!
うちの、うちのとは言いたくないが、うちのバカ婿がまた何かしでかしたと聞いたのだが?!フレア公爵に一体どんな迷惑をかけたんだ!?」
「ん?バカ婿?ワシにか?」
「え?」「え?」
普段は威厳のあるオジサン達が困惑している。

「あー、皆さん揃ったので、今から僕が説明します。
どうぞお掛けいただいて、まずはお茶を。
ゆっくり飲めるのは今だけだと思うんで。あ、皆も飲んどこう、一旦落ち着こうね」

公爵達だけでなく、隊員達にもお茶を出して貰い、使用人には一旦下がってもらう。

「まず、大前提として、今、王都で子供の誘拐事件が頻発している。
それに治安部隊を統括しているブライン侯爵様をはじめとして、うちの父親とフレア公爵様が協力している、で良いですか?」
僕の確認に

「間違いない」
ブライン侯爵様がうなずき

「ああ、ワシらも協力しとるな!ちなみに他の3公爵にも情報は提供しとるぞ」
フレア公爵様がアイシア公爵様達の方を見て、アイシア公爵様達もうんうんうなずいている。

「では、今日僕に起こった出来事をお話します。

僕、シラヌイ・センバ様の長女であるアンジュ・センバ嬢2歳の唯一らしいです」

「「「「…、……、は???」」」」
3公爵様とうちの父親が固まってる。

「それで?」
ブライン侯爵様は怪訝な顔で続きを促す。

「ええ、センバの唯一を知らないとそうなりますよねー。
まぁ、いいとして。

今日、センバに、エミリオ達に呼ばれてセンバのお屋敷に行って、カミングアウトされました。
アンジュちゃんは僕にべったりでして、しかも2歳にしたらとんでもなく賢い子です。さすがエミリオの姪っ子、シラヌイ様もユーディリア夫人も非常に頭の良いお方ですから、さもありなん、ってところです。
そんな和やかにお茶をしてる所に招かれざる客が来ました。

そう、ブライン侯爵様がバカ婿、隊員がバカ殿と称するエクリューシ様です。

父上、うちの門番不味いです。
エクリューシ様がいきなり我が家に来て僕と約束してる、って言ったそうです。そしたら、門番が、僕は今日、センバとの約束があってもう居ないとバラしたそうです。
家の情報をペラペラしゃべる門番はヤバいです。

で、エクリューシ様、僕がアンジュちゃんを抱っこしてるのを見てこう言いました。

〝丁度良い子供がいるじゃないか〞」

「「「「は???」」」」
3公爵とうちの父親、さっきから固まってばっかり。

「ま、まさか…?!」
ブライン侯爵様の顔色が悪くなってきた。うん、これからもっと悪くなるよ!

「ブライン侯爵様、そのまさかです。
なんか、エクリューシ様、囮作戦を考えてたらしく、それにアンジュちゃんと僕を使うって。

しかも!

〝危なくなんてないだろう?化け物とセンバの子供なんて丈夫に決まってる!多少雑に扱っても構わん〞

〝だって適任じゃないか、殺しても死ななそうな子供なんぞ〞

と、まぁ暴言吐きまくりで、勇者の再来であるシラヌイ様の殺気が尋常じゃ有りませんでしたが、ユーディリア夫人とエミリオが取りなしてくれました。

3公爵様と父上は早急にエミリオの機嫌を取ってください。なんなら、今から先触れを出して行っても良いです。
ブライン侯爵様はオージーに詫び状を書いて貰ってください」

「「「「なにやっとんじゃ、アレはぁ!!」」」」
激怒する3公爵と父上に対し

「もう、俺の手でシメるしかないか?すまん、オージーヌ、俺は父親としてお前の幸せを、」
ブライン侯爵様、両手を見つめてぷるぷるしだした!

「ブライン侯爵様、ストップ!!
エクリューシ様の生殺与奪の権利はエミリオ、あ、いや、ユーディリア夫人に渡しましょう。
エミリオは躊躇なく奪いそうですが、夫人なら、オージーの事も考えてくれると思います。その事もオージーに伝えてください。
ああ、父上、それを土産にセンバのお屋敷へ行くのも良いかと。

で、こっからが問題です」

「「「まだあるのか?!!」」」
3公爵が立ち上がって部屋を出ようとしてたけど、慌てて振り返る。

「アンジュちゃんがねぇ、健気なんですよ。
僕が困ってるなら助けてあげる、手伝ってあげるって言うんですよ。

そんな娘に絆されたパパシラヌイ。

アンジュちゃんを全方位で守るために、使命感に燃えてまして。

そんなパパシラヌイの暴走、王都壊滅を防ぐため、センバが出動しますので、さらなる人災を防ぐため、3公爵様にも共に出動を要請します。

あと、あのバカ殿、明日決行とか宣言し腐りやがりまして。センバはそれで考えてるかと。
むっちゃ腹立つんで、エクリューシ様、明日はどっかに閉じ込めておいてもらえません?」

「「「「明日ぁぁぁ?!!」」」」

「馬車を用意しろ!」「いや、先触れが先だ、それまでにある程度地図を頭にいれておけ」「いや地図をセンバに持っていくぞ!」「おい、隊員!どの道を通る予定だ!?」「隊員はどのくらい配備する?」「いや、センバがどのくらい人員を出すんだ?下手に多いとセンバの邪魔だぞ?!」

いやー、父親たちがカオスだわー。

「バカだ、バカだとは思っていたが、バカだけなら無害なのに、人に迷惑をかける愚か者に成り下がっとる…」

ブライン侯爵様、早く立ち直ってくれないと、イロイロやること山積みだよー?
しおりを挟む
感想 68

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

この優しさには絶対に裏がある!~激甘待遇に転生幼女は混乱中~

たちばな立花
ファンタジー
処刑された魔女が目を覚ますと、敵国の王女レティシアに逆行転生していた。 しかも自分は――愛され王女!? 前世とは違う扱いに戸惑うレティシア。 「この人たちが私に優しくするのは絶対に何か裏があるはず!」 いつも優しい両親や兄。 戸惑いながらも、心は少しずつ溶けていく。 これは罠? それとも本物の“家族の愛”? 愛を知らないレティシアは、家族の無償の愛に翻弄されながらも成長していく。 疑り深い転生幼女が、初めて“幸せ”と出会う―― じんわり心あたたまる、愛されファンタジー。 他サイトでも掲載しています。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

処理中です...