《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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外伝 センバは続く

幕間 守ったのは… 2

フレア公爵視点


「ワシと氷ので、あの神父の尋問をしようか」
「ああ、か?」
「エミリオに土産を持っていかんとなぁ?」
「手ぶらじゃ、形無しだわな」
氷のと一緒にそんな話をしながら、影の所に行く。

「おい、影の。あの神父ワシらに渡せぃ」
「フレア公爵…」
「主犯の男が神父に向かって言っとったろ。だ、と。
その真意を洗いざらいしゃべってもらわにゃ、エミリオにセンバの流通止められかねんわ」
「お、おまかせします…」
さすがの影もうなだれるか。

「失礼しますが!」
「なんじゃ?!」「おおぅ?!」「ヒィ?!」
そこへいきなり降ってきたメイド。ぬ、黒髪。センバの者か?

「ワタクシ、ユーディリア奥様のメイドでセリと申します。主犯のうちの1人、灰色の髪の方、貰い受けたく存じます」
「「「なぜに?!」」」 
「どうにも見覚があります」
「いや、それだけで犯罪者を引き渡せ、というのは、いくらセンバの願いでも、ちょっと…」
影のが断っとるわ。
まぁ、捕まえた犯罪者を欲しいと言われてホイホイ引き渡せるもんじゃないわな。

「引き渡しは出来んが、聞きたいことがあるなら、尋問に加わるのを許可したらどうじゃ?」
妥協点はこのあたりじゃろ。

「ぬぅ。では、ワタクシともう一人加わる許可を」
「じゃ、雷と大地と一緒に尋問に当たってくれ。もう一人の主犯の男を影と土で。植物には残党の捕縛と拘束を引き続き頼むか」
「「「了解」」」
「では、セリとやら、雷達と共に行ってくれ」
「ハッ!感謝致します!」

どぉれ、神父め。なんっちゅう面倒を引き起こしてくれてんだ。


拘束されたままの状態で床に座らされた神父の前に座る。

ん?

「お前、どっかで見たことあるな?どこだ?」

隊員の一人が神父の後ろに立ち、うつむいた顔を無理矢理上げさせる。

「んー?んんん?思い出せん。氷の。見覚えないか?」
「だいぶ痩せたし、しょぼくれとるが、コイツ、ピンク聖女の時の大神官じゃないか?」
腕を組ながら、まじまじと神父の顔をみる氷の。

「は?」
ワシは、コイツの顔じゃなく、目をつぶって、ピンク聖女の時の大神官を思い出す。

「なぁ?ピンク聖女の担当者は、センバに行かなかったか?」
思い出せたのは、疲れた顔して聖女の尻拭いに奔走してた若い神官。

「炎が言ってるのは、直接担当してた聖女の被害者みたいな神官だろう?あれは別だ。
あの神官の上司で、王都の教会の大神官だったヤツ。
センバの魔獣暴走のあと、教会の大粛清があっただろう?あれで更迭されてなかったか?」

「ああ、だから孤児院の神父…」
と思わず納得しそうになったが

「ってか、そんな欲にまみれた人間を孤児院の責任者って、一番させちゃダメな仕事だろう?!なにしてんだ、教会?!粛清の意味は?!」
氷のが怒ってる。

たしかにな、子供の成長に一番良くない人間だわな。

「おい、お前をここに送った人間の名前は?そいつにも責任とって貰う!」
氷のが、神父の胸ぐらを掴み威嚇する。

「…」
「おい、俺は炎よりは気は長い方だが、犯罪者には容赦せんぞ?」
氷のが、ピキピキと、掴んだ胸ぐらの服を凍らせていく。

「ヒィィ!」
氷のは、神父を乱暴に地面に叩きつけ、

「凍傷って知ってるか?末端は氷やすいんだよ。凍れば、壊れ安い。足や指が失くなる前にさっさと質問に答えた方が良いぞ?
それとも、炎が少しづつ炙っていく方が好みか?」

氷の言葉に合わせて、手のひらに炎を出してみた。
うむ、やっぱり氷のは優しいのぉ。ワシに手を出させないようにしとるじゃないか。

「ヒィィ!!
しゃ、しゃべる!しゃべるから、火炙りはイヤじゃ!!」

ガクブルの神父に

「まずは、なんで更迭されたはずのお前が、王都の孤児院に居たかから。そもそも更迭された連中は王都追放じゃなかったか?」
「…」
そう聞く氷の言葉にも黙ったままの神父にイラッとしたワシ。

ボッ「ヒィィ!!」

うつむいた神父の顔の真ん前に炎を出してやった。

のけぞったが、前髪チリチリしとるな。

「氷のが言うたろう。ワシは気が短いんじゃ。さっさとしゃべれ」
言いながら、ヒョイと火の玉を神父の隣に放り投げる。

「ヒィィ!
お、おお王都追放になったが、教会を出されたが、旅に物資は必要じゃろう!
この教会を見つけて、必要なものを揃えるのに寄って一晩泊めて貰った!そしたら都合よくここの神父が死んだんじゃ!だから私がここにそのまま居てやったんだ!!」

「おまッ?!神父殺しまでしてたのか?!!」

「してない!!本当に殺してない!最近心臓が痛くて後任を教会に頼んでいたと、それがあんたか、やっと寄越してくれたか、と、あっちが勝手に納得して、安心して、そしたら朝、死んでたんだ!」

「その遺体は?!」

「…私とて大司教までやったんだ。孤児達と一緒に葬式ぐらいしてやったわ」

「で、そのままあそこに居着いたと」

「うむ」

「で、いつから子供の誘拐を?もう、売った子供は居るのか?」

「まだだ。3年前、私が大神官時代、コレクションしてた酒をよく買ってたヤツと偶然会った。
そっから、ひなびた教会や孤児院は都合が良いと、教会の地下に盗品を隠すのを見逃せば、酒が手に入った。
ずっと物だけだった。

それが半年前、孤児院でちょっと預かれと身なりの良い子供を連れて来た。
孤児の中に一人だけ良い服来たのがいたら目立つ。孤児達も最初は遠巻きにしてたが、その子供にも食わせなきゃダメだろう?
一人だけ良い服着て、仕事もせずに飯だけ食ってるヤツがいたら、いじめになるわ。
だから、お前の飯代にする、って、服を取り上げて売って、実際子供らの飯代になった。
その後は働かざる物食うべからず、で、子供達が自分だけ親が迎えに来ると思うな、ここに居るなら同じように働けって、しごきだしたわな。
そっから、7人か、良い身なりの子供が連れてこられた。
服や持ち物は全部売った。

そして、孤児院に宗教国から通達が来たんだよ。

黒髪の子供、加護持ちの可能性有り。連れてきた者に、ようならそれなりのポジションが用意されてる、と。
だから、黒髪の子供が欲しかった。宗教国でかつての栄華を取り戻すために」

「「はぁ?!!」」


おいおいおいおい、話がでかくなってきたぞ?!
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