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外伝 センバは続く
幕間 売られた喧嘩は倍値で買う 2
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アレグロ視点
エミリオ様の説明によると、アルト司祭様の上司も上司、教会の偉い人がセンバを戦力として欲しがっていると。
「しかも、傭兵として雇いたい、とかじゃないんだよ。それなら希望者と雇用契約してもらえばいいだけの話だ。
まぁ、センバの人間で、教会の見栄の戦力に使われるのを良しとするヤツも、あんまりいないと思うけどねぇ。だって、戦わないで立ってるだけ、実際戦うのは人間同士、張り合いないと思うよ?」
えっと、つまり、なんなんですか?
「王都で黒髪の子供を狙って拐おうってヤツが出た。
大人は言いなりにならないから、子供を拐って、良いように言い聞かせて、都合よく使いたいってことなんだよ。
で、黒髪の子なんて、あっちこっちにいるわけじゃないじゃん。
だから、センバの孤児院の責任者である司祭様にも通達が来てないか確認に来たんだよね。
そしたら、まぁ、ツッコミ所満載の、絶妙に断りづらい通達が来てたんだよねぇ」
そう言って、エミリオ様は司祭様に視線を向ける。
司祭様はため息をついて話だした。
「とりあえずアレグロ、手を離してください。「ッチ」舌打ちしないの。
教会の総本山である宗教国に、センバの孤児達を連れてこいと、教皇自ら言祝ぎを行うという栄誉を与えると言ってるんですよね。
まず何故なのか書いてない。
教会の運営する孤児院に通達してるの?我が国だけ?え、帝国とかは?どんだけいると思ってるんですかね、孤児。ってことはそれは現実的じゃない、つまり、センバの孤児だけ?何故孤児に?センバの領主じゃないく?
そして最大の疑問。
孤児院に費用をどう捻出しろと?
と、まぁ、次から次へと疑問しか出てこない。
通達自体が偽物かと疑いまして、
〝こんな通達が来ましたが本物ですか?偽物ですよね?孤児院に国を渡る費用があると思ってる?〞
って事を遠回しな表現で返したんですよ。
ええ、国をまたいだ郵便も費用がかかるんです。その費用を捻出するのに1ヶ月。
そしたら、返事が」
司祭様が頭を抱えると、エミリオ様が紙をヒラヒラさせながら
「〝天下のセンバだろ?せっかく栄誉をやるってんだ、嬉しいだろ、宗教国へ渡る費用ぐらい出せよ〞
って感じの事がこの手紙に書いてある。よくもまぁ、センバを馬鹿にしてくれやがって」
と言った瞬間、グシャっと紙を握り潰す。
すると司祭様が
「私、思うんですよ。
宗教国よりも、ここ、センバの方がよっぽど神様に愛されてると。
領民は普通の言葉の端々に武神様への感謝を言うし、一晩捧げたら子供達に食わしてやってくれって、お供えとして教会にイロイロ持ってきて、〝武神様、子供達を頼みますよ〞って言うんです。
なんっていうか、しがない凡人の私ですが、武神様の嬉しそうな気配を感じるんです。
ここで暮らしてるだけで、幸せを、祝福を、頂いてると思うんです。
わざわざ宗教国に行く必要を感じない。
むしろ、お前らが来て、ここの領民を見習えと言ってやりたい」
え、言っちゃえば?
「言えるわけないでしょう!」
いやん、怒った顔もステキ。
「ってか、センバの子供が欲しいから、お前ら来いよ、ってどんだけ上から目線なの?
そんで、そのまま子供達が大人しく言うこと聞くと思ってるのかね?
って、お前達、ここじゃない場所で働きたいなら道はなるべく用意してやりたいけど、教会に所属したいと思ってたヤツって、いた?」
扉の前にいた子供達、ブンブンと全員首を横に振っている。
「休みの日とかに司祭様のお手伝いならしてもいいけど、僕はセンバ商会で働きたい!」
あらカツラには夢があったのね。
「俺は砦で働きたい!」「俺も砦かなぁ」「鍛冶職人!」「馬!あと領主様の所のグリフォン!世話したい!」
他の子達も考えてるのね。
「皆、夢があって良いね。
しかもセンバに根付いてくれてるのが領主一族としてはありがたい。司祭様の教育の賜物ですね!感謝します」
エミリオ様がにっこにこで司祭様にお礼を言っている。
「いやいやいや、エミリオ様始め領主様方が良くここを治めてくれているからです。こんなにも居心地の良い場所はそうそうないです。私はここに骨を埋めますよ」
「私と結婚して、ここで生涯暮らしましょう!」
「まだ諦めてないんですか…」
司祭様の両手を握って宣言する私に、苦笑いを返してくるけど、手を離す仕草はなくなったわ!よし、このまま順調に慣れさせていくのよ!
「エミリオ様は、僕達がここに残って働くのは良いの?」
カツラが聞いてくる。
「もちろんだ!子供はセンバの発展の礎だぞ!俺もセンバが大好きだ、お前達もそうだったら目茶苦茶嬉しい。あんな腹立つ教会の組織になんて渡したくないね!!」
ハンっと鼻で笑うエミリオ様に
「じゃぁさぁ、僕達が思い通りにならないのを知らしめてやろうよ!!」
カツラ、なにする気?
エミリオ様の説明によると、アルト司祭様の上司も上司、教会の偉い人がセンバを戦力として欲しがっていると。
「しかも、傭兵として雇いたい、とかじゃないんだよ。それなら希望者と雇用契約してもらえばいいだけの話だ。
まぁ、センバの人間で、教会の見栄の戦力に使われるのを良しとするヤツも、あんまりいないと思うけどねぇ。だって、戦わないで立ってるだけ、実際戦うのは人間同士、張り合いないと思うよ?」
えっと、つまり、なんなんですか?
「王都で黒髪の子供を狙って拐おうってヤツが出た。
大人は言いなりにならないから、子供を拐って、良いように言い聞かせて、都合よく使いたいってことなんだよ。
で、黒髪の子なんて、あっちこっちにいるわけじゃないじゃん。
だから、センバの孤児院の責任者である司祭様にも通達が来てないか確認に来たんだよね。
そしたら、まぁ、ツッコミ所満載の、絶妙に断りづらい通達が来てたんだよねぇ」
そう言って、エミリオ様は司祭様に視線を向ける。
司祭様はため息をついて話だした。
「とりあえずアレグロ、手を離してください。「ッチ」舌打ちしないの。
教会の総本山である宗教国に、センバの孤児達を連れてこいと、教皇自ら言祝ぎを行うという栄誉を与えると言ってるんですよね。
まず何故なのか書いてない。
教会の運営する孤児院に通達してるの?我が国だけ?え、帝国とかは?どんだけいると思ってるんですかね、孤児。ってことはそれは現実的じゃない、つまり、センバの孤児だけ?何故孤児に?センバの領主じゃないく?
そして最大の疑問。
孤児院に費用をどう捻出しろと?
と、まぁ、次から次へと疑問しか出てこない。
通達自体が偽物かと疑いまして、
〝こんな通達が来ましたが本物ですか?偽物ですよね?孤児院に国を渡る費用があると思ってる?〞
って事を遠回しな表現で返したんですよ。
ええ、国をまたいだ郵便も費用がかかるんです。その費用を捻出するのに1ヶ月。
そしたら、返事が」
司祭様が頭を抱えると、エミリオ様が紙をヒラヒラさせながら
「〝天下のセンバだろ?せっかく栄誉をやるってんだ、嬉しいだろ、宗教国へ渡る費用ぐらい出せよ〞
って感じの事がこの手紙に書いてある。よくもまぁ、センバを馬鹿にしてくれやがって」
と言った瞬間、グシャっと紙を握り潰す。
すると司祭様が
「私、思うんですよ。
宗教国よりも、ここ、センバの方がよっぽど神様に愛されてると。
領民は普通の言葉の端々に武神様への感謝を言うし、一晩捧げたら子供達に食わしてやってくれって、お供えとして教会にイロイロ持ってきて、〝武神様、子供達を頼みますよ〞って言うんです。
なんっていうか、しがない凡人の私ですが、武神様の嬉しそうな気配を感じるんです。
ここで暮らしてるだけで、幸せを、祝福を、頂いてると思うんです。
わざわざ宗教国に行く必要を感じない。
むしろ、お前らが来て、ここの領民を見習えと言ってやりたい」
え、言っちゃえば?
「言えるわけないでしょう!」
いやん、怒った顔もステキ。
「ってか、センバの子供が欲しいから、お前ら来いよ、ってどんだけ上から目線なの?
そんで、そのまま子供達が大人しく言うこと聞くと思ってるのかね?
って、お前達、ここじゃない場所で働きたいなら道はなるべく用意してやりたいけど、教会に所属したいと思ってたヤツって、いた?」
扉の前にいた子供達、ブンブンと全員首を横に振っている。
「休みの日とかに司祭様のお手伝いならしてもいいけど、僕はセンバ商会で働きたい!」
あらカツラには夢があったのね。
「俺は砦で働きたい!」「俺も砦かなぁ」「鍛冶職人!」「馬!あと領主様の所のグリフォン!世話したい!」
他の子達も考えてるのね。
「皆、夢があって良いね。
しかもセンバに根付いてくれてるのが領主一族としてはありがたい。司祭様の教育の賜物ですね!感謝します」
エミリオ様がにっこにこで司祭様にお礼を言っている。
「いやいやいや、エミリオ様始め領主様方が良くここを治めてくれているからです。こんなにも居心地の良い場所はそうそうないです。私はここに骨を埋めますよ」
「私と結婚して、ここで生涯暮らしましょう!」
「まだ諦めてないんですか…」
司祭様の両手を握って宣言する私に、苦笑いを返してくるけど、手を離す仕草はなくなったわ!よし、このまま順調に慣れさせていくのよ!
「エミリオ様は、僕達がここに残って働くのは良いの?」
カツラが聞いてくる。
「もちろんだ!子供はセンバの発展の礎だぞ!俺もセンバが大好きだ、お前達もそうだったら目茶苦茶嬉しい。あんな腹立つ教会の組織になんて渡したくないね!!」
ハンっと鼻で笑うエミリオ様に
「じゃぁさぁ、僕達が思い通りにならないのを知らしめてやろうよ!!」
カツラ、なにする気?
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