《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

文字の大きさ
519 / 562
外伝 センバは続く

私の行く道 6

しおりを挟む
休憩で小腹も満たされ、ヨーク様の抱っこを堪能して馬車に乗り、旅を再開。
満足感からか、わりと直ぐに眠くなってきた頃。
パパが馬車の窓をコンコンと叩いてきた。

りおじさまが小窓を開けると

「トチが右前方に嫌なものが有る、と言っている。俺が先行して見てくるから、進む速度を落としてくれ」
「わかった。先頭のフレア隊に言ってから向かってくれよ?」
「ああ」
そういうとパパは馬であっという間に先に行ってしまいました。

「トチというのは?」
パパを見送ったフレア公爵様がりおじさまに聞いています。

「孤児達の中で、なんか妙に嫌な気配に敏感な子です。王都まで来る途中でも、あの子がこっちはダメだ、と言うので警戒したら毒蛇がいたり、まぁ、大きいので言ったら魔物がいましたね。ライ様が壊滅させましたけど。
だからもしかしたら、魔物が沸いているかもしれませんが、ライ様が行ったんだし、大丈夫でしょう」
のほほんと答えるりおじさまに

「ま、魔物?!王都から半日でか?!私らも行こうか?!」
アイシア公爵様がちょっとびっくりしてます。

「まぁ、魔物と決まったわけでもないですし。
ライ様が1人で勝てないなんて、大型魔獣のボスゴリラ位なんで。んなもん、ここに出たら王都が終わりです。
帰ってくるまでのんびり進みましょう」
「おおぅ…」
「ワッハッハ。シラヌイ殿の信頼が厚いな!」
引き気味のアイシア公爵様と、楽しそうなフレア公爵様。
うんうん、パパが勝てないのはママしかアンジュは知りません。だから大丈夫です。

しばらくして、パパが帰って来ました。
眉間にシワが寄っています。

「どうした?」
「面倒なことになった」
「??」
「説明がしたい、馬車に乗って良いか?」
「ああ、一旦止めて、セリにライ様の馬に乗って貰おう。アンジュはアンの馬車に行くか?」
「いや、抱っこだ。一旦止まってくれ!!」

なるほど、馬車が連なってると止めるのも一苦労なのですね。

パパが馬車に乗り込み、セリが護衛に加わるとまた動き出します。

「で?」
りおじさまが、私を膝の上に置いて、ぎゅうぎゅう抱きしめるパパを促します。
頭の匂いを思いっきり吸うの、止めて欲しいのよ、パパ。

「ふぅ。
ああ、トチの言う方へ行くと、まぁ、有り体に言えば、盗賊の根城があった。
そこにいた奴らは、全部頭だけ出して埋めてきたから、仲間が戻ってきても、救出に時間がかかるだろう。
だからもしかしたら、金目の物だけ持って場所を移すかも知れんが」

「「「は??」」」

「さらに面倒なのが、多分拐われてきたであろう女性と子供がいたんだ。
その者達を連れて場所を移動されたらせっかくの救出の機会が失くなるだろう?
デカイ鉄格子に入れられてたんでな、逆にそこから出れなければ連れ出せないだろう?
しかも、良い具合に鉄の棒が有ったんでな。棒を曲げて扉に巻いて来た。
普通の人間なら、曲がった鉄の棒は戻せんだろう?
これなら鍵を開けられても出れん。
ただ、救出に俺がもう一回出向く必要が有るが、流石に俺1人じゃ5人も運べん。
俺が1人王都に戻って警備隊を呼んで来るしかないと思うんだが、他に方法はあるか?」

「「「はぁあ?!!!」」」

「荷馬車に乗せちゃえば?泊まる所まで一緒に行けばいいじゃない」
抱っこしてるパパを見上げて言います。

「なるほど!アンジュは頭が良いな!!
リオ!ちょっと荷馬車と、手伝いに子供達を借りて行くぞ!ああ、進んでくれてていいからな、宿場で合流する」
そう言うと、パパは馬車の扉を開けて、走ってる馬車からヒョイと降りてしまいました。

「「えええええ?!!!」」
「そうだった、ディが居ない。ライ様のストッパーが居ない…」
驚愕の公爵様達と、額に手を当て天を仰ぐりおじさま。

「は?!シラヌイ様?!」
外でヨーク様のお声もします。


ふむ。なるほど。

ママの代わりにパパのストッパーが必要と。


「りおじさま!アンジュに任せて!」
開いたままの扉から飛び出し、一回転して着地成功!

「パパ、アンジュの言うこと聞くのよ!!」
パパを追いかけます。

「ウソだろ?!」
「ヒィィィ!!!」
「ヨーク!アンジュを追え!」
「はいぃ?!!」

あ、ヨーク様がついて来てくれるなら、私の心は百人力です!
しおりを挟む
感想 68

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~

翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...