《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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外伝 センバは続く

私の行く道 6

休憩で小腹も満たされ、ヨーク様の抱っこを堪能して馬車に乗り、旅を再開。
満足感からか、わりと直ぐに眠くなってきた頃。
パパが馬車の窓をコンコンと叩いてきた。

りおじさまが小窓を開けると

「トチが右前方に嫌なものが有る、と言っている。俺が先行して見てくるから、進む速度を落としてくれ」
「わかった。先頭のフレア隊に言ってから向かってくれよ?」
「ああ」
そういうとパパは馬であっという間に先に行ってしまいました。

「トチというのは?」
パパを見送ったフレア公爵様がりおじさまに聞いています。

「孤児達の中で、なんか妙に嫌な気配に敏感な子です。王都まで来る途中でも、あの子がこっちはダメだ、と言うので警戒したら毒蛇がいたり、まぁ、大きいので言ったら魔物がいましたね。ライ様が壊滅させましたけど。
だからもしかしたら、魔物が沸いているかもしれませんが、ライ様が行ったんだし、大丈夫でしょう」
のほほんと答えるりおじさまに

「ま、魔物?!王都から半日でか?!私らも行こうか?!」
アイシア公爵様がちょっとびっくりしてます。

「まぁ、魔物と決まったわけでもないですし。
ライ様が1人で勝てないなんて、大型魔獣のボスゴリラ位なんで。んなもん、ここに出たら王都が終わりです。
帰ってくるまでのんびり進みましょう」
「おおぅ…」
「ワッハッハ。シラヌイ殿の信頼が厚いな!」
引き気味のアイシア公爵様と、楽しそうなフレア公爵様。
うんうん、パパが勝てないのはママしかアンジュは知りません。だから大丈夫です。

しばらくして、パパが帰って来ました。
眉間にシワが寄っています。

「どうした?」
「面倒なことになった」
「??」
「説明がしたい、馬車に乗って良いか?」
「ああ、一旦止めて、セリにライ様の馬に乗って貰おう。アンジュはアンの馬車に行くか?」
「いや、抱っこだ。一旦止まってくれ!!」

なるほど、馬車が連なってると止めるのも一苦労なのですね。

パパが馬車に乗り込み、セリが護衛に加わるとまた動き出します。

「で?」
りおじさまが、私を膝の上に置いて、ぎゅうぎゅう抱きしめるパパを促します。
頭の匂いを思いっきり吸うの、止めて欲しいのよ、パパ。

「ふぅ。
ああ、トチの言う方へ行くと、まぁ、有り体に言えば、盗賊の根城があった。
そこにいた奴らは、全部頭だけ出して埋めてきたから、仲間が戻ってきても、救出に時間がかかるだろう。
だからもしかしたら、金目の物だけ持って場所を移すかも知れんが」

「「「は??」」」

「さらに面倒なのが、多分拐われてきたであろう女性と子供がいたんだ。
その者達を連れて場所を移動されたらせっかくの救出の機会が失くなるだろう?
デカイ鉄格子に入れられてたんでな、逆にそこから出れなければ連れ出せないだろう?
しかも、良い具合に鉄の棒が有ったんでな。棒を曲げて扉に巻いて来た。
普通の人間なら、曲がった鉄の棒は戻せんだろう?
これなら鍵を開けられても出れん。
ただ、救出に俺がもう一回出向く必要が有るが、流石に俺1人じゃ5人も運べん。
俺が1人王都に戻って警備隊を呼んで来るしかないと思うんだが、他に方法はあるか?」

「「「はぁあ?!!!」」」

「荷馬車に乗せちゃえば?泊まる所まで一緒に行けばいいじゃない」
抱っこしてるパパを見上げて言います。

「なるほど!アンジュは頭が良いな!!
リオ!ちょっと荷馬車と、手伝いに子供達を借りて行くぞ!ああ、進んでくれてていいからな、宿場で合流する」
そう言うと、パパは馬車の扉を開けて、走ってる馬車からヒョイと降りてしまいました。

「「えええええ?!!!」」
「そうだった、ディが居ない。ライ様のストッパーが居ない…」
驚愕の公爵様達と、額に手を当て天を仰ぐりおじさま。

「は?!シラヌイ様?!」
外でヨーク様のお声もします。


ふむ。なるほど。

ママの代わりにパパのストッパーが必要と。


「りおじさま!アンジュに任せて!」
開いたままの扉から飛び出し、一回転して着地成功!

「パパ、アンジュの言うこと聞くのよ!!」
パパを追いかけます。

「ウソだろ?!」
「ヒィィィ!!!」
「ヨーク!アンジュを追え!」
「はいぃ?!!」

あ、ヨーク様がついて来てくれるなら、私の心は百人力です!
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