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外伝 センバは続く
幕間 シュハキマセリ
教皇視点
しくじったのだな、そう思った。
思うように身体が動かない。
ようやく首を横に向けて、窓の方を向く。
ああ、陽が落ちたのか。良かった、目も見えなくなってきたのかと思ってしまった。
私は神を信じている。今でも信じている、はずだ。
両親は帝国の貴族。祖父の始めた事業が大当たりして実家は裕福。
父は底無しのお人好しで、そんな父に惚れ込んだ商売人気質の母が父を支えて、切り盛りしていた。
私は、母の気質を、悪い方に受け継いでいていた。
良いものは良い、ダメなものはダメ。
頑固だった。
清濁併せ呑むがどうにも出来ない。感情が表情にでる。
貴族社会では暮らせないんじゃないかと、母は小さい時から心配していた。
そんな時に、祖父の旅行に同行、宗教国にきて、大聖堂でステンドグラスを見た。
言葉に出来なかった。
膝をつき、両手を合わせ、涙を流して、呆然とステンドグラスを見上げていた。
神に遣える、決めた瞬間だった。
そこからすぐに神官になった。
必死で神の教えを学ぶ。良いものは良い。ダメなことはダメ。
自分に合っていた。良いことだけをしよう、神の教えを体現しよう、人類に届けよう!
そんな壮大で、アホみたいな夢をみていた。
トントン拍子で宗教国での地位を得た。
自分は有頂天になっていた。
やっぱり、良いことをすれば神は見ている!
自分と同じ考えの神官もいたし、一緒に神のために、人類の幸せのために、と活動して、遂に教皇まできた。
幸せだった。
もっともっと、神の教えを広めるのだと、精力的に動いた。
そんな時にプロシェード王国で天罰が下り、軒並み利益主義の大神官達の罪が明らかになった。
私の仲間が王国に旅立ち、建て直しを計る。
彼らなら神に胸を張れる組織として挽回してくれる、と快く送り出した。
さぁ、宗教国も負けずに神に遣えるのです、と思っていたのだけれど。
今までは、仲間がいて、協力してやってきていた。
それが、ほぼ1人。
何故?と思った。
そして知ったのは、上の地位につけたのは人徳を積んだお陰じゃない。
神殿も、人間が行う組織。
先立つモノがなければ活動もままならない。
要は実家の財力だった。
今年に入り、兄の子供が家督を継いでいて、無駄だと、私への献金をほぼ無くしていた。
今まで私に忠実に従ってくれていた神官は、あっさり私の元を去った。
何故?と思う間に、最初は手が痺れて、字が書けなくなった。
すると、養生しましょう、と、最初は普通に神殿の離れに移されたのが、次に足が痺れると、薬草は新鮮さが命、とか言い出し、神殿が所有する森の小屋に押し込められた。
最初は世話係もいたが、段々、身体の自由が利かなくなると、おざなりになってくる。
薬草は1日1回。
多分、護衛という名の監視役が1人は外にいるはずだが、世話係は薬草を飲ませる時だけやってくるようになった。
もう、乾いた笑いも出てこない。
私の行いは自己満足だったのだろうか。
神は見てくれていなかったのだろうか。
自分には、もう、何もないのだろうか。
そんな事をつらつらと考えていたら、外で少し物音がした。
「よっわ!!」「え?これでいいの?」「一応、外周回ってきたけど、だっれも居ないさ!」「じゃぁ、お邪魔しちゃおうぜ!」
ゴンゴンゴンゴン!
「「「「いっっっっっってぇぇ!!!」」」」
「大声出すな!!!」
「イチミの声が一番大きいよ?」
うん、確かに。最後が一番の大声だったな?
しくじったのだな、そう思った。
思うように身体が動かない。
ようやく首を横に向けて、窓の方を向く。
ああ、陽が落ちたのか。良かった、目も見えなくなってきたのかと思ってしまった。
私は神を信じている。今でも信じている、はずだ。
両親は帝国の貴族。祖父の始めた事業が大当たりして実家は裕福。
父は底無しのお人好しで、そんな父に惚れ込んだ商売人気質の母が父を支えて、切り盛りしていた。
私は、母の気質を、悪い方に受け継いでいていた。
良いものは良い、ダメなものはダメ。
頑固だった。
清濁併せ呑むがどうにも出来ない。感情が表情にでる。
貴族社会では暮らせないんじゃないかと、母は小さい時から心配していた。
そんな時に、祖父の旅行に同行、宗教国にきて、大聖堂でステンドグラスを見た。
言葉に出来なかった。
膝をつき、両手を合わせ、涙を流して、呆然とステンドグラスを見上げていた。
神に遣える、決めた瞬間だった。
そこからすぐに神官になった。
必死で神の教えを学ぶ。良いものは良い。ダメなことはダメ。
自分に合っていた。良いことだけをしよう、神の教えを体現しよう、人類に届けよう!
そんな壮大で、アホみたいな夢をみていた。
トントン拍子で宗教国での地位を得た。
自分は有頂天になっていた。
やっぱり、良いことをすれば神は見ている!
自分と同じ考えの神官もいたし、一緒に神のために、人類の幸せのために、と活動して、遂に教皇まできた。
幸せだった。
もっともっと、神の教えを広めるのだと、精力的に動いた。
そんな時にプロシェード王国で天罰が下り、軒並み利益主義の大神官達の罪が明らかになった。
私の仲間が王国に旅立ち、建て直しを計る。
彼らなら神に胸を張れる組織として挽回してくれる、と快く送り出した。
さぁ、宗教国も負けずに神に遣えるのです、と思っていたのだけれど。
今までは、仲間がいて、協力してやってきていた。
それが、ほぼ1人。
何故?と思った。
そして知ったのは、上の地位につけたのは人徳を積んだお陰じゃない。
神殿も、人間が行う組織。
先立つモノがなければ活動もままならない。
要は実家の財力だった。
今年に入り、兄の子供が家督を継いでいて、無駄だと、私への献金をほぼ無くしていた。
今まで私に忠実に従ってくれていた神官は、あっさり私の元を去った。
何故?と思う間に、最初は手が痺れて、字が書けなくなった。
すると、養生しましょう、と、最初は普通に神殿の離れに移されたのが、次に足が痺れると、薬草は新鮮さが命、とか言い出し、神殿が所有する森の小屋に押し込められた。
最初は世話係もいたが、段々、身体の自由が利かなくなると、おざなりになってくる。
薬草は1日1回。
多分、護衛という名の監視役が1人は外にいるはずだが、世話係は薬草を飲ませる時だけやってくるようになった。
もう、乾いた笑いも出てこない。
私の行いは自己満足だったのだろうか。
神は見てくれていなかったのだろうか。
自分には、もう、何もないのだろうか。
そんな事をつらつらと考えていたら、外で少し物音がした。
「よっわ!!」「え?これでいいの?」「一応、外周回ってきたけど、だっれも居ないさ!」「じゃぁ、お邪魔しちゃおうぜ!」
ゴンゴンゴンゴン!
「「「「いっっっっっってぇぇ!!!」」」」
「大声出すな!!!」
「イチミの声が一番大きいよ?」
うん、確かに。最後が一番の大声だったな?
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