《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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外伝 センバは続く

私の行く道 29

ぱちりと目が覚めました。

辺りは真っ暗です。

ふかふかクッションと毛布に埋もれています。

ムクリと身体を起こすと、もぞもぞと誰か起きた気配がします。

「アンジュ様?」
アレグロの声がしました。隣で寝ていたようです。

「アンジュ様?ねぇ、もしかして…」
もぞもぞ起き上がっていたのはトチのようです。

「うん。たぶん」
暗闇で私もうなずきます。

「「産まれた!!!」」
私とトチの声が重なると、皆一斉に起き出します。

「産まれた?!」「いま?いま?!」「赤ちゃん?」「イチイ様は?」
そして、

「「「「皆、無事?!!」」」」
全員、トチの方を見ます。センサーが抜群ですからね!

「うん!嫌な感じはしない!!」
トチが断言すると

「「「「「ヤッターーーーーーー!!!!!」」」」」
全員で飛び上がって喜びます。もうクッションもいくつも宙を飛びます。

バーーーンと音がして、急に灯りがつきました。

「女の子です!!!!」

真っ赤な顔して泣きそうなミツバが入り口で叫びました。

「「「「「イヤッホーーーーゥ!!!!」」」」」
子供達は寝起きで宙返りもバク転もお手の物です。お祭り騒ぎです。

「イチイ様も赤ちゃんも御無事です。エミリオ様方もヘトヘトです!なので皆様、一旦お休みになられます。
だから皆も、朝まで大人しく寝てください!」
「「「「ハイ!!!」」」」
「嬉しいね」「良かったね」「もう、安心だね」「早く遊びたいね」
もう、何の憂いもなく、皆で爆睡です。


起きたら、お昼近くでした。
皆ものんびりしています。
昨日までの嵐も、ウソのように快晴です。

「アンジュ様、起きた!ここをお片付けして、食堂に戻して、皆で食事だって!エミリオ様達も昼食に来るって!」
「よし、さっさと片付けよう!」
皆で協力して元の状態に戻します。


昼食の時間となり、りおじさまとママとパパ、ヨーク様にアルト司祭と私と8人の子供達(セリ班の4人はサーブに回っています)が席につき、りおじさまが話し始めました。

「まずは心配をかけた。皆、協力してくれてありがとう。
子供達も沢山祈ってくれたんだろう?ありがとう。オムツとの話も後で教えてくれ。

おかげで嬉しい報告が出来る。

もう皆もわかってると思うが、昨夜、イチイが無事に出産出来た。女の子だ。イチイも赤ちゃんも無事だ。
一晩寝て、イチイの状態も良くなった。
先に産まれた男の双子も乳母として来てくれたマリーのお陰で母乳も飲んで健康状態も良好だ。
食事が終わったら、皆でイチイと赤ちゃんを見に来てくれ!
まずは食事を始めようか!」
こういう場所ではお行儀良くしなくちゃいけないと、皆も嬉しいのを我慢して叫ばずにいてくれて、食事は滞りなく終わりました。

そして、いよいよ赤ちゃんとの初対面です!
ああ、女の子!どれだけ可愛いのでしょう!

「「「「「うわーーーーい!!!」」」」」
もう、我慢出来なくて皆で走り出し、チィおばさまの部屋に突撃します。

「チィおばさま!」
一応、皆は気を使ってくれたのか、私が最初に部屋に飛び込み、そのままベットに駆け寄ります。

ベットには、先に産まれた子より小さな赤ちゃんを抱いたチィおばさま。

「イチイ様!」「赤ちゃんは?!」「男の子達、ちょっとおっきくなった?!」「はじめまして、貴女がマリーさん?」「マリーさんの赤ちゃんは?」
子供達はベットに駆け寄る子、双子を抱いたアンとミツバに駆け寄る子と一瞬で賑やかになります。

マリーさんは、アンとミツバの後ろ、壁際の椅子に座って赤ちゃんを抱いていました。

ん?アンとミツバは立ってあやしてるのに?

まぁ、今はチィおばさまです!

「チィおばさま!!すごいね、大変だったのでしょ、赤ちゃん可愛いね!!」
ベットの脇ではしゃぎながら話しかけます。

「うん、大変だったけど、子供が可愛い過ぎてもうどうでも良い!アンジュも見て!私とリオ様の子よ!」


チィおばさまの満面の笑みは、もう母親の笑顔でした。
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