《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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打倒、物語の強制力

なにがでるかな?なにがでるかな♪

そしてやって来ました、とある森の入り口。
ココは瘴気が溜まりやすく、兵士達が定期的に見回りしているらしい。

昨日確認した時には1体だけ魔物が居たのでちょうど良いと思って討伐せずにおいた、とのこと。 

森の中、1体だけ、なんて事あるわけなかろうに。
素人でもわかりますわよ?

馬車では進めないので、私達はここで待機、お兄様と討伐隊が向かうという。

伯爵様が大義名分を述べます。
「普段、実際に討伐しているベテランの者達が討伐をご覧にいれます。
エミリオ様は安心してご同行くださいませ。
ご令嬢には刺激が強すぎましょう。我々と共にエミリオ様の帰りを待ちましょう」
そう言って、馬車の周りを囲みだす兵士。
お兄様に付いていく人数より多くない?
あら?イチミ?ウィンク飛ばしてきましたわ。
シチミもどっかに混ざってるのかしら?

「え、アイツ行かないの?」
御者との会話が出来る小窓を開けているのでヒサギ様と会話が可能です。
「行くわけないじゃないですか。
自分は安全な所にいて、戦闘が始まったらお嬢様を伯爵自ら誘導しながら避難して誘拐するって事じゃないです?」
セリが、クズが!と吐き捨てるように言います。

「ユーディリア、行ってくるね!」
「お兄様!!御武運を!お話、楽しみにしてますわ!」
私は馬車の小窓を開けてお兄様に答えます。
お兄様はサンショウの前面に抱えられるようにして馬に跨がり、ニコニコ手を振って行きます。
お兄様、めっちゃ楽しそうなんですけど?

「エミリオくん、輝くばかりの笑顔ねぇ」
ヒサギ様がやれやれと首を振ります。

「ストレス、溜まってたんでしょうなぁ」
先生も遠い目をして答えます。




しばらくすると、森の中がザワザワし始めました。

「始まったかしらね?」ニヤっとヒサギ様が笑います。
「あっさり片付くんでしょうなぁ」先生ものんびりしています。
「お嬢様の誘拐事件はどうするので?」セリ、地味にワクワクしてます?
「ああ、そうね、わざとモタつくかもしれないわね?
それはそれで、エミリオくん激怒しそうだわぁ」
ヒサギ様は相変わらずニヤニヤしています。

そこに、1人の兵士が森から飛び出してきました。

「予想外に多くの魔物が出ました!ご令嬢の避難をお願いします!!!」

「ウソでしょう?
援軍要請じゃないの?
現場の報告もなく、司令官でもないヤツが安全地帯に居る人間の退避命令って、おかしすぎるでしょ!?」
ヒサギ様があまりの非常識っぷりにびっくりしています。

が。

「なんだと?!それは一大事だ!!
さぁ!ご令嬢!!我々がお守り致しますので、こちらに御移動願います!!」
そう言って、伯爵様は馬車のドアを開けようとします。
どっかでもありましたわ、いきなりドアを開けようとしたヤツ、いましたわ。
が、こっちだって開けませんよ、そんなもん。

思いっきり叫んでやりましたわ。
「安全なここの退避より先に、お兄様への援軍を出す方が先でしょう!!
討伐軍の意味をわかっていらっしゃるの?!
ここに居るのは兵士ではないのですか?!
現場の確認もなく、未来の侯爵を犠牲に逃げるのが、この軍の兵士という役目ですか?!」

お兄様が疑惑の種を植えていましたからね、少々芽吹かせましょう。

私達の馬車を囲んでいた兵士達に、「確かに、何で先に援軍要請じゃないんだ?」ってイチミが誘導してますわ。
あらあら、一言出たら次から次へと。
「軍隊長なら、救助に向かうよな?」「ここ、避難するほど危険か?」「ご令嬢自身が助けに行けって言ってるのに、指示、でないな?」「避難しろ、って出てきたやつ、どこ行った?」「半分、救助に行けば良くね?」「行きたいけど、この場を指示するの、伯爵様だよな?」
兵士達が一斉に伯爵様を見ます。

「ぐっ、ご令嬢の安全を確保しないことには、援軍を出せません!避難をお願いします!」
伯爵様も苦し紛れの言い訳をしてますわ。

「私達が動かないと援軍をださないと?!なんと横暴な!
そんな人間は信用出来ません。
避難しないと援軍が出ないというのなら、この馬車のまま避難します。
ヒサギ!馬車を出しなさい!」
「かしこまりました!」

「勝手に動かれては困ります!我々の後についてきてください!!
お前達!馬車をお守りしろ!!」

兵士の皆さんが「え?全員で?」って顔してますわよ?
いや本当に、全員でどこ連れてく気ですか?
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