《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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明日が有る、という幸せ

最終決戦 3

「嬢ちゃんのメイド!」

「セリです!」

「今すぐこのヒタヒタのタライを外へ運べ!溢すなよ!
嬢ちゃんは、もうひとつ、ヒタヒタのタライを作っておくのじゃ。
ワシもすぐもどる。でもまぁ、結界を丈夫にしておくからの。安心せぇ。質が落ちんようにの。集中するんじゃぞ?

セリとやら!行くぞ!!」

そう言ってオムツ様はセリを引き連れて慌ただしく部屋を出ていきます。

えーー…
ひとり、訳もわからず置き去りって、イヤなんですけど?

でも、エリクサーを作れるの、私しか居ませんものね?

頼り無さげに見えるオムツ様も一応天使様ですものね?それがエリクサー作っとけ、って言うんだからやらないときっとマズイことが起きるのよね?

質も落とすな、って言ってるし、チィちゃん達になんかあったとしか思えない…

今、私に出来ること。

よし、最大級の祈りを込めて作りましょう!!

チィちゃんが無事でありますように。
ライ様の怪我が早くなおりますように。
お父様がゴリラに捕まったりしませんように。
フーちゃん達が早く飛べるように。
ロアのぱんちが強くなるように。
ゴマが機敏に動けるように。
リーパーがコケませんように。

センバの戦士達が、みんな一緒に、明日を迎えられますように…。




セリ視点

いきなり、オムツ様が私にタライを持ってついてこいという。
ユーディリア様に詳細も言わず飛び出した。
重傷者が出たのか?それならユーディリア様にお聞かせするのは忍びない。

「おい!イチイが危ないってどう言うこっちゃ!」

なんで一人でしゃべってんの?!
しかも、イチイ様が危ないってどう言うこと?!!

「ああん?!同僚と遠距離でも会話出来るんじゃよ!

はぁぁあ?!ボスゴリラの平手打ちをかわし損ねて腹に穴が開いた?!
お前が持っとる鍋に突っ込んで、そのままここに運んでこい!!嬢ちゃんが更にすごいの作っとるわ!こっちで引き取る!」

あ、もしや私が運んでるこのタライの中身のことか!!

「もったいない、って?!今使わずにイチイが死んだら、嬢ちゃんも壊れるぞ!後でもう一回作って貰え!!
いいからさっさと連れて来るんじゃぁぁ!!」

おいコラ、イラっとオムツ!モタモタすんじゃねぇよ!!

「はぁ?!センバの大将も危ない?!ならそれも連れてこい!!」

え?!辺境伯様ご自身も?!

「ゴリラに飲まれとる?!おい!シラヌイ一人で大丈夫なのか?!」

グゴゴゴゴゴゴゴゴォォォ… 

「なんじゃ、この唸り声は?!はぁ?!ゴリラが火を吹いた?なんでじゃ?!!」

ガゴッ

「今度はなんじゃ?!」

ドゥーーーンンンンン………

「地面が揺れとる!セリ!タライの中身は大丈夫じゃろうな?!「ハイ!」

おい、何があった?!って、来たわい」

ちょうど外に出たら、鍋を頭に乗せたイラっとオムツと、リーちゃんに乗ったエミリオ様が降り立った所でした。

その鍋には、イチイ様がお尻から鍋に突っ込まれたのか、手足と頭を鍋の縁から外に出ていました。

「オムツ!!!」

エミリオ様が叫びます。

「エミリオ!大丈夫じゃ、なんとかなるはずじゃ!!
セリ!イチイをそっと鍋から出してお前の持っとるタライに移すのじゃ!傷口は全部浸せ!傷口以外もなるべく多くを浸せ。
意識はない、仮死状態のはずじゃ。それでいい」

オムツ様の指示でイチイ様をタライに浸します。

「うっわー!!本当だ!こっちより断然質が良い!!これなら助かるかも!!」


イラっとオムツ?!貴方の言葉、信じますよ?!
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