《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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明日が有る、という幸せ

幸せな時間

長期休暇にはまた遊びに来る、という約束をして、暗い話しは終わり、再び祭りに繰り出すぞ!と勢い良く飛び出そうとしたところで

「リオ様!」
チィちゃんが引き留めます。

「ん?どうした、イチイ?」
お兄様がコテンと首をかしげます。

「ずっとずっと忙しそうだったのですが!!祭りです!!
祭りというシチュエーション!!
これはもう、恋愛小説ごっこにふさわしいのです!!どうしても、リオ様と行きたいのです!!」
拳を天高く突き上げ宣言するチィちゃん。

「ななななならば!!俺も!リアとでででででーとをッ!!」
ライ様も膝をつき、私の両手を持ち上げます。求婚じゃないんですから!

「あらあらまぁまぁ!微笑ましい♪
でも明日にして!!私達、やっとユーディリア様達に会えたのよ!!貴方達毎日会ってるでしょう!ってかデートぐらい昨日のうちに済ませておきなさいよ!
今日は譲らないわ!!!私達が双子を独占するのよ!!!」
そう言って、フーティ様はライ様の手をパシっとはたき落とし、私を抱き締めます。

「…うん。今日はお客様優先だよ。
そうだったね、約束してたの、ずっと忙しくて出来なかったもんなぁ。
明日は祭りの最終日。皆、自由行動ってことで、良い?
イチイ?明日、思いっきりお洒落しといで。デートは明日にしよう?ライ様も、今日は護衛に徹して?」
お兄様もチィちゃんの頭を撫でて慰めます。

「ハイッッッッッッ!!」「ッオゥ!!」
チィちゃんもライ様も、勢い良く拳を天高く突き上げます。

「流石だわー。エミリオ君。人の使い方わかってるわー。見習わなきゃ」
フーティ様は私を抱きしめたままつぶやきます。


そんなわけで。


再び祭りに繰り出した私達。

フーティ様と手を繋いでお肉を見て、
フーティ様が持って来てくれた果物を食べて、お肉を見て、子供が跳ね、
焼き菓子を見て、これはもうクレープを導入するしかないと決意、お肉を見て、子供が空を飛び、
途中お父様の高笑いが聞こえ、お肉を勧められ、子供が宙を舞い、
アカシア君の「父上待てぇぇ!!」という叫び声に驚き、勧められたお肉を満腹で断り、
気がつくと、子供の飛行がアクロバット芸の域まで達し、回りに人だかりが出来ていたので、もふもふを撫でたいというオージー様のご要望でふれあい広場に向かいます。

ええ、子供に集られてるチィちゃんとライ様は放置です。

「んなぁ?!」とか「リオリア様ぁぁ!」とか言ってますけど、子供にそんな芸を仕込めるほど投げ合う2人が悪いんです。
十分披露して満足させてきなさい。

護衛はハジカミ、セリとミツバが居るんで大丈夫です。

そもそもこれだけのセンバの人間に襲われたら、誰が居たって無理ですもの?


ふれあい広場ではそのままロアが門番をしています。

「ロア!!お利口さん!頑張ってくれてありがとう!」
まずはロアに抱きつきます。
ああ、相変わらず至高のもふもふです。

「私達もさわっても大丈夫かしら?」
フーティ様の言葉にオージー様がキラキラした目をロアに向けています。

「ロア、この方達は私の大事なおおおお友達なの!さわらせてくれる?」
「ワン♪」
ちょっとどもりましたが言えましたわ!お友達ですわ!!!

「なんて素晴らしいさわり心地!!」
「はぅッ!!」
最初は恐る恐る撫でてた2人。
すぐに抱きつき、オージー様に至っては犬吸いしてますわ。
お洋服が汚れるのも構わない様。ああ、なんて素敵なお友達でしょうか。
そして、ロアはされるがままです。なんてお利口さんな子でしょう。

「あの、クマは!相撲をとってたクマは!私とも対戦してくれるだろうか?!!シュタインもやるよな?!!」
イーリー様、巡業にきた力士に挑む子供ですか?

「グリフォンは!咥えられたくはないが、さわっても許されるのか?!」
逃げ腰でおっかなびっくりさわりに行くギーニー様。

「ねぇねぇねぇねぇ!なんであのウマ、足が6本なの?!あのウマもセンバ特有なの?!」
騎士科に進んだヨーク様。リーパーが気になるようです。ええ、実力で乗れたら誇っていいと思いますわ!


いつの間にか隣にお兄様がいました。

「みんな、楽しそうだな」
「ええ、本当に」

お兄様と笑い合います。

こんな穏やかな時間が過ごせる。なんて、幸せなんでしょう。
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