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出会い
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「よいか、おぬしはまだ未熟……。この森の外、世界を見て学ぶのだ」
「はい…お師匠様」
私は返事をした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
森の中、故郷の事を思い出しながら歩く。あそこから出て早二年。ずいぶん遠くまで来たことを実感した。
「イース、行け」
鳥の使い魔『イース』を肩から飛び立たせる。水の流れている場所を探して来いと命令した。
「お疲れ様、休んでね」
しばらくしてイースが戻ってきた。ここから十分くらい歩いたところにあるらしい。そこで休みたい。
「ご飯食べなきゃ…」
腹の虫が鳴っている。
=====================================
「汚い……」
この川、非常に汚れている。これじゃ魚いないじゃん……。いちおう魔法で感知しようか。いや、やめよ。
「お、お前は!」
そんな言葉とともにナイフが飛んできた。危ない。これをさっと避ける。
「……?」
ナイフが飛んできた方向には二人の少女がいた。風貌的に冒険者だろう。
「お前、隣国で賞金首のアンニヒだろ!」
茶髪で小柄なナイフ使い。そう見て取れる。
「か、覚悟しろぉ~…」
もう一人は黒髪で大柄。長剣使い。ナイフ使いとは対照的に、ひどくおびえている。いきなり来られておびえられる。私もさすがにショックだ。
「そうだけど、別にあなた達に何かするつもりは……」
とりあえず落ち着かせよう。そう思って一歩踏み出した瞬間。
「ウィンド!」
私の背後から矢が飛んできた。すかさず魔法で落とす。
…流石に予想外なんだけど。
「ヘッヘッヘ、まさかこんな森の中でぇ子猫ちゃん三人に出会えるなんてな~」
キモイ。それが率直に思った感想。盗賊だろうか。私たちを見て舌なめずりをしている。
「三人とも、こっちに来な。悪いようにはしないからよぉ」
なめまわすような声。彼女らはおびえ切っている。
「いやだと言ったら?」
「こうする。出てこい! お前ら!」
私の問いかけの答えをくれた。盗賊の後ろから、…ざっと十数人。
私は彼女らの近くに行き、守るようにして立つ。
「「え?」」
「大丈夫。すぐに終わるよ」
笑いかける。
「お前ひとりで戦う気か? やっちまえ!」
盗賊たちが一斉に走ってきた。
「アクア・パラ」
^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^
「すごいすごいすごい! あんな数の盗賊たちを一発で倒しちゃうなんて!」
「すごいです……」
私は彼女たちに囲まれていた。盗賊たちを倒した後、袖を引っ張られて連れていかれたのはきれいな小川。日もくれたしご飯を食べようということで、腰を下ろした。
「あの魔法は何!?」とか「どこから来たの?」と質問攻めを受けた。
で、今に至る。流石に聞かれ疲れた……。
「メイさん……聞きたいことが…」
黒髪大柄もといアミが切り出す。
「どうしたの?」
「あうっ…えっと…」
「メイってさ、何で旅してるの?」
茶髪小柄もといカサラが、口ごもったアミをフォローするように割り込んできた。
「……私自身の成長のためかな」
またお師匠様の言葉を思い出した。
「じゃあ…さ、私たちと一緒に来ない?」
「え? それってどういう…?」
こんなこと言われるとは思っていなかった。
「そのまんまの意味。私たちと一緒に冒険しない? ってこと」
突然の申し入れに躊躇する。さっきピンチを救っただけなのに…。
「私たち今はこんなのだけど、いつかは魔王を倒して見せるくらいの冒険者になりたいの。協力してくれないかな? そ、それにメイ自身の成長にもつながるんじゃないかな?」
そうか。救っただけじゃない。救ったからだ。真剣なカサラの目を見て気づいた。
……お師匠様、私…転機が来たみたいです。
「いいよ。一緒に行こう」
二人の顔に笑顔が浮かんだ。
次回~「ギルドに行こう」 十一月十九日 七時半更新。
「はい…お師匠様」
私は返事をした。
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森の中、故郷の事を思い出しながら歩く。あそこから出て早二年。ずいぶん遠くまで来たことを実感した。
「イース、行け」
鳥の使い魔『イース』を肩から飛び立たせる。水の流れている場所を探して来いと命令した。
「お疲れ様、休んでね」
しばらくしてイースが戻ってきた。ここから十分くらい歩いたところにあるらしい。そこで休みたい。
「ご飯食べなきゃ…」
腹の虫が鳴っている。
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「汚い……」
この川、非常に汚れている。これじゃ魚いないじゃん……。いちおう魔法で感知しようか。いや、やめよ。
「お、お前は!」
そんな言葉とともにナイフが飛んできた。危ない。これをさっと避ける。
「……?」
ナイフが飛んできた方向には二人の少女がいた。風貌的に冒険者だろう。
「お前、隣国で賞金首のアンニヒだろ!」
茶髪で小柄なナイフ使い。そう見て取れる。
「か、覚悟しろぉ~…」
もう一人は黒髪で大柄。長剣使い。ナイフ使いとは対照的に、ひどくおびえている。いきなり来られておびえられる。私もさすがにショックだ。
「そうだけど、別にあなた達に何かするつもりは……」
とりあえず落ち着かせよう。そう思って一歩踏み出した瞬間。
「ウィンド!」
私の背後から矢が飛んできた。すかさず魔法で落とす。
…流石に予想外なんだけど。
「ヘッヘッヘ、まさかこんな森の中でぇ子猫ちゃん三人に出会えるなんてな~」
キモイ。それが率直に思った感想。盗賊だろうか。私たちを見て舌なめずりをしている。
「三人とも、こっちに来な。悪いようにはしないからよぉ」
なめまわすような声。彼女らはおびえ切っている。
「いやだと言ったら?」
「こうする。出てこい! お前ら!」
私の問いかけの答えをくれた。盗賊の後ろから、…ざっと十数人。
私は彼女らの近くに行き、守るようにして立つ。
「「え?」」
「大丈夫。すぐに終わるよ」
笑いかける。
「お前ひとりで戦う気か? やっちまえ!」
盗賊たちが一斉に走ってきた。
「アクア・パラ」
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「すごいすごいすごい! あんな数の盗賊たちを一発で倒しちゃうなんて!」
「すごいです……」
私は彼女たちに囲まれていた。盗賊たちを倒した後、袖を引っ張られて連れていかれたのはきれいな小川。日もくれたしご飯を食べようということで、腰を下ろした。
「あの魔法は何!?」とか「どこから来たの?」と質問攻めを受けた。
で、今に至る。流石に聞かれ疲れた……。
「メイさん……聞きたいことが…」
黒髪大柄もといアミが切り出す。
「どうしたの?」
「あうっ…えっと…」
「メイってさ、何で旅してるの?」
茶髪小柄もといカサラが、口ごもったアミをフォローするように割り込んできた。
「……私自身の成長のためかな」
またお師匠様の言葉を思い出した。
「じゃあ…さ、私たちと一緒に来ない?」
「え? それってどういう…?」
こんなこと言われるとは思っていなかった。
「そのまんまの意味。私たちと一緒に冒険しない? ってこと」
突然の申し入れに躊躇する。さっきピンチを救っただけなのに…。
「私たち今はこんなのだけど、いつかは魔王を倒して見せるくらいの冒険者になりたいの。協力してくれないかな? そ、それにメイ自身の成長にもつながるんじゃないかな?」
そうか。救っただけじゃない。救ったからだ。真剣なカサラの目を見て気づいた。
……お師匠様、私…転機が来たみたいです。
「いいよ。一緒に行こう」
二人の顔に笑顔が浮かんだ。
次回~「ギルドに行こう」 十一月十九日 七時半更新。
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