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ギルドに行こう!

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「こ、ここが私たちの故郷、川町シャラポアです」

「アミ、そんな緊張してるみたいにしないでよ」

 そういうと笑顔で反応する。アミは話すのが苦手みたいだ。しかし、ここに来るまでに二人とはずいぶん打ち解けた。

 賞金首の件がまずいかもと思ったが、何の心配もいらなかった。町の関所を通り、大通りに出る。

「おお」

 この景色は凄い。イースも肩で羽を震わす。外からは高い壁で見えなかったが、それに見劣りの無い立派で大きな水車が一つ建っていた。

「この町はシャラという川が中を通っています。町の主な産業はすべて、シャラ川に関係してます……」

 ガイドみたいなアミが裾を引っ張る。

「じゃあ、ギルドに行こう。ついてきて」

 今度はカサラが裾を引っ張た。なんかモテてる男みたいだな…。まんざらでもないかも。


|||||||||||||||||||||||||||||||||||||


「どうもぉ!」

 カサラがドアを開ける。

 うるさい。一言で表すならそれだ。武器を持った男女が好き勝手にやっている。酒を飲んでいたり、チェスをやっていたり。

 あっ、ウエイトレスにセクハラして殴られている人いる。

「おっカサラちゃん、その娘は誰だい?」

 そう言ってきたのは、大きな斧を背負っている巨漢。

「ブレイスさん! 今日は私たちに新たな仲間が加わるのさ」

「ほお、コイツがか…」

 ブレイスといったか。その巨漢が私を見てくる。

「おいおい、肩に鳥をのせてるだけで武器を持ってないじゃないか。嬢ちゃん、ここはお遊びで来るような…うわっ!」

 巨漢が驚く。今、私が水を飛ばしたのだ。

「お前、どこに武器を隠し…」

「クリエイト。フォール」

 バシャァァ! 

「……」

 巨漢がびしょびしょになる。今度は沢山の水を頭にぶっかけてやった。

「おいおいブレイス! 傑作だ。びしょびよにされちまってよ~」

 ワハハハとギルド中に笑われているブレイス。ばつが悪そうに立ち上がり、元居た場所に戻った。

「メイ~流石だな」「流石です…」

 二人は愉快といった顔だ。

「ありがと。で、どうすればいい?」

「あっちだ。ピンク髪の受付に声をかければいい」


”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”!”


「すいません、ギルド登録を……」

「ようこそ、シャラポア支部へ。登録ですね。じゃあこちらの要項にご記入を」

 受付嬢が要項を渡してくる。…巨乳を揺らしながら。見れば冒険者の視線がこっちに来ていると分かった。男たちの。


「メラニカ=メイザース…魔法使い。使用魔法は五大性質と特殊系……五大性質!?」

 受付嬢が大声を出した。

「五大性質が扱えるなんて、レアですよレア!」

 顔が近い。鼻息が伝わってくる。

「是非、ギルドに協力してください!」

 意気揚々と登録証を渡された。


 =~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~==~=~=~=~=~=


「是非とも~是非ともぉ!」

 …まだ言ってるよ。

 二人の元に戻ろうとした時、

「やあ、お嬢さん。僕と来ない?」

 振り向くと、黒髪のイケメンがそこに居た。




次回~「僕は勇者さっ」 十一月十九日 午後八時 更新
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