連れづれかがさん

奈倉 蔡

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居酒屋で飲む

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 かがさんは東京で仕事をしているOLである。

 今日は会社の上司と飲みに来ていた。

「会社終わりの居酒屋はたまらないなぁ!」

  向かい側の席で、顔を赤くした上司...赤松仁がジョッキを傾ける。

「係長。飲み過ぎには気を付けてくださいよ」

 とりあえず、仁さんに警告しておく。そうしないと吐きかねない。

「いいだろー。かがさん。独身OLには言われたくねーよ。さっさと結婚しろ」

「うるさいですね、仁さん。貴方最近別居中でしょう」 

「関係ないだろ。そんな事」

「関係ありありです。私はそうなるのが嫌だから結婚しないんです」

「嘘つくなよ?ただ結婚できないだけだろ?」

「セクハラで訴えましょうか?」

「すいません」

「よろしい」

 とりあえずちょっかいに反応し、話倒す。これやるとvery面白い。


二時間後

「お前はいつもいつも顔が険しいんだよぉ!」

「仁。乙女に何言っちゃうの? 三十路でもまだ乙女なのよ」

「うるせぇ。いつも顔が険しくなかったらプロポーズしてたのに」

「はぁ!? 何言ってんですぅ。あと一年で定年退職の爺さんとなんて、一億でもや」 

「じゃあ三億」

「私みたいな乙女は三億じゃたりなぁーい」

「じゃあ何億?」

「3兆」

「桁が十違うんだが」

「はぁ? 桁が十違うのは私と仁の年の差でしょう?」

「いや、俺まだ300歳じゃない」

「いや、顔は300歳でぇーす」


三時間後

「なぁ。かがさん」

「何?」

「酒飲んでる時、俺のこと呼び捨てだったよね?」

「してね...してないです」

「いや、してたでしょ?」

「そんな事気にするなら、早く帰って妻と中直りして下さい」

「えー」

「...」

「...」
  時計を見ると深夜三時を過ぎていた。

「仁さん。帰りますか」

「そうだな」

  人がいない深夜の商店街。

  スーツ姿の2人組が歩くには少し違和感がある。

 そんな中、向かい側から女性が歩いてきた。だんだんとこっちに近づいてきて...

「最低!もう別の女と一緒にいるなんて!」

 と言いながら、仁さんの顔を叩いた。そして回れ右をして帰って行った。

  横を見ると、仁さんの顔が固まっていた。

「仁さん。ドンマイ」

「だからお前敬語が...」

「何か?」

「いえ、なんでもありません」

  かがさんは東京で仕事をしているOLである。

  今日もかがさんの1日は平和に過ぎていった。

 

番外編

「やぁ、読者のみんな。仁さんだ。今日は君達に言いたい事がある。それは...」 

・上司には酒を飲んでいても、敬語。

・世の中女性は強いから敵にするな

・みそ...若い女性と一緒に帰るな(特に既婚者は気をつけろ)

「以上だ。君達はかがさんみたいにはなるなよー。結婚出来ないぞー」
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