都市伝説的な何かに巻き込まれてアレコレされる話※短編詰め

ぽいぽい

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メリーさん(※男)からの電話

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「和斗には、もうついていけないよ!」
1ヶ月前に付き合い始めた羊谷和斗に対し、別れを切り出したのは俺だった。
「どうして!俺たち、いい感じにやってたじゃないか!」
「でも、もう限界なんだ!もう僕には関わらないで!」
僕は、和斗の静止を振り切り、一方的にその場を離れた。追いかけて来るかもと心配をしたけれど、その気配はなくホッとすると同時に、少し寂しさを感じた。
「なんだ…。その程度か」
ぽつりと呟き、俺は家へと帰った。

僕、小谷翼は大学入学を期にスタートした一人暮らし。広くはないけれど、誰にも邪魔されない自分だけの城だ。
和斗は、付き合ってから何度かこの部屋に来た。部屋にいると、どうしてもそのことを思い出す。
でも、もう忘れなきゃ。そう思って俺はスマホを開いた。連絡先も消しておこう。そうすればすぐに忘れられる。そう考え、操作を始めた時、着信が入った。その名前は『メリーさん』。
「…和斗…」
和斗は、羊谷という名字と羊のようにおっとりした風貌から、メリーさんと呼ばれている。俺も、付き合うまではメリーさん呼びをしていた。着信画面に出る名前も、その名残だ。
「もしもし?翼?俺だ、和斗だ」
「なんだよ」
「今、お前の部屋に向かっている。丁度、N駅に着いたところだ」
「来なくていいよ!」
言いながら、ふと思い出すのはメリーさんの電話。和斗も、あれみたいに何度も電話をしながら、こっちに向かってくるのだろうか?
「あ、電車来たから一旦切る」
通話は一方的に切られたが、それはそうと僕はくることを認めていない。
来ても部屋には入れないようにしよう、そう思っていると、LIMEでのメッセージが届いた。
『クローゼットの中の引き出しの下から2段目、見て』
用件のみの簡潔な文面。和斗は無口ではないけれど、おしゃべりという程でもない。そんな居心地の良さを感じて、僕は告白に応じた。そんなことを思い出す。
でも、別れを決めた今、そんなことは関係ない。それどころか、家に来た時に引き出しとか勝手に開けてたんだ。アイツ、何やってんだよ。
「しかも、滅多に開けない引き出しに…」
ブツブツ言いながら、僕が引き出しを開けると、そこにあったのは男性器を模した大人のおもちゃだった。
「…いつの間に…!」
それを手にした時に、着信が入る。画面にはまた「メリーさん」の文字。
「引き出しの中、何入ってた?」
その声を聞いて、俺は体が震えた。さっきまでとは違う、低めの声。元々声が良い和斗だが、低めの声で囁かれるとゾクゾクしてしまう。
「…何も?」
「翼、ちゃんと言って?」
ああ、駄目だ。低めの声に抗えない。
「大人のおもちゃ…」
「どんな?」
「ば…バイブ?」
いつの間にか、主導権は完全に和斗に移っていた。
「わ、忘れ物かよ…」
「とりあえず、それスイッチを入れてみて?動くかどうか確認しておきたいから」
「…は?」
いわれて、バイブを手に取ると確かにスイッチがある。強弱も調整できるらしい。恐る恐る、スイッチに触れてみた。するとウィンウィンと機械音を立てながら、バイブがうねりだす。
「う、動いた」
「それ、中に入れたら気持ちいいと思わない?」
言われて、自分の中にバイブが入ることを思わず想像してしまう。和斗のよりもちょっと細めだけど、これがお尻の中で動いたら、多分気持ちいいと思う。そう思うと、股間が元気になるのを感じた。
「…バカ!」
「それ、翼の中に挿れてみてよ?」
とんでもない提案だ。でも、実際に入ることを想像した時から、体は熱を持っている。そして、何より好奇心が頭を支配する。
「それ、取りに行くつもりだったけど、翼が気に入ったら、そのままあげる。翼の家には行かない」
それは、悪魔の囁きだった。
「じゃ、じゃあ挿れるから、お前は家に帰れ」
「あ、バスが来たから、10分後に電話する」
「は?何、お前、都市伝説のメリーさんかよ!」
俺が言い終わったら、一方的に電話を切られた。

バスで10分程度揺られたら、最寄りの停留所に到着する。そこからうちまで、徒歩5分程度だ。
「い…挿れたら、来ないんだよな?」
言いながら、僕はベッドに行き、和斗が置いていったローションを使って後ろをほぐしていく。最初は、男同士のセックスなんて無理なんじゃないかと思っていたけれど、今は入れられるのが当たり前のように、そこは指を飲みこんでいく。軽くほぐしたら、スイッチを切ったバイブにもローションをまとわせ、入り口に充てた。
「んっ…」
慣らし方が甘かったのか、角度が悪かったのか、一気に奥までとはいかなかったけれど、入り口辺りで何度か抜き差しを繰り返すうちに奥まで入れることができた。
「…は、入ったぁ…」
快感よりも、上手く挿れることができたことにほっとした時に、また『メリーさん』から着信があった。
「入ったか?」
耳元で聞こえる低めの声に、僕は思わず後ろの穴を締め付けた。
「ひゃっ」
よりリアルに、その感触や形を意識して変な声をあげた。
「スイッチは入ってる?」
「…まだぁ…」
返事をしながら、スイッチに手を伸ばす。最初は弱めからと思っていたのに、操作に慣れておらず、スイッチを大きく動かしてしまった。体の中で、バイブが大きくうねる。
「あっ……ああ……」
「そのまま、抜き差しして?」
「…う…うん」
言われるままに、バイブをゆるく動かす。刺激がより強烈なものとなっていく。
「ああっ……お尻の中…、す…凄い…」
「気持ちいい?」
「いいっ……」
「俺のとどっちが気持ちいい?」
和斗のが欲しいと言いかけたけど、脳が一瞬冷静になる。折角別れるって決めたのに、このままじゃ別れられない。
「ば…バイブの方が気持ちいからぁ…」
「それでイケるの?」
「い、イケる……気がする…っ!」
俺は、和斗への思いを断ち切るように、夢中でバイブを動かす。初めての刺激は快感を生むけれど、太さが足りないのか、自分の動かし方が悪いのかどこか物足りなさを感じる。
そんな気持ちを払拭するように、俺は必至でバイブを動かす。
「超、やらしー」
「お前がやれって…ああっ…」
バイブでアナルを攻めながら、小さな疑問が頭を過る。
今の声は、すぐ横に落ちているスマホではなく、後ろから聞こえた。
慌てて振り向くと、そこにはスマホを手にした和斗が立っていた。
「ワタシ『メリーさん』。今、翼の後ろにいるの、なんてね」
「…わ…、バカ…」
ベッドの上で、腰を大きく上げて必死でバイブを動かしている姿を見られた。恥ずかしさで、死にそうになる。
「翼が、そのままイケたら、帰ってあげる」
言いながら、和斗はゆっくりとズボンの前をくつろげた。
「翼の声がエロいから」
言いながら取り出した和斗のモノは、完勃ちになっていた。俺の中に入っているバイブよりも立派なそれに、思わず唾を飲む。
「…そんなの…反則だぁ…」
気が付けば、俺は夢中で和斗のモノをしゃぶっていた。そして、そのまま押し倒され、俺の中に挿入される。バイブを使っていたせいか、和斗との相性が良いせいか、超気持ちい。
そんな俺を見て和斗が笑う。
「ワタシ『メリーさん』。今、翼の中にいるの」
「…バカぁ…。ふざけてないで動けよぉ…」
おねだりが効いたのか、何度も和斗のモノでイかされた。

「別れるっていってなかったっけ?」
「別れるー」
「ここは、俺のこと咥えて離さないのに?」
そう言って、奥の方を突かれる。
「だって、和斗の性欲に付き合ってたら、留年しそうなんだもん」
そう。別れを決意した原因は、立てなくなる程セックスをされたせいで、大切な講義に遅刻するなど散々な目に遭ったためだ。和斗が絶倫なのもあるけど、あまりの気持ち良さに僕も何度もおねだりしてしまう。
このままじゃダメだと分かっていても、すぐにまたしたくなってしまう。
「留年しても、就職できなくても、俺が養ってあげるから」
「うー。それはそれで、男の威厳が…」
「『メリーさん』は、好きな人に対してはとことん執着するの」
「…とんだメリーさんと付き合っちゃったな、僕」



その後の僕らは、恋人関係を継続している。
メリーさんは、どんなことがあっても僕から離れる気はないらしい。

それはそうと困ったことが一つ。
「今、駅に着いたから」
家に来る連絡と一緒に、エッチな命令をされること。あの日のプレイが気に入ったらしい。そして、文句を言いながらも応じてしまう僕も僕だ。
僕とメリーさんの関係は、まだまだ続いていきそうだ。
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