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貴方の全てと私の全てを
しおりを挟む人の気配を感じ目が覚める。
「起こしてしまったか?」
頬を撫でられ温もりが伝わる。
心底会いたかった、その人が目の前にいた。
「ノア?」
「あぁ、ロゼッタ。よかった」
そのまま抱きすくめられノアの香りに包まれた。
背中に腕を回しきつく抱き合い、お互いを確かめるように唇が重なり合う。
「ノア、よかった」
頬を伝う涙をノアが掬い、見つめ合う。
「会いたかった」
「私も…心配かけてごめん」
「…本当に…間に合ってよかった。俺を助ける為にあそこまでするなんて…もう二度とあんな事はしないと誓ってくれ」
「……それは、ノアもだと思う」
「っお前な!?」
互いに見つめ合い、存在を確かめるように幾度も口付けをかわす。
微かに魔力がこもった口付けから体が火照り、下腹部が疼き出す。
ノアの大きな掌が頬から頸へと降りてくる。
触れられた場所から粟立ち、熱を増す。
自然と何かを期待するように腰が揺れる。
「っ、ロゼ」
何かを堪えるようにノアに睨まれるが、思うがままにノアの唇に自分の唇を当てる。
自らノアの温かい口腔内に舌を入れ魔力を乗せる。
その瞬間互いの体に電流が走るようにビクりと揺れる。
唾液が甘く感じる。
――食べて欲しい。もっと食べたい。
自ら腕を回し貪るように口付けを交わす。
互いに息が上がり見つめ合うとノアが奥歯を食いしばりながら唸る。
「っ、ロゼ…ダメだ!まだ体も完全に回復していない。それに」
「なんで?…私、ノアが好き。もう、あんな思いしたくない。…だから、私をノアのものにして欲しい」
ノアの深い青い瞳を見据え伝える。
「ノアの全部が欲しいの…私の全部をノアのものにして欲しいの」
声を震わせながら伝えた声は、そのままノアの口腔内に掻き消え唾液が端から溢れ落ちていく。
後頭部と腰を支えられる。
顎を掬い上げられ首に唾液が伝っていき、その感覚が体の疼きを加速させる。
「っはぁ、ノア…もっとぉ」
「っロゼ…愛してる」
その言葉に身体が自然と動く。
「っロゼ!?」
ノアに体重をかけ、仰向けに押し倒し唇に、首にと口付けを落とす。
驚いているノアの姿が珍しくおかしくなり自然と口角があがる。
「ロゼ!ほんとっちょっ、ちょっと待て!」
「ふふ、待たない」
わざとらしく下腹部を押し当てると、ノアの股間も熱をもち固くそそり立っている。
ゴリッとお互いの下腹部が当たり、思わぬ感触に急激に恥ずかしくなり顔が熱くなる。
「っ…お前なぁ………」
額に手を当て嘆くノアを見下ろすと、ノアの耳も僅かに赤くなっていることに気付いた。
いつもは前髪などで隠れている耳が無防備に見えていて、悪戯心を擽られる。
そっと唇で触れると、ビクッとノアの体が揺れる。
「っ!!まじでっ、お前は!!」
顔を赤くしたノアに頬を挟まれ上体を起こされる。
「…ノア真っ赤…」
またもや深く溜息を吐くノアに笑みがこぼれる。
「私、本気だし。…誘ってるんだけど」
と上目使いでぼやく。
ガシガシと音がなるほど頭を掻きノアが唸りながら「ロゼは病み上がり、ロゼは病み上がり…」と呪文のように言い聞かせていた。
そっとノアの頬に手を当て、目線を合わせると息を呑む音が聞こえた。
「ロゼ…待ってくれ。…マジ、理性が…いろいろ葛藤があるんだ。狸たちもうるさいし、何よりお前の体が心配なんだ」
「…ノアのものにしてくれないの?」
ノアの瞳に吸い寄せられるように顔が近づく。
今までの私では考えられないほど大胆な行動なのは理解している。
でも、一緒にいられるこの一分一秒が奇跡に思えた。
いつ終わりが来るかわからない。
これからも私たちは危険と隣り合わせだ。
強い絆や力があっても、まだ今の私の心には隙間があり埋まらない。
その隙間を埋めるように、ノアに縋りつき唇を重ねる。
応えてくれるノアの優しさに心も身体も熱をもっていく。
息継ぎの合間に互いの名前を呼び合い、目を見つめ合い確かめ合う。
するりとノアの掌が寝衣を掬い地肌に触れる。
既に下着は口付けだけでクロッチを濡らし、下着は僅かに汗で滲んでいる。
背中を擦るノアの手が臀部へと滑り、下着の紐を解く。
つーと、クロッチから愛液が滴り内腿にヒヤリと水滴が落ちる。
その冷たさと相反した熱い指先が伝う水滴を追うように触れ、花弁に触れる。
「っはぅ」
待ちに待った感触が下腹部を刺激し声が漏れる。
身体が強張り上半身が反り返る。
膝立ちになりながらノアの頭部を抱え縋りつく。
くちゅくちゅと下腹部から音が鳴り、同時にノアの熱い舌先が双丘を愛撫し室内には卑猥な音が奏でられる。
強烈な快感がつま先から駆け巡り、目の前がチカチカと点滅する。
「っん!!っぁ…」
脱力する腰を逞しい腕に支えられながら、ノアの髪に顔を埋め声を殺す。
感覚が研ぎ澄まされ体がびくびくと痙攣する。
静かに体を寝具に寝かせ、顔に張り付く髪をノアが掬い上げる。
「…ロゼ、愛してる」
まだ体に篭る熱のせいで思考が鈍っているが、恍惚とした表情で見下ろすノアの瞳を見つめる。
「…まだ熱がある。今日はここまで。…次はもう我慢しないからな、覚悟しとけよ」
ノアの優しい声と、額に落ちる唇の感触を最後に私は意識を手放した。
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