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人間無味

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全自動な生活

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 永遠と続くビルの山脈の彼方。朝はその訪れを燦々とした光と共に皆に知らせた。
 「おはようございます。四月七日。朝の七時となりました。今日の天気は晴れのち雨。最高気温17度、最低気温12度。春の訪れを感じる清々しい日となるでしょう。.......おはようございます。朝の七時となりま....」

 男の枕元に置かれた、いつの日か一人に一台が常識となった全自動音声式生活補助器が声をあげる。この声をきっかけに男の一日は動き出す。遮光式の自動開閉式カーテンが開き、男の部屋に朝の日がありありと入ってくる。朝の光に反応しテレビが自動で付く。

 七時十分。プログラム通りに全自動音声式生活補助器が話し出す。
 「おはようございます。七時十分となりました。お疲れなのは分かりますが起きて仕事へ向かいましょう。今日は昼に会議の予定があります。あなたがいないと会議は円滑に進みません。頑張って下さい。.....おはようございます。七時十分となりま...」

 人工知能が一人一人の性格に合わせて最も合った返答を常にはじき出す。この場合、男が最もやる気の出る一言であった。

 七時二十分。春のうららかな日照りに誘われてか男は起きる気配を示さなかった。男の部屋は設定の通り強制的全自動モードに変更した。男の寝ているベッドはゆっくりと背上げされ天井から降りてきたスーツをダラリと眠る男に着せる。男はそのまま、朝ごはん一食分の栄養が入ったカプセルを飲まされ、中古で買った全自動運転の車に乗り込まされる。全自動音声式生活補助器が言う。
 「行ってらっしゃいませ」

 男の通う会社には救急車が到着していた。出勤した男が血だらけの状態で発見されたのだ。到着した医師はこう言った。

 「それにしても、ひどいな。包丁でメッタ刺しだ。傷から見て、殺されたのは今日の真夜中位ですかな。」
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