時には昔の話を

カサアリス

文字の大きさ
1 / 2

そっとしておくとは息を潜めることではない。

しおりを挟む
人にはそっとしておいて欲しい時がある、と思っている。
そしてそれは思っている以上に必要なことであると考えている。
ただ、はそんな簡単ではない。
なんせ、そっとしておいて欲しい時はかまって欲しいと同意の時があり、そういう時に限ってコミュニケーションが円滑に進まなかったりする。

「はぁ~。」

そして、大きな溜息をつきながら目の前の状況を整理していく。
つまりは、今の現状がという状況なのである。

さて、ここでわかり易く説明してみようか。
人に伝えるということは現状整理をすることには最適であると何処ぞの尊敬する人が言っていた気がする。
気のせいかもしれないが、効果的なのは体験済みだ。

まず、場所はファミレス、ドリンクバーから多少距離のあるボックス席。
目の前にはやつが一人いる。
そやつはスマホを弄りながら時間を潰すように指を動かしている。
ただし、目は死んだ魚より生気を感じない。

そんなやつに呼ばれて、早2時間。どの切り口で会話しても、地方の鉄道のように終点は長いようで早くやってくる。
しかも鉄道とは違い、途中下車はもちろん、終点で追い出されることも無い。ただただ、代わり映えのない回送列車に乗せられ続けているようなものだ。

さて、ここでの私のミッションはこれだ。
『目の前の人が求めているの実現』
そして、ここまでの成果はない訳では無い。
まず、本当にそっとしておくと溜息をつかれ、呆れた目で見つめられる。
その次に鉄板のすべらない話をしてみるが、オチが来る前に止められる。
それじゃあ、たわいもない話で時間を稼ごうとすると、相槌も打たずに睨まれる(後日、睨んでるつもりは無いと言われたがそんなもん知るか。睨まれたと感じたのだから、そいつは俺を睨んだのだ。)

これまでの流れで推測される答えは、『』ところまでが2時間の成果。
ここまでくると、流石に答えが見つけられたのだが、それは答えではなく問題である。何を矛盾していることを言っているんだと憤慨する人もいるだろうが、安心してくれ。
私もそう思う。というより、理不尽だと思う。

だが現実に目の前にこの状況があるのだ。
しかも理由もご丁寧に状況が説明している。
答えるしかないのだ。

否。答えるのが私の性格だ。

では、観察と考察で答えを導こう。
時刻は午後9時。相手はスーツ姿。私が呼び出されたのが午後6時で、すでに席に着いていたらしいので、3時間はファミレスにいる。
頼んだメニューはドリンクバーにポテト。ポテトは私が来てから頼んでいた。
そして、ここで求められる正解は・・・。

「この後、酒でも呑むか。奢るよ。せっかくのプレミアムフライデーだしな。」

これに対し、相手は快諾してくれそっとしておく時間は終わりを告げる。
ああ。疲れた。しかし、心地のいい疲労だ。
そういいながら、財布の紐を精一杯緩めて酒を呑むのだ。

------------------

ここから先は好きな人だけ読んでいただければいいと思う。
一応は物語は終わったのだが、あとがきとして色々と語っていきたいと思う。
語り部はあとがきに力を入れてしまうものだが、私も同じ穴のムジナである。

さて、では観察と考察で得た私なりの答えを言おう。
『相手は、残業代を貰うために残業しようとしたが、時間が足りず月末まで時間が稼げず、今日は残業するはずがプレミアムフライデーで残業禁止のため、残業代が貰えずに落ち込んでいた。』

解説は必要かどうかは人によるが、読み返して頂ければ、ヒントは散りばめられていると信じている(推理物は処女作だ。多少のミスは許してくれ。)

ちなみにというのも、明確に提示しているので伝わってくれているとありがたい。

さて、この辺で終わりにしておこう。
後書きは後書きであり、本編より長くなってはいけないのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

私はアナタから消えます。

転生ストーリー大好物
恋愛
振り向いてくれないなら死んだ方がいいのかな ただ辛いだけの話です。

〈完結〉姉と母の本当の思いを知った時、私達は父を捨てて旅に出ることを決めました。

江戸川ばた散歩
恋愛
「私」男爵令嬢ベリンダには三人のきょうだいがいる。だが母は年の離れた一番上の姉ローズにだけ冷たい。 幼いながらもそれに気付いていた私は、誕生日の晩、両親の言い争いを聞く。 しばらくして、ローズは誕生日によばれた菓子職人と駆け落ちしてしまう。 それから全寮制の学校に通うこともあり、家族はあまり集わなくなる。 母は離れで暮らす様になり、気鬱にもなる。 そしてローズが出ていった歳にベリンダがなった頃、突然ローズから手紙が来る。 そこにはベリンダがずっと持っていた疑問の答えがあった。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

処理中です...