25 / 37
異変
しおりを挟む
Nicolasが店に戻った時、店の雰囲気が変わってると気づいたのはそう遅くはなかった。中に入れば椅子だのテーブルだのが散乱し、Michelの姿もMargaretの姿も見えなかった。あれほどいた客も全くいなく、何が起きたのかと目を見開いて立っていた。
「あぁ、Nicolas…」
ふと後ろから誰かの声が聞こえた。Michelだった。彼は片腕を布で抑えそこからも血がにじんでいた。
「Margaretは?何があった」
慌てた口調でそういうNicolasにMichelは震えながら事の顛末を話して聞かせた。
「あのZaraという女はMargaret様を探していたらしいんだ。彼女と話しているうちに気づいたのだろう。今思えばZaraは召使だったそうだ。こんな形とは違う風でいつもパッとしないような恰好をしていたそうだ」
「…」
「ZaraはJaneと名乗った少女がMargaret様だということは初めのうちから知っていたらしいんです。俺たちがいなくなるのを待っていたようで…」
「そうか…それで?Margaret様は?」
「彼女は二階にいるよ。最初、彼女の手を掴み外へ出ようとしたもんだから私が止めたらこの有様だ」
Michelはため息をついて言った。Nicolasは周りを見渡した。
「ほかにけが人は?」
「自分だけで済んだよ」
「…そうか…すまんな」
申し訳なさそうに言うNicolasにMichelは笑って
「いいや、お前のせいじゃないよ。ただMargaret様は怖がっていてもう外には出たくないと」
その言葉にNicolasは頷いた。まだZaraもButlerもこの近くを彷徨っているだろう。それにこの場所をもう知られてしまった。
「そのほうがいいな。そのZaraという女ももしかしたらButlerの仲間なのかもしれないな。それでここも知られたんだろうし。時間の問題な気がするが…」
「明日になったらEdward様に状況を説明しよう。俺たちだけでは何も解決できないからな」
そう二人は言うと扉に鍵をかけ、営業を早めに切り上げた。Nicolasはドアの前に大きな本棚を何個も置きもし誰かが入ってきたとしても入れないような工夫を始めた。
「あぁ、Nicolas…」
ふと後ろから誰かの声が聞こえた。Michelだった。彼は片腕を布で抑えそこからも血がにじんでいた。
「Margaretは?何があった」
慌てた口調でそういうNicolasにMichelは震えながら事の顛末を話して聞かせた。
「あのZaraという女はMargaret様を探していたらしいんだ。彼女と話しているうちに気づいたのだろう。今思えばZaraは召使だったそうだ。こんな形とは違う風でいつもパッとしないような恰好をしていたそうだ」
「…」
「ZaraはJaneと名乗った少女がMargaret様だということは初めのうちから知っていたらしいんです。俺たちがいなくなるのを待っていたようで…」
「そうか…それで?Margaret様は?」
「彼女は二階にいるよ。最初、彼女の手を掴み外へ出ようとしたもんだから私が止めたらこの有様だ」
Michelはため息をついて言った。Nicolasは周りを見渡した。
「ほかにけが人は?」
「自分だけで済んだよ」
「…そうか…すまんな」
申し訳なさそうに言うNicolasにMichelは笑って
「いいや、お前のせいじゃないよ。ただMargaret様は怖がっていてもう外には出たくないと」
その言葉にNicolasは頷いた。まだZaraもButlerもこの近くを彷徨っているだろう。それにこの場所をもう知られてしまった。
「そのほうがいいな。そのZaraという女ももしかしたらButlerの仲間なのかもしれないな。それでここも知られたんだろうし。時間の問題な気がするが…」
「明日になったらEdward様に状況を説明しよう。俺たちだけでは何も解決できないからな」
そう二人は言うと扉に鍵をかけ、営業を早めに切り上げた。Nicolasはドアの前に大きな本棚を何個も置きもし誰かが入ってきたとしても入れないような工夫を始めた。
0
あなたにおすすめの小説
賭けで付き合った2人の結末は…
しあ
恋愛
遊び人な先輩に告白されて、3ヶ月お付き合いすることになったけど、最終日に初めて私からデートに誘ったのに先輩はいつも通りドタキャン。
それどころか、可愛い女の子と腕を組んで幸せそうにデートしている所を発見してしまう。
どうせ3ヶ月って期間付き関係だったもんね。
仕方ない…仕方ないのはわかっているけど涙が止まらない。
涙を拭いたティッシュを芽生え始めた恋心と共にゴミ箱に捨てる。
捨てたはずなのに、どうして先輩とよく遭遇しそうになるんですか…?とりあえず、全力で避けます。
※魔法が使える世界ですが、文明はとても進んでとても現代的な設定です。スマホとか出てきます。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
婚約した幼馴染の彼と妹がベッドで寝てた。婚約破棄は嫌だと泣き叫んで復縁をしつこく迫る。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のオリビアは幼馴染と婚約して限りない喜びに満ちていました。相手はアルフィ皇太子殿下です。二人は心から幸福を感じている。
しかし、オリビアが聖女に選ばれてから会える時間が減っていく。それに対してアルフィは不満でした。オリビアも彼といる時間を大切にしたいと言う思いでしたが、心にすれ違いを生じてしまう。
そんな時、オリビアは過密スケジュールで約束していたデートを直前で取り消してしまい、アルフィと喧嘩になる。気を取り直して再びアルフィに謝りに行きますが……
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる