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人間が集まってきたよ

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 全部で13人の人が集まった。この教会に元々住んでいたシスターはこの多くの人たちに驚いた表情を見せていた。
「お足元が悪い中、ようこそ。さあさ、それぞれ各部屋がございますから吹雪がやむまでごゆっくり」
と案内を始めた。
「教会なのに部屋があるんですか?」
と隣にいたシスターに尋ねた。
「えぇ、大体こんな天候になると多くの人たちがここに集まるんです。たまにそれに紛れて恐ろしいこともありますけど」
「…恐ろしいこと?」
首を傾げる僕にシスターはフフと笑って僕の部屋を案内した。
 指定された部屋に入り、フードを外した。ふと目の前にある鏡が目に入った。短めの髪の横に先のとがった耳が伸びている。よく見ていると今まで気づかなかった変化があった。よく見るようにフード付きの袖の長い服を脱いだ。下着一枚になって周りに誰もいないのを確認してもう一度鏡を見ると、身体が毛で覆われていた。本当に狼のように灰色く自分の緑色の肌が隠れるほどだった。
「うわぁぁぁ」
鏡に映る自分の姿を見て叫び声をあげた。
「どうしたの?」
その声にも驚き、後ろを振り返るとあの女性が立ってた。僕は慌てて服で隠そうとワタワタとしているとカミラは笑った。
「そんな驚かなくてもいいのに」
私にもここについているでしょうと後ろで揺れる尻尾を見せた。
納得していると何処からかネコの声が聞こえた。 
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