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コスチュームプレイは細部までこだわって
1話
しおりを挟むついに!ついに!ついに!
僕たちは海のある国へ辿り着きました!
いえーい!どんどんどん!パフっパフっ!
…とはいえ、海はさらに東の果てまで行かなきゃないらしい。
うーん、バカンスはまだまだ遠い…。
しかしこの国に入った瞬間に雰囲気が変わった。
なんというか、中華風なのだ。
今いる街は辺境領で結構栄えた場所なのだけど、赤い大きな門を抜けた先の街道沿いにこれまた赤い提灯がぶら下がり、屋台で肉まんや小籠包が売られている。
中華風といっても横浜中華街しか知らないんだけど…まさにそんな感じ。
そしてそして!
人々が着ている服が!チャイナ服なのだ!!!
カンフーパンツって言うのかな?ボトムを履いてる人もいるけど、生脚、ニーハイの人もいる。
うーん、異国情緒…いや異世界情緒あふれるな、これは。
「良い街だね、エル!」
「そうだな、随分と賑わってる。飯も美味そうだ」
相変わらず彼は食欲第一だ。
いっぱい食べるのが可愛いんだけどね。
彼は屋台の食べ物を物色し始め…あれ?
その目線は食べ物じゃなくて、売り子の小柄な少年を見てないか?
その子はお団子頭で、ニコニコと接客している。
エルは元々可愛い系がタイプだ。
まさか目移りしたんじゃないだろうな…!
「おい」
「っ!な、なんだ?」
「今売り子の少年を見てたでしょう。僕の目の前で堂々と…」
「ち、違う!服がだな…」
「服ぅ?スリットから覗く太ももでも見てたの?」
その少年はミニ丈のチャイナで、結構際どい。
今までは清純なフリをしていただけで、実はむっつりなの?
「だから違うって!その…ルイが着たら可愛いだろうなと思ってだな…」
「僕?僕にあれを着て欲しいの?」
「いや、その…無理にとは言わないが、できれば…」
やっぱりちょっとむっつりなのかな。
ふふふ、まあいいでしょう。
「いいよ、着てあげる」
「ほんとか!?」
「その代わり、エルも着てね♡」
「お、俺も…?」
エルは顔を引き攣らせているが、これは決定事項だ。
コスチュームプレイも実は興味あったんだよね~!
「僕が服を買いに行ってくるから、その間エルは宿を取りに行ってて」
「別行動は…」
「大丈夫だって!すぐに帰るから!」
「…分かった」
渋るエルを置いて、僕は服屋さんに向かった。
色とりどりのチャイナ服が並んでいる。
う~ん、ロングにするかミニするか…それが問題だ。
どっちも捨てがたい…と悩んでいた僕の視界の隅にある物が飛び込んできた。
「こ、これは………!」
何という物が平然と置いてあるのだ…!
素晴らしい…異世界、謝謝!
その物とエル用にロングとミニ両方と露出度高めの物、僕用の普通のチャイナを購入して、僕はエルの元へ急いだ。
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