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郭公の暮らし
管理人2
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部屋に戻る。
当然布団は敷いてなんかない。
自分で敷いて、昨日のままの寝着に着替える。
2日同じものなんか着たことがなかった。
いつもとは違う着心地になんだか落ち着かない。
脱いだ服を見て…。
畳み始める。
何かやると、どこかひとつ気が軽くなる気がした。
…疲れた。
布団に横たわると、何も考える間も無く眠りに落ちていった。
「…いつまで寝てるのですか!」
セイの小言で目が覚めた。
まだ外は仄かに暗い。
「…日の出は…。」
まだだろう?と言い掛けて、セイに遮られた。
「…とうに過ぎております。ここは山の麓にあるので、明るくなるのは半刻ほど遅いのです!」
また布団を畳んで、着替える。
「着替えは此処です。」
と小さな箪笥を示された。
あっ、寝着の替えもあった。
「朝餉の支度から始めます。」
行きますよ、と台所に導かれる。
流石にわかる。
全てを自分でこなすのだ。
料理も掃除も、おそらく洗濯も。
「セイ…殿はいつまでここに来てくれるのか?」
「…セイで結構です。あとひと月ほど。」
「そうか。ありがとう。」
ひと月。ひと月で一通り身につけなければここでの暮らしは立ち行かなくなる。
…そうなっても?
良いのではないか?とも思った。
何もせず、何も食べず、朽ち果てていく。
…父に、いや帝をそう仕向けたように。
惹きつけられる考えはとりあえず傍に置く。
手を休めるとセイの叱責が容赦なく飛んでくる。
なんとか朝餉を拵えて、食べる。
片付けも自分でする。
セイがしてくれる事は口を出す事と刃物を使う事だけだった。
「…見せろ、と言われているものがあります。」
外に行くと言われて慌てて靴を履いた。
外へ出られるのは、この勝手口だけだそうだ。
…この先は。
ドクン!と心臓が跳ね上がるのを感じる。
まさか、まさか!
思った通り連れてこられたのは厩だった。
「これです。」
と扉を開けてセイが見せたものは…。
「シオン!」
ポツンとただ一頭だけ残されていた馬、シオンだった。
「シオン?違いますよ、エンと言います。
帝のお側女のリーエン様の馬です。
帝が新しい馬をお渡しになられたので、エンはお払いとなりました。
ホンにはこの山荘の管理と、エンの世話をせよ、というのがリーエン様からのお達しです。」
涙が溢れた。
ただ一つ、唯一自らが欲したもの、この馬のために生きよ、という事だ。
…違う。生きる為にシオンを与えた。
…死ねない。死んではならない。
死んでしまえば、シオンもまた死ぬのだ。
自分を惹きつけて離さなかった、この美しい馬が死ぬ。
…ああ。なんて慈悲。なんて酷い仕打ち。
ジンシに「殺してくれ」と願ったのに!
それすらも叶わなかった。
当然布団は敷いてなんかない。
自分で敷いて、昨日のままの寝着に着替える。
2日同じものなんか着たことがなかった。
いつもとは違う着心地になんだか落ち着かない。
脱いだ服を見て…。
畳み始める。
何かやると、どこかひとつ気が軽くなる気がした。
…疲れた。
布団に横たわると、何も考える間も無く眠りに落ちていった。
「…いつまで寝てるのですか!」
セイの小言で目が覚めた。
まだ外は仄かに暗い。
「…日の出は…。」
まだだろう?と言い掛けて、セイに遮られた。
「…とうに過ぎております。ここは山の麓にあるので、明るくなるのは半刻ほど遅いのです!」
また布団を畳んで、着替える。
「着替えは此処です。」
と小さな箪笥を示された。
あっ、寝着の替えもあった。
「朝餉の支度から始めます。」
行きますよ、と台所に導かれる。
流石にわかる。
全てを自分でこなすのだ。
料理も掃除も、おそらく洗濯も。
「セイ…殿はいつまでここに来てくれるのか?」
「…セイで結構です。あとひと月ほど。」
「そうか。ありがとう。」
ひと月。ひと月で一通り身につけなければここでの暮らしは立ち行かなくなる。
…そうなっても?
良いのではないか?とも思った。
何もせず、何も食べず、朽ち果てていく。
…父に、いや帝をそう仕向けたように。
惹きつけられる考えはとりあえず傍に置く。
手を休めるとセイの叱責が容赦なく飛んでくる。
なんとか朝餉を拵えて、食べる。
片付けも自分でする。
セイがしてくれる事は口を出す事と刃物を使う事だけだった。
「…見せろ、と言われているものがあります。」
外に行くと言われて慌てて靴を履いた。
外へ出られるのは、この勝手口だけだそうだ。
…この先は。
ドクン!と心臓が跳ね上がるのを感じる。
まさか、まさか!
思った通り連れてこられたのは厩だった。
「これです。」
と扉を開けてセイが見せたものは…。
「シオン!」
ポツンとただ一頭だけ残されていた馬、シオンだった。
「シオン?違いますよ、エンと言います。
帝のお側女のリーエン様の馬です。
帝が新しい馬をお渡しになられたので、エンはお払いとなりました。
ホンにはこの山荘の管理と、エンの世話をせよ、というのがリーエン様からのお達しです。」
涙が溢れた。
ただ一つ、唯一自らが欲したもの、この馬のために生きよ、という事だ。
…違う。生きる為にシオンを与えた。
…死ねない。死んではならない。
死んでしまえば、シオンもまた死ぬのだ。
自分を惹きつけて離さなかった、この美しい馬が死ぬ。
…ああ。なんて慈悲。なんて酷い仕打ち。
ジンシに「殺してくれ」と願ったのに!
それすらも叶わなかった。
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