132 / 167
第三部 女神編
第132話 その頃リリスは、ユートピア号
しおりを挟む
正体不明の艦隊がセレストに向かっているとの、カイトさんからの知らせを受け、警戒していたところに、神殿に何者かが転移して来たようです。
私とアリアは急ぎ、シャトルポッドで神殿に向かいます。
「正体不明の艦隊からの侵入者でしょうか?」
「どうかしら……。艦隊はまだ、ここから四日以上かかる距離にいるはずだわ。転移してくるには距離がありすぎる気がするわね」
「先行している船がいるのでしょうか?」
「その可能性はゼロではないけれど、オメガユニットの警戒網に掛かっていないということは、その可能性は低いわね」
「ステファさんを連れてこなくてよかったのですか?」
「ステファさんは、この星の人ではないですからね。巻き込むのもどうかと……。まあ、相手と揉めることになったら仲裁してもらいましょう。それに、相手は一人のようですし」
リリスと話をしている間に神殿に到着しました。
私とアリアは神殿に踏み込みます。
バタン!
「ララサ、無事? 侵入者はどこ!」
「お姉さま。侵入者は、そちらのスピカ神聖教の乙女巫だそうです」
「スピカ?」
女神スピカが転送で来たのですか。人騒がせな。いえ、これは好都合です。
「敵対する気はありません。昔の知人を訪ねて来ただけです。穏便にお願いします」
「わかりました。話を聞きましょう。一緒に来てください」
私は、スピカを引き立てて、シャトルポッドに押し込みます。
「アリア、発進して衛星軌道の上に出て」
「お嬢様、それですとオメガユニットの防空圏を超えてしまいます」
「わかっているわ。大丈夫だから、言う通りにして」
「畏まりました」
アリアが操縦してシャトルポッドを発進させます。
「あの、私はどこに連れて行かれるのでしょう」
スピカが心配そうに尋ねてきます。
「転送が使える所まで連れて行くのよ」
「え?」
「あなたが許可なく転送で現れたから、オメガユニットが警戒モードに入ったわ」
「オメガユニットって、最終兵器の」
「そのせいで転送が使えないでしょ」
「帰ろうと思ったら転送できなかったけれど、転送が妨害されていたのね」
「だから、転送で突然現れるには止めて。と、毎回言ってるでしょ」
「すみません。お手数かけます。って、あれ?」
「まだ気が付かないの?」
「え? あーーあ!」
スピカがビックリして人を指さす。
「皇王セイヤ様の婚約者のリリスメリヤよ。リリスと呼んでね」
「婚約者なの?」
「今、オメガユニットの防空圏外に出るから、そうしたら私を連れて転移して」
「シリ……、リリスを連れて行くの?」
「スピカの船でセイヤ様を追いかけるのよ」
「お嬢様、何を言っているのです?」
「聞いての通りよ。私はスピカの船でセイヤ様の後を追うわ。私たちが転移したら、アリアはセレストに戻ってちょうだい」
「お嬢様を一人で行かせるわけにはいきません。私も一緒に行きます!」
「ごめんなさい。アリアを転送するのは無理なの。今回は諦めてちょうだい」
「そんな……」
「そろそろ転送が使えそうよ」
「それじゃあお願い」
「転送」
「お嬢様!」
アリアを残して私とスピカは、スピカの船に転移したのだった。
「ようこそ我が船『ユートピア号』に」
「無事に転送できたのね。しかし、よくもこんな長距離を転送できたものね? セレストまで四日の距離よ」
「以前に一度転送してますからね。ポイントが打ってあるのよ」
いつの間にそんな物、打ったのでしょうか。
でも、お陰で、カイトさんを待つより一週間以上時間を短縮できるわ。
「無理を言って悪いけど、早速、帝国に向かってくれるかしら」
「それは構わないけど、何があったの?」
「セイヤ様はドラゴンを探しに帝国に行ってしまったのよ。もう、こんなことなら、今まで通りに引き篭っていてもらった方がよかったわ」
「なんでまた、ドラゴンなんか?」
「私のお父様が、結婚を許可する条件に、ドラゴンの角を取ってこいと言い出したのよ」
「そういえば、婚約者だといっていませんでしたか? なんで今回は、聖女じゃないんです」
「今回は、神の左目の転生体がなぜか男だったのよ。それなら、聖女より妻の方がそばにいられるでしょ。生まれてすぐにそれに気づいたから、妹と立場を入れ替えたのよ」
本当は私が教会に預けられて聖女になるはずでした。
ですが、今代の神の左目の転生体が男だと知った私は、魔法でララサと、区別のためにつけられた印を入れ替えたのです。
本当なら私が妹のララサで、ララサが姉のリリスだったのです。
「あの聖女とは、姉妹だったのですか。彼女は、とばっちりを食って聖女にさせられてしまったのですね」
ララサには申し訳ないことをしたと思いますが、またとない機会なのです。
私も一度でいいから男の人と結婚してみたかったのです。
今までずっと、聖女として神の左目のそばに仕えて、男の人と全く付き合うこともできなかったのですから。一度くらいいいですよね。
「なんです。罪悪感があるんですか?」
「少しね……」
なので、ララサが私に呪いを掛けた時も、甘んじてそれを受け入れたのです。お陰で「ブタ公女」と呼ばれることになってしまいましたが、セイヤ様に嫌われなければ、そんなことはどうでもよかったのです。
「女神なのに、聖女でないのはまずくありませんか?」
「それは大丈夫よ。最初の時はメイドだったし」
「そうなのですか?」
「そんなことより、早く出発して。こうしている間にセイヤ様に何かあったら大変よ」
「はいはい。わかりました」
私とスピカは転送室を出ると、足早に、ブリッジに向かうのでした。
私とアリアは急ぎ、シャトルポッドで神殿に向かいます。
「正体不明の艦隊からの侵入者でしょうか?」
「どうかしら……。艦隊はまだ、ここから四日以上かかる距離にいるはずだわ。転移してくるには距離がありすぎる気がするわね」
「先行している船がいるのでしょうか?」
「その可能性はゼロではないけれど、オメガユニットの警戒網に掛かっていないということは、その可能性は低いわね」
「ステファさんを連れてこなくてよかったのですか?」
「ステファさんは、この星の人ではないですからね。巻き込むのもどうかと……。まあ、相手と揉めることになったら仲裁してもらいましょう。それに、相手は一人のようですし」
リリスと話をしている間に神殿に到着しました。
私とアリアは神殿に踏み込みます。
バタン!
「ララサ、無事? 侵入者はどこ!」
「お姉さま。侵入者は、そちらのスピカ神聖教の乙女巫だそうです」
「スピカ?」
女神スピカが転送で来たのですか。人騒がせな。いえ、これは好都合です。
「敵対する気はありません。昔の知人を訪ねて来ただけです。穏便にお願いします」
「わかりました。話を聞きましょう。一緒に来てください」
私は、スピカを引き立てて、シャトルポッドに押し込みます。
「アリア、発進して衛星軌道の上に出て」
「お嬢様、それですとオメガユニットの防空圏を超えてしまいます」
「わかっているわ。大丈夫だから、言う通りにして」
「畏まりました」
アリアが操縦してシャトルポッドを発進させます。
「あの、私はどこに連れて行かれるのでしょう」
スピカが心配そうに尋ねてきます。
「転送が使える所まで連れて行くのよ」
「え?」
「あなたが許可なく転送で現れたから、オメガユニットが警戒モードに入ったわ」
「オメガユニットって、最終兵器の」
「そのせいで転送が使えないでしょ」
「帰ろうと思ったら転送できなかったけれど、転送が妨害されていたのね」
「だから、転送で突然現れるには止めて。と、毎回言ってるでしょ」
「すみません。お手数かけます。って、あれ?」
「まだ気が付かないの?」
「え? あーーあ!」
スピカがビックリして人を指さす。
「皇王セイヤ様の婚約者のリリスメリヤよ。リリスと呼んでね」
「婚約者なの?」
「今、オメガユニットの防空圏外に出るから、そうしたら私を連れて転移して」
「シリ……、リリスを連れて行くの?」
「スピカの船でセイヤ様を追いかけるのよ」
「お嬢様、何を言っているのです?」
「聞いての通りよ。私はスピカの船でセイヤ様の後を追うわ。私たちが転移したら、アリアはセレストに戻ってちょうだい」
「お嬢様を一人で行かせるわけにはいきません。私も一緒に行きます!」
「ごめんなさい。アリアを転送するのは無理なの。今回は諦めてちょうだい」
「そんな……」
「そろそろ転送が使えそうよ」
「それじゃあお願い」
「転送」
「お嬢様!」
アリアを残して私とスピカは、スピカの船に転移したのだった。
「ようこそ我が船『ユートピア号』に」
「無事に転送できたのね。しかし、よくもこんな長距離を転送できたものね? セレストまで四日の距離よ」
「以前に一度転送してますからね。ポイントが打ってあるのよ」
いつの間にそんな物、打ったのでしょうか。
でも、お陰で、カイトさんを待つより一週間以上時間を短縮できるわ。
「無理を言って悪いけど、早速、帝国に向かってくれるかしら」
「それは構わないけど、何があったの?」
「セイヤ様はドラゴンを探しに帝国に行ってしまったのよ。もう、こんなことなら、今まで通りに引き篭っていてもらった方がよかったわ」
「なんでまた、ドラゴンなんか?」
「私のお父様が、結婚を許可する条件に、ドラゴンの角を取ってこいと言い出したのよ」
「そういえば、婚約者だといっていませんでしたか? なんで今回は、聖女じゃないんです」
「今回は、神の左目の転生体がなぜか男だったのよ。それなら、聖女より妻の方がそばにいられるでしょ。生まれてすぐにそれに気づいたから、妹と立場を入れ替えたのよ」
本当は私が教会に預けられて聖女になるはずでした。
ですが、今代の神の左目の転生体が男だと知った私は、魔法でララサと、区別のためにつけられた印を入れ替えたのです。
本当なら私が妹のララサで、ララサが姉のリリスだったのです。
「あの聖女とは、姉妹だったのですか。彼女は、とばっちりを食って聖女にさせられてしまったのですね」
ララサには申し訳ないことをしたと思いますが、またとない機会なのです。
私も一度でいいから男の人と結婚してみたかったのです。
今までずっと、聖女として神の左目のそばに仕えて、男の人と全く付き合うこともできなかったのですから。一度くらいいいですよね。
「なんです。罪悪感があるんですか?」
「少しね……」
なので、ララサが私に呪いを掛けた時も、甘んじてそれを受け入れたのです。お陰で「ブタ公女」と呼ばれることになってしまいましたが、セイヤ様に嫌われなければ、そんなことはどうでもよかったのです。
「女神なのに、聖女でないのはまずくありませんか?」
「それは大丈夫よ。最初の時はメイドだったし」
「そうなのですか?」
「そんなことより、早く出発して。こうしている間にセイヤ様に何かあったら大変よ」
「はいはい。わかりました」
私とスピカは転送室を出ると、足早に、ブリッジに向かうのでした。
0
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
世界最弱と呼ばれた少年、気づけば伝説級勇者でした ~追放されたので気ままに旅してたら、全種族の姫たちに囲まれていました~
fuwamofu
ファンタジー
魔力量ゼロの落ちこぼれとして勇者パーティを追放された少年リアン。
絶望の果てに始めた自由な旅の中で、偶然助けた少女たちが次々と彼に惹かれていく。
だが誰も知らない。彼こそが古代勇者の血を継ぎ、世界を滅ぼす運命の「真なる勇者」だということを──。
無自覚最強の少年が、世界を変える奇跡を紡ぐ異世界ファンタジー!
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる