異世界に連れてこられた俺はチートな奴隷=玩具にされるようです。

孤子

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いらんことはしないほうがいい!

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昨日までは散々だった。

まさか見渡す限りある草原の半分を耕せと言われた矢先に、それが終わると今度は家を建てろと言ったのだから。

あの鬼畜魔王様はその間どこから出したのかわからないたかそうなソファーとテーブルを出して優雅にお茶したり、雲行きが怪しくなってきたら魔法で綺麗な土製小屋を作って雨宿りしたり、眠くなったらその小屋の中にこれまたどこから出したのかわからないフッカフカなベッドに潜り込んで就寝していた。

しかもそれを文字通り無休で働いている俺の目の前でわざわざやるのだからタチが悪い。

いや、ほんとまじで首絞めて○してやろうかと思ったくらいだ。こんな激しい感情を抱いたのは生まれて初めてかもしれない。

だから一度だけでもあの魔王様をひどい目に合わせてやろうと思ってある特殊能力を使った。それは「立場逆転」というものだ。

この能力を自分の地位と魔王の地位を入れ替えるものだろうと勘違いした俺は早速魔王様が熟睡している時を狙って使用してみた。

これで俺がリリアナ様の主人だ!やったぜ!さあ何を命令してやろうかなグヘヘへへ!

そう思って使用したのだが、まさか文字通り「立場」が「逆転」する能力だとは思わなかった。

俺は能力を使用した瞬間にとてつもないめまいを起こし、一度瞬きするうちになぜかふかふかのベッドの上で斧を振るっていたのである。

そして理解が及ぶまでに何度か斧を叩きつけてしまったベッドは見るも無残な状態となり、体は木を求めて小屋の中から出て行く。俺の意思とは反して。

小屋から出ると、俺が木を切り倒していた場所にリリアナ様が立っているのが見えた。

そして少しずつ歩いてリリアナ様に近づくたびに断頭台に向かう死刑囚のような気持ちが膨れ上がっていった。

見ればリリアナ様の右半身が泥と木屑と草まみれになっていて、その顔は般若が激怒しているような壮絶な表情に歪められている。

右手には俺と契約するために使用したノコギリ刃のある短剣のような綺麗なものではなく、もっと邪悪そうな明らかに不要な大きな棘が無数についたドリルのような槍を持っている。

終わった!俺はついに天に召されるのですね!

「小僧・・・貴様死ねない体であることを忘れているようだな。」

リリアナ様から発せられているとは思えないドスのきいた底冷えのする声を聞き、逃避していた現実を突きつけられる。

そう。俺は死ねない。死ぬことが許されない。つまりこれから何をされようとも殺されることはないのだ。ただし精神はズタズタにされそうだけど。

「命令だ。そこを動くな!抵抗するな!正気を保て!気絶するな!苦しみを噛み締めろーーー!!!」

最後の命令を出すのと俺に禍々しいドリルを突き出すのとはほぼ同時だった。絶叫とともに繰り出された会心の一撃は見事に俺の胸部を貫き、さらにどういう原理か本当にドリルのように休息回転を始めて俺の体を・・・・。

あまりのグロテスクさにこれ以上は説明を憚られることになったが、自主規制とは偉大とだけ言っておく。

一晩中拷問という言葉でさえ夏場のプールほども生温い責め苦を受け、それでも命令通り正気を保ち続けていた俺はむしろレベルが上がり、能力が増えたりして強くなっていた。

死なないというこの体は通常の生物では経験できないことも経験として蓄積することができるらしく、死ぬことで得られる称号とか能力を手に入れることができた。

死んでないのになぜ取れるのかは推測になってしまうが、おそらく通常なら死ぬほどのダメージ絶え間なく受けていることで一種のバグのような状況が生まれ、本来得られないものを得たのではないかと思う。この世界はゲームのようなシステムになっているというくらいだからあり得る話だ。

というかこんなに冷静にものを考えられる時点でもう俺は人間をやめているに等しいのかもしれない。実際不死だから人間でもないし。

そんな人間じゃなかったらなんなんだよと思う俺はといえば、今は絶賛家作りに奮闘している。

そもそも俺には建築の知識がほぼ皆無な上に大工仕事なんてそれこそ縁がなかったために、なんども建ててみては上手くいかずにすぐ崩壊し、また建て直すということを繰り返していたためだ。

あの鬼畜な責めから早1週間ぶっ通しで作業しているがなかなか上手くいかない。

ステータスはぐんぐん伸びているが、これはそういう問題ではないので意味はなく、これだけやっているのに称号が取れないのはおそらく無駄なことが多すぎてちゃんとした経験になっていないからだと思われる。これじゃあただただ体をいじめ続けているだけだ。

「ふむ。やはり経験者が居ないと話にならないようね。」

「それがわかってるんならなんで1週間も一人でやらせたんだよ。」

「理由がわからないの?」

「その節は本当に申し訳ありませんでした!」

もう絶対不用意に能力なんて使わねー!

そう心に決める今日この頃だった。

「じゃあそろそろ経験を積んでもらおうかしらね。」
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