騎士団長の秘密の部屋に匿われています!?

krm

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║23║甘やかされすぎて、溶けちゃいそう *

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グレンが動くたび、僕の中に熱がゆっくりと広がっていく。
最初は苦しさと戸惑いでいっぱいだったその感覚が、次第にじんわりと甘く、胸の奥までとろけていくような心地良さへと変わっていった。
「ん……っ、あ……っ、くるしいけど、……へんなかんじ、して……」
「痛みは……もうありませんか?」
「ちょっと……だけ、でも……大丈夫。グレンが、そばにいてくれるから……」
僕の言葉に、グレンはほんの一瞬だけ動きを止めて、そっと額に唇を触れさせた。
「……本当に、殿下は強いですね」
「つよくなんて、ないよ……っ。グレンを、信じてるだけ……」
その体温と呼吸がすぐそばにあって、ただそれだけで心が落ち着いていく。再び彼が動くと、奥の方まで押し広げられる感覚に、息が詰まりそうになった。
「んっ……あ、や……っ、そこ……」
「ここですか……?……苦しくは、ありませんか」
「っ……うん、でも……くるしいだけじゃ、ない、かも……」
恥ずかしくてたまらないけれど、言葉にならない感覚が、胸の奥を締めつけてくる。魔力とは違う何か――もっと深くて、あたたかい光みたいなものが、溢れ出しそうだった。
グレンの動きはゆっくりで、確かめるように優しい。少しずつ馴染んでいくたび、体の奥に彼がいることを実感する。頬に触れた指先がやさしく動いて、そっと撫でられた。
「苦しくなったら、すぐ止めます。……それだけは、忘れないでください」
「うん……でも、やだよ……途中でやめられたら、もっと、変になっちゃう……っ」
言ってから顔が熱くなったけれど、もう止められなかった。今の僕は、グレンのことでいっぱいで、他のことなんて何も考えられなかったから。
「あ……っ、グレン……グレン……」
自分の口から彼の名前がこぼれていくたび、奥の方がまた甘く疼いた。彼が僕の中を満たし、動くたびに、心まで深く重なっていく気がする。
「……ずっと、こうしたかった。殿下のすべてを、感じたかった……」
「も……やだ……グレン、そんなこと……っ」
顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
でも、僕も同じだった。ずっと、グレンを感じていたい。心も体も、全部。
彼の体が僕に合わせるように動き、やがて、奥の一番深いところまで届いた瞬間――
「あっ……!そ、こっ……ダメっ……っ!」
自分の声が跳ねるのが、恥ずかしくてたまらない。けれど、体は正直に震えていて、もう何も隠せなかった。
「大丈夫ですよ……もっと、気持ちよくなっていただけるよう、頑張りますから……」
「や……やさしすぎて、ずるい……っ」
彼の言葉も、動きも、すべてがあたたかくて、僕の奥深くまで届いてきて。もう、心まで彼に溶かされてしまいそうだった。
「グレン……もう……っ、なにか、きちゃう、かも……っ」
「ええ……私も、です。殿下の奥が、……あたたかくて、離れたくない……っ」
彼の腕が、僕の背をぎゅっと抱きしめた。
そのまま、ゆっくりと唇が重なり合う。
最初は震えるほど優しいキスだった。けれど、次第に熱が深くなっていって、舌先まで絡めながら、お互いの息を奪い合うほど激しいものへと変わっていく。
「っ……ん、ぅ……グレン、グレン……」
「大丈夫……私が、受け止めます。殿下の、全部を……っ」
口づけを交わしながら、彼の動きが強く、深く、僕の中を貫いた。
その瞬間――
視界が一瞬、白く染まった。
僕の中から、溜まりに溜まった魔力が一気に放出されていく。熱く、まばゆい光となって、ふたりの体を包み込んだ。
「……あっ、ぁ……っ、ぅうっ……!」
「っ……殿下……!」
一体どこまでが魔力で、どこまでが自分の感情なのか、もうわからない。
ただ確かに、彼の熱が自分の奥で脈打ち、同じ鼓動の中で震えていた。それがあまりにも優しくて、胸の奥がきゅうっと締めつけられる。
身体の芯から何かが流れ出していくような感覚とともに、魔力のざわめきがすうっと静まっていった。
それでも、魔力が鎮まってもなお、体の熱は消えない。
「……っ、はぁ、グレン……まだ……なんか……どきどきして、止まらない……」
「私もです……魔力は鎮まりましたが、気持ちは……ずっと、こうしていたい」
息も整わないまま、唇を重ねる。先ほどまでとは違い、ゆっくりと、何度も、確かめ合うようなキス。それがまた、体の奥にじわじわと熱を灯していく。
「もう、大丈夫なんだよね……?でも……なんか、まだ、変な感じで……」
「……ええ。もう焦る必要はありません。ですから、ここからはゆっくり……たくさん、触れ合いましょう」
グレンの指が、僕の頬に触れて、優しく撫でる。その仕草だけで、また胸がきゅっとなる。
「殿下のこんな顔、私しか知らないと思うと……もう、何度でも見たくなってしまいます」
「っ……グレン、またそういうこと言って……反則だよ……」
魔力は落ち着いたけれど、気持ちはまだ深く、甘く繋がったまま。グレンが僕の髪にキスを落とし、首筋を撫で、まるで宝物を扱うように肌に触れてくる。
「あっ……だめ……そんなとこ、触られたら……」
「……可愛いです。こんなに恥ずかしがって、でも、ちゃんと応えてくださる……」
「もう……グレンの意地悪……」
唇を噛んで抗議しても、すぐにグレンの口づけに溶かされてしまう。
甘くて、切なくて、でも心地いい。こんな気持ち、初めてで――ずっと、終わらなければいいのにと、心の底から思った。
「殿下、これからも……何度も、愛してもいいですか?」
「……うん。僕も……グレンに何度でも、愛されたい……」
その言葉に、グレンは穏やかに目を細め、僕の唇にもう一度、深くキスを落とす。
やわらかな月明かりの下、僕たちは何度も口づけを重ねながら、互いの鼓動を感じ合った。
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