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04 コンビニご飯
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帰宅途中でコンビニに寄り、晩御飯を買うことにする。アルクは興味深そうに店内を見回していた。
「すごいな……色々な食べ物があるのか」
「ああ、これなんか美味しいぞ」
俺はおにぎりを手に取り、彼に見せる。
「これは何が入っているんだい?」
「鮭とかおかかとか、色々あるよ」
「へぇ、種類も色々あるのか」
アルクは物珍しげに眺めている。まるで子供のように目を輝かせていた。
「好きなものを選んでいいぞ」
「ありがとう、でもよく分からないから君に任せるよ」
「オッケー」
適当に見繕ってレジへと向かう。アルクの姿はまだ他の人には見えてないので、店員に変に思われないか心配だったが、特に気にされなかったようだ。
買い物を終えて外に出ると、外はもう真っ暗になっていた。
「それにしても、この世界の治安は凄く良いんだな。魔獣も出ないし」
アルクが辺りを見ながら呟く。
「まあ、魔獣はいないけど、犯罪は起こるからな。パトロールは欠かせないよ」
「そうか……でも、君がいるなら安心だな」
「そ、そう言って貰えると嬉しいけどさ」
照れくさくなり、俺は頭を掻いた。こんなことをさらっと言えるなんて、やっぱりイケメンは違うよな……。
「でも、俺一人だけの力では何もできないからな。皆の協力があってこそだよ」
俺がそう言うと、アルクは微笑む。
「君は立派な警察官なんだな」
「そうかな……ありがとう」
ますます照れくさくなりながらも、笑顔で応えたのだった。
「さあ、着いたぞ」
「ここが君の家なのか……随分と大きいな」
「ん?ああ、これ全部が俺の家じゃないぞ。アパートだからな」
アルクはこの建物全体が家だと思ったのだろう。きっと異世界の家は大きいんだろうな……。
「アパート?」
「まあ、簡単に言えば集合住宅だよ。この中の一部屋が俺の住んでるところだ」
「なるほど、ここにたくさん人が住んでいるんだね」
アルクは驚いた様子でキョロキョロと見回している。こちらの世界のことはまだ知らないことだらけのようだ。
「俺の部屋はここを上ったところだよ」
階段を上り、二階にある俺の部屋の鍵を開ける。
「さあ、どうぞ」
「お邪魔します」
アルクは楽しげにしているが、俺はちょっと緊張していた。
一人暮らしを始めてもうすぐ一年になるが、家に人を招くのは初めてなのだ。一応毎日掃除はしているが、大丈夫だろうか……。
「わぁ、これがこの世界の家か」
部屋に入ると、アルクは興奮気味に声を上げた。
「もう姿を現しても平気か?」
「うん、もう二人きりだからね」
俺がそう言うと、アルクはゆっくりと姿を現す。はっきりとその姿が見えるようになると、その美貌にいっそう磨きがかかった。本当に格好良いな……。
「ん?どうかしたかい?」
「いや、なんでもないよ……」
不思議そうに顔を覗き込まれ、思わずドキッとしてしまう。
「ふぅ……ずっと魔法で姿を消さないといけないのは疲れるな」
「悪いな、不便な思いをさせて」
「いや、構わないよ。これも僕の仕事の内だからね」
アルクは爽やかな笑顔で言う。その表情から疲れは感じないが、ずっと魔力を使うのはきっと大変なのではないだろうか。
「家にいる間はゆっくり過ごしてくれ。何か飲むか?コーヒーか紅茶か……あ、おにぎりを買ったから緑茶がいいかな」
「ああ、ぜひこの世界のお茶を飲んでみたいな」
「了解」
せっかくなら美味しいお茶を飲んでもらいたいところだが、家にはあいにくペットボトルのお茶しかなかった。
まあ、最近のペットボトルのお茶は美味しいからいいだろう。
コップを二つ用意して、テーブルに運ぶ。
コンビニで買ったおにぎりやお惣菜も並べて、二人で夕飯を食べることにした。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます」
アルクの姿がはっきりと見えるようになったことで、手錠もはっきりと見えるようになっている。
相変わらず頑丈そうで、とても外せそうにない。
手錠で繋がれたままご飯を食べることに最初は抵抗があったが、繋がっている部分は自然に伸縮するので、だんだんと気にならなくなってきた。
「おにぎりという食べ物は美味しいな」
アルクは初めて食べたおにぎりに感動した様子で、次々と口に入れていく。
「口に合ったようで良かったよ」
「この肉料理も素晴らしいな。味がしっかり染みていて最高だ」
アルクは唐揚げを嬉しそうに食べていた。余程気に入ったのだろう。
「この世界は本当に豊かなんだな」
「そうかもな。アルクの世界ではどんなものを食べてるんだ?」
「そうだな……狩りをして獲ってきた動物をそのまま焼いて食べたり、あとはパンとかスープが多いな」
やはり異世界は文化が違うようだ。
「へぇ、こっちとは全然違うんだな」
「そうだな、食事を楽しむ余裕はなかったよ」
アルクは寂しげな顔になる。きっと苦労していたんだろう。
「じゃあ、この世界にいる間は美味しいものいっぱい食べよう」
「本当かい?それは嬉しいな」
アルクは屈託のない笑みを浮かべる。美形だけど、笑うと可愛いんだよな……。
そんなことを考えながら、俺もおにぎりを口に運んだ。
「すごいな……色々な食べ物があるのか」
「ああ、これなんか美味しいぞ」
俺はおにぎりを手に取り、彼に見せる。
「これは何が入っているんだい?」
「鮭とかおかかとか、色々あるよ」
「へぇ、種類も色々あるのか」
アルクは物珍しげに眺めている。まるで子供のように目を輝かせていた。
「好きなものを選んでいいぞ」
「ありがとう、でもよく分からないから君に任せるよ」
「オッケー」
適当に見繕ってレジへと向かう。アルクの姿はまだ他の人には見えてないので、店員に変に思われないか心配だったが、特に気にされなかったようだ。
買い物を終えて外に出ると、外はもう真っ暗になっていた。
「それにしても、この世界の治安は凄く良いんだな。魔獣も出ないし」
アルクが辺りを見ながら呟く。
「まあ、魔獣はいないけど、犯罪は起こるからな。パトロールは欠かせないよ」
「そうか……でも、君がいるなら安心だな」
「そ、そう言って貰えると嬉しいけどさ」
照れくさくなり、俺は頭を掻いた。こんなことをさらっと言えるなんて、やっぱりイケメンは違うよな……。
「でも、俺一人だけの力では何もできないからな。皆の協力があってこそだよ」
俺がそう言うと、アルクは微笑む。
「君は立派な警察官なんだな」
「そうかな……ありがとう」
ますます照れくさくなりながらも、笑顔で応えたのだった。
「さあ、着いたぞ」
「ここが君の家なのか……随分と大きいな」
「ん?ああ、これ全部が俺の家じゃないぞ。アパートだからな」
アルクはこの建物全体が家だと思ったのだろう。きっと異世界の家は大きいんだろうな……。
「アパート?」
「まあ、簡単に言えば集合住宅だよ。この中の一部屋が俺の住んでるところだ」
「なるほど、ここにたくさん人が住んでいるんだね」
アルクは驚いた様子でキョロキョロと見回している。こちらの世界のことはまだ知らないことだらけのようだ。
「俺の部屋はここを上ったところだよ」
階段を上り、二階にある俺の部屋の鍵を開ける。
「さあ、どうぞ」
「お邪魔します」
アルクは楽しげにしているが、俺はちょっと緊張していた。
一人暮らしを始めてもうすぐ一年になるが、家に人を招くのは初めてなのだ。一応毎日掃除はしているが、大丈夫だろうか……。
「わぁ、これがこの世界の家か」
部屋に入ると、アルクは興奮気味に声を上げた。
「もう姿を現しても平気か?」
「うん、もう二人きりだからね」
俺がそう言うと、アルクはゆっくりと姿を現す。はっきりとその姿が見えるようになると、その美貌にいっそう磨きがかかった。本当に格好良いな……。
「ん?どうかしたかい?」
「いや、なんでもないよ……」
不思議そうに顔を覗き込まれ、思わずドキッとしてしまう。
「ふぅ……ずっと魔法で姿を消さないといけないのは疲れるな」
「悪いな、不便な思いをさせて」
「いや、構わないよ。これも僕の仕事の内だからね」
アルクは爽やかな笑顔で言う。その表情から疲れは感じないが、ずっと魔力を使うのはきっと大変なのではないだろうか。
「家にいる間はゆっくり過ごしてくれ。何か飲むか?コーヒーか紅茶か……あ、おにぎりを買ったから緑茶がいいかな」
「ああ、ぜひこの世界のお茶を飲んでみたいな」
「了解」
せっかくなら美味しいお茶を飲んでもらいたいところだが、家にはあいにくペットボトルのお茶しかなかった。
まあ、最近のペットボトルのお茶は美味しいからいいだろう。
コップを二つ用意して、テーブルに運ぶ。
コンビニで買ったおにぎりやお惣菜も並べて、二人で夕飯を食べることにした。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます」
アルクの姿がはっきりと見えるようになったことで、手錠もはっきりと見えるようになっている。
相変わらず頑丈そうで、とても外せそうにない。
手錠で繋がれたままご飯を食べることに最初は抵抗があったが、繋がっている部分は自然に伸縮するので、だんだんと気にならなくなってきた。
「おにぎりという食べ物は美味しいな」
アルクは初めて食べたおにぎりに感動した様子で、次々と口に入れていく。
「口に合ったようで良かったよ」
「この肉料理も素晴らしいな。味がしっかり染みていて最高だ」
アルクは唐揚げを嬉しそうに食べていた。余程気に入ったのだろう。
「この世界は本当に豊かなんだな」
「そうかもな。アルクの世界ではどんなものを食べてるんだ?」
「そうだな……狩りをして獲ってきた動物をそのまま焼いて食べたり、あとはパンとかスープが多いな」
やはり異世界は文化が違うようだ。
「へぇ、こっちとは全然違うんだな」
「そうだな、食事を楽しむ余裕はなかったよ」
アルクは寂しげな顔になる。きっと苦労していたんだろう。
「じゃあ、この世界にいる間は美味しいものいっぱい食べよう」
「本当かい?それは嬉しいな」
アルクは屈託のない笑みを浮かべる。美形だけど、笑うと可愛いんだよな……。
そんなことを考えながら、俺もおにぎりを口に運んだ。
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