異世界の勇者に逮捕されました!?

krm

文字の大きさ
13 / 24

13 世界の真実

しおりを挟む
「さて、僕達の関係は認めてもらえたから、改めて、真尋がどうして魔力を持っているのか聞いてみよう」
「そうだな。それが一番知りたいことだからな」
なぜ、俺に魔力が備わったのか。それを知れば、解決法も見つかるかもしれないのだ。
「神よ、真尋の魔力について教えてくれませんか?」
アルクがそう問いかけると、またどこからともなく声が返ってくる。
『真尋がこの世界に来てくれたおかげで、私は真実を知ることができました』
「真実……?」
アルクと顔を見合わせ、二人揃って首を傾げた。
「それは……どういう意味ですか?」
アルクが尋ねると、再び返事が聞こえる。
『この世界と真尋のいる世界は、互いの均衡を保つ関係にあったのです』
「それは……二つの世界が対になっているということでしょうか?」
『ええ、その通りです。この世界に悪が蔓延ると、向こうの世界では良いことが起こります。逆に、こちらの世界で善行を積むと、向こうの世界には悪いことが起こるでしょう』
俺はアルクと神とのやりとりを聞きながら、頭の中で整理してみた。
つまり、この世界で魔獣が狂暴化しているということは、俺のいる世界が平和だからということなのだろう。
「ということは……両方の世界が平和になることは無いということなんですか?」
『ええ、今まではそうでした。しかし、あなた方二人は心から世界の平和を願っていた。そのため、この世界と真尋の世界を繋ぐ道が現れたのです』
「そうだったんですね……」
アルクが納得したように呟く。俺も、ようやく理解することができた。しかし、それでは俺に魔力が宿るようになった理由が分からない。
「あの、神様。俺が魔力を得た理由については……」
俺は、一番知りたかったことを質問してみた。
『こちらの世界で起きている魔獣の狂暴化を鎮めるためには、真尋のいる世界で悪しき力を使う必要があります。そのため、真尋に闇の魔力、淫魔の力が宿ったのでしょう』
「そういうことだったのか……」
ということは、淫魔の力を使っていればこの世界が平和になるということで……いや、ちょっと待て。それって、まさか……。
『毎日しっかりと魔力を発散させれば、いずれ両世界に平和が訪れるはずです。これからも二人で協力していってください』
「発散とは……具体的に何をすればいいのですか?」
アルクの問い掛けに対して、神はしばらく沈黙した後、こう答えた。
『性交を行い、精液を体内に放出してください。それが、もっとも効率的な方法なのです』
「せっ……」
神の言葉に二人揃って絶句してしまう。性交だって!?
「せ、せいえきを……体内にって……」
「そ、そんな……」
アルクの顔は真っ赤に染まっていた。俺もきっと同じだろう。顔が熱くて仕方がない。
「そ、それしか方法はないんですか!?」
俺の叫びに、神ははっきりと答える。
『ありません。それに、もし行為を行わなければ、真尋の身体にも害が出てしまいます』
「うっ……」
確かに、アルクの身体に触れた時のあの性欲は、我慢できるようなものではない。いつかは一線を越えてしまうのではないかと、薄々思っていた。
この世界を救うためにも、もう覚悟を決めるしかない。
隣を見ると、アルクが真剣な表情をしていた。おそらく、俺と同じことを考えているのだと思う。
「分かりました。俺、頑張ります!」
俺が宣言すると、アルクは一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐ真剣な表情に戻り、力強くうなずいた。
「ああ、僕も勇者として世界を守るため……そして、君を守るために頑張るよ!」
アルクの手を取り、握手を交わす。
こうして、俺たちの世界を救う戦いが始まった。
世界を守るため、俺たちは毎晩……いや、時間がある時は一日中性交に励むことになったのだ。
まさかそんな方法で世界を守ることになるとは……。思い描いていた理想のヒーローから遠ざかっているような気がしなくもないが、これ以上は考えないことにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜

たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話 騎士団長とのじれったい不器用BL

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話

ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。 戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。 「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」 これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。 ヴァルター×カナト ※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

処理中です...