5 / 7
兄ちゃん、お元気ですか。俺はピンチです。
夢と希望を持ってもいいじゃない3
しおりを挟む
心の中で兄に呼び掛けてみたり、すぐに兄のいったことを思い出したりするが、ヒューの前でブラコンを出していただろうか。
記憶にないほどナチュラルにブラコンをさらけ出していたとなると、さすがの俺も焦りで声が震える。
「兄ちゃ……兄貴のこと、俺、いった?」
「聞いた」
噂に聞く口に出していないつもりが口に出していたという奴だろうか。
俺は恥ずかしさのあまり足が速くなった。
「わ……忘れては?」
急に早歩きし始めた俺に合わせるわけでもなく、ゆったり歩いているヒューをちらりと確認する。ヒューは目を細め、俺を品定めするように見ていた。
「難しい」
どんなにいい奴でも、忘れがたい奇行というものがあるのだろう。
「そっかー……そっか、まぁ……俺、兄ちゃんのこと好きだしね、うん……まごうことなきブラコンだからね……しかたないよね。そう、ブラコン、ブラコンだから……でも、変にひとりごといってるときは教えてね」
俺は『はは、はは……』と小さく笑い、ダンジョン内に珍しいものはないか探す。そうでもしないと恥ずかしさでダンジョンの奥まで一気に走って行きたいからである。ブラコンとて無意識に兄ちゃん兄ちゃんと連呼していたと気が付けば恥ずかしくなるものなのだ。
「そんなおかしなことはいってなかったが」
「んーまぁ……そう、それなら、うん、マシかなー……」
ヒューの認識がふわっとしているのか、それとも恥ずかしそうな俺に対する慰めか。
やはり俺はその場でジタバタして走り出したい気分になった。
もう一度、辺りを見渡しても珍しいものなど見当たらないし、自分自身をどう誤魔化せばいいかもわからない。
「ところで、このままいくと普通に順路を行くことになるが」
「順路……ダンジョン、他、道、ある?」
珍しいものが見当たらないし、特に脇道もなかった。順路云々という前に一本道である。迷いようもなく行く場所も一つしかない。順も不順もないように見えた。
俺は立ち止まり、ヒューに振り向く。
「あるが」
しかしヒューは何の気なしに木々が立ち並ぶ道なき道を指さし、あるという。
動く大木に出会ってからそれほどたっていないが、相変わらず辺りはただの森で俺たちの行く先には木々しかない。ダンジョン攻略に張り切っているだろう生徒すらいなかった。大木が特別だったとしか思えない。
「俺、見えない」
率直に羨望と悲哀を込めて呟く。
俺には見えないものがヒューに見えるだなんてただの心霊現象としか思えない。しかしながら、ここは魔法界で魔法使いには鋭い感覚の持ち主もいれば、そういった不思議を見るための魔法もある。俺にはどちらも適正はないので、やはり心霊現象のようにしか思えなかった。
「見えはしない。俺も今はわかるってだけだ……それにしても、どうして片言なんだ」
ヒューは俺の羨ましさに、他の成分が混ざっていることに気が付いてしまったらしい。一緒に洗ったはずの靴下が片方しか見つからない人のような顔をした。
「羞恥心」
「恥ずかしくって上手におしゃべりできねぇわけか。そういうのは求めてねぇな」
「俺だって求めてないんですけどー」
そういうのは好きな人とあって、もどかしい思いをしたいものである。残念ながら俺には好きな人どころか気になる人もいないので、縁遠い話だ。
片言をやめて酸っぱいものを食べたような気分を味わっていると、ヒューが音に出さず笑い、木々の間を指した。
「おしゃべりじゃねぇから、魔法はうまく使えるよな?」
いい人だと思っていたが、意外に意地が悪い。どこかの兄のようである。小粋でありながら意地悪な言動は兄が好んでしているけれど、明るくて素直な俺はいつまでたっても遊ばれてしまう。
「おしゃべりは上手にできるから、そういう甘酸っぱい感じはない感じで」
クールな男には、もうなれない。諦めて、口を尖らせ可愛げのある拗ね方をする。逆に憎らしく見えてしまう顔であるが、ヒューも今度は声を出し笑ってくれた。
「そうだな、運命はもっと違う奴と感じたい」
「お、運命論者らしいことば。理想の運命……は聞いたら面倒くさそうだなぁ」
「まぁな。大概、理想とは程遠いがな。色々」
魔法の世界も現代社会も、そこは似たようなものだ。理想というものは遠くて儚く、追い続けて掴み取るにしても並々ならぬ努力と運と徳とその他もろもろが必要になるものである。
「今はそれじゃなくて……魔法はさ、補助魔法というか……こう、開けゴマ的な魔法は得意じゃないんだ。ヒューはできる?」
「おう、今は補助魔法のほうが得意だ」
大木についていた石を壊した魔法は攻撃魔法で、一言で発動していた。驚きのあまり間抜けなことをいってしまったくらいすごいことなのに、ヒューはそれより補助魔法のほうが得意だという。こうなると一言も発さず、指を鳴らすだけで魔法を発動させてしまうのではないだろうか。
俺はヒューが一人でダンジョンに入ろうとした理由が、一緒に行ってくれる人がいないこと以外にもあるような気がしてきた。
「じゃあ、お願いします」
他の連中は足手まといだからとか、そういう怖い答えが返ってきたら嫌だ。だから、あえて突っ込まずに俺は手を合わせ頭を下げる。
「わかった。横道にそれる方向だな」
ヒューは特に嫌がる様子もなく、指を鳴らす。すると木々が道を作るように脇に避け消えていった。
「規格外かーい」
本当にヒューが指を鳴らすだけで、木々の一部が消えたことには驚きどころか感心が勝る。これでヒューの魔法的なスペックがチート級であることを確信した。今度から苦手分野はゴマをすっても頼っておこう。俺はそっと心の中で菩薩のような笑みを浮かべた。
「……さっきから、俺が魔法を使うたびになにかいってるが」
「他の人はいわないっていうなら、それは慣れってやつだと思うんだけど」
ヒューは困ったような顔をしているけれど、俺の常識を覆す魔法を使うから、俺の口が滑らかになっているだけだ。俺も慣れればそのうち『よっ! まってました!』といって手を叩くと思う。
「当たり前に思われているんだが」
「ヒューのレベルが当たり前なら、俺、やばくない?」
だが、ヒューの答えは意外なものだった。
すっかり横道ができてしまったダンジョンの中、俺は急に絶望する。ヒューのレベルが普通なら、俺は入学式をする前から劣等生だ。入学試験もギリギリ合格、ダンジョンもヒューがいたからなんとかなったとかいうレベルではないか。
これから魔法学校の授業についていけるのか、にわかに不安になってくる。
「そんなことはねぇよ。俺がこうであることが当たり前ってだけで、普通は……そう、ああいう感じの」
ヒューが指さす先には、女の子の二人連れがいた。一人は綿菓子みたいなふわふわとした水色の髪の子で、もう一人のビシッとした灰色ストレートのおかっぱの子だ。
水色の子は大剣を構え、灰色の子を狼五匹から守っていた。
「あー……灰色の子が魔法使いなんだねーあれが普通なら、俺も普通に……って、そうじゃなくない? 助けるところでしょ!」
俺は慌ててバングルに触れた。
記憶にないほどナチュラルにブラコンをさらけ出していたとなると、さすがの俺も焦りで声が震える。
「兄ちゃ……兄貴のこと、俺、いった?」
「聞いた」
噂に聞く口に出していないつもりが口に出していたという奴だろうか。
俺は恥ずかしさのあまり足が速くなった。
「わ……忘れては?」
急に早歩きし始めた俺に合わせるわけでもなく、ゆったり歩いているヒューをちらりと確認する。ヒューは目を細め、俺を品定めするように見ていた。
「難しい」
どんなにいい奴でも、忘れがたい奇行というものがあるのだろう。
「そっかー……そっか、まぁ……俺、兄ちゃんのこと好きだしね、うん……まごうことなきブラコンだからね……しかたないよね。そう、ブラコン、ブラコンだから……でも、変にひとりごといってるときは教えてね」
俺は『はは、はは……』と小さく笑い、ダンジョン内に珍しいものはないか探す。そうでもしないと恥ずかしさでダンジョンの奥まで一気に走って行きたいからである。ブラコンとて無意識に兄ちゃん兄ちゃんと連呼していたと気が付けば恥ずかしくなるものなのだ。
「そんなおかしなことはいってなかったが」
「んーまぁ……そう、それなら、うん、マシかなー……」
ヒューの認識がふわっとしているのか、それとも恥ずかしそうな俺に対する慰めか。
やはり俺はその場でジタバタして走り出したい気分になった。
もう一度、辺りを見渡しても珍しいものなど見当たらないし、自分自身をどう誤魔化せばいいかもわからない。
「ところで、このままいくと普通に順路を行くことになるが」
「順路……ダンジョン、他、道、ある?」
珍しいものが見当たらないし、特に脇道もなかった。順路云々という前に一本道である。迷いようもなく行く場所も一つしかない。順も不順もないように見えた。
俺は立ち止まり、ヒューに振り向く。
「あるが」
しかしヒューは何の気なしに木々が立ち並ぶ道なき道を指さし、あるという。
動く大木に出会ってからそれほどたっていないが、相変わらず辺りはただの森で俺たちの行く先には木々しかない。ダンジョン攻略に張り切っているだろう生徒すらいなかった。大木が特別だったとしか思えない。
「俺、見えない」
率直に羨望と悲哀を込めて呟く。
俺には見えないものがヒューに見えるだなんてただの心霊現象としか思えない。しかしながら、ここは魔法界で魔法使いには鋭い感覚の持ち主もいれば、そういった不思議を見るための魔法もある。俺にはどちらも適正はないので、やはり心霊現象のようにしか思えなかった。
「見えはしない。俺も今はわかるってだけだ……それにしても、どうして片言なんだ」
ヒューは俺の羨ましさに、他の成分が混ざっていることに気が付いてしまったらしい。一緒に洗ったはずの靴下が片方しか見つからない人のような顔をした。
「羞恥心」
「恥ずかしくって上手におしゃべりできねぇわけか。そういうのは求めてねぇな」
「俺だって求めてないんですけどー」
そういうのは好きな人とあって、もどかしい思いをしたいものである。残念ながら俺には好きな人どころか気になる人もいないので、縁遠い話だ。
片言をやめて酸っぱいものを食べたような気分を味わっていると、ヒューが音に出さず笑い、木々の間を指した。
「おしゃべりじゃねぇから、魔法はうまく使えるよな?」
いい人だと思っていたが、意外に意地が悪い。どこかの兄のようである。小粋でありながら意地悪な言動は兄が好んでしているけれど、明るくて素直な俺はいつまでたっても遊ばれてしまう。
「おしゃべりは上手にできるから、そういう甘酸っぱい感じはない感じで」
クールな男には、もうなれない。諦めて、口を尖らせ可愛げのある拗ね方をする。逆に憎らしく見えてしまう顔であるが、ヒューも今度は声を出し笑ってくれた。
「そうだな、運命はもっと違う奴と感じたい」
「お、運命論者らしいことば。理想の運命……は聞いたら面倒くさそうだなぁ」
「まぁな。大概、理想とは程遠いがな。色々」
魔法の世界も現代社会も、そこは似たようなものだ。理想というものは遠くて儚く、追い続けて掴み取るにしても並々ならぬ努力と運と徳とその他もろもろが必要になるものである。
「今はそれじゃなくて……魔法はさ、補助魔法というか……こう、開けゴマ的な魔法は得意じゃないんだ。ヒューはできる?」
「おう、今は補助魔法のほうが得意だ」
大木についていた石を壊した魔法は攻撃魔法で、一言で発動していた。驚きのあまり間抜けなことをいってしまったくらいすごいことなのに、ヒューはそれより補助魔法のほうが得意だという。こうなると一言も発さず、指を鳴らすだけで魔法を発動させてしまうのではないだろうか。
俺はヒューが一人でダンジョンに入ろうとした理由が、一緒に行ってくれる人がいないこと以外にもあるような気がしてきた。
「じゃあ、お願いします」
他の連中は足手まといだからとか、そういう怖い答えが返ってきたら嫌だ。だから、あえて突っ込まずに俺は手を合わせ頭を下げる。
「わかった。横道にそれる方向だな」
ヒューは特に嫌がる様子もなく、指を鳴らす。すると木々が道を作るように脇に避け消えていった。
「規格外かーい」
本当にヒューが指を鳴らすだけで、木々の一部が消えたことには驚きどころか感心が勝る。これでヒューの魔法的なスペックがチート級であることを確信した。今度から苦手分野はゴマをすっても頼っておこう。俺はそっと心の中で菩薩のような笑みを浮かべた。
「……さっきから、俺が魔法を使うたびになにかいってるが」
「他の人はいわないっていうなら、それは慣れってやつだと思うんだけど」
ヒューは困ったような顔をしているけれど、俺の常識を覆す魔法を使うから、俺の口が滑らかになっているだけだ。俺も慣れればそのうち『よっ! まってました!』といって手を叩くと思う。
「当たり前に思われているんだが」
「ヒューのレベルが当たり前なら、俺、やばくない?」
だが、ヒューの答えは意外なものだった。
すっかり横道ができてしまったダンジョンの中、俺は急に絶望する。ヒューのレベルが普通なら、俺は入学式をする前から劣等生だ。入学試験もギリギリ合格、ダンジョンもヒューがいたからなんとかなったとかいうレベルではないか。
これから魔法学校の授業についていけるのか、にわかに不安になってくる。
「そんなことはねぇよ。俺がこうであることが当たり前ってだけで、普通は……そう、ああいう感じの」
ヒューが指さす先には、女の子の二人連れがいた。一人は綿菓子みたいなふわふわとした水色の髪の子で、もう一人のビシッとした灰色ストレートのおかっぱの子だ。
水色の子は大剣を構え、灰色の子を狼五匹から守っていた。
「あー……灰色の子が魔法使いなんだねーあれが普通なら、俺も普通に……って、そうじゃなくない? 助けるところでしょ!」
俺は慌ててバングルに触れた。
0
あなたにおすすめの小説
レベル1の地図士は、世界の裏側を知ってしまった
あめとおと
ファンタジー
異世界に転移した主人公が得たスキルは【地図作成】。
戦闘能力ゼロ、初期レベル1。
冒険者ギルドでは「外れスキル」と笑われ、
新人向けの雑用クエストしか回ってこない。
しかしそのスキルは、
ダンジョンの隠し通路、未踏破エリア、消えた古代文明の痕跡まで“地図に表示する”
という、とんでもない能力だった。
生き残るために始めた地味な探索が、
やがて世界の秘密と、国家すら動かす大冒険へ――。
これは、
戦えない主人公が“冒険そのもの”で成り上がる物語。
同作品を「小説家になろう」で先行配信してます。
ベテラン精霊王、虐げられ皇子の子育てに励みます
はんね
ファンタジー
大陸で最も広大な領土と栄華を誇るアストラニア帝国。
その歴史は、初代皇帝ニコラスと精霊王バーティミアスが“疫病王ヴォラク”を討ち倒したことから始まった。ニコラスとバーティミアスは深い友情を結び、その魂を受け継ぐ皇子たちを永遠に見守り、守護する盟約を交わした。
バーティミアスは幾代もの皇帝を支え、帝国は長き繁栄を享受してきた。しかし、150年の眠りから目覚めた彼の前に現れた“次の皇帝候補”は、生まれたばかりの赤ん坊。しかもよりにもよって、十三番目の“虐げられ皇子”だった!
皮肉屋で老獪なベテラン精霊王と、世話焼きで過保護な月の精霊による、皇帝育成(?)奮闘記が、いま始まる——!
人物紹介
◼︎バーティミアス
疫病王ヴォラクを倒し初代皇帝ニコラスと建国初期からアストラニア帝国に使える精霊。牡鹿の角をもつ。初代皇帝ニコラスの魂を受け継ぐ皇子を守護する契約をしている。
◼︎ユミル
月の精霊。苦労人。バーティミアスとの勝負に負け、1000年間従属する契約を結びこき使われている。普段は使用人の姿に化けている。
◼︎アルテミス
アストラニア帝国の第13皇子。北方の辺境男爵家の娘と皇帝の息子。離宮に幽閉されている。
◼︎ウィリアム・グレイ
第3皇子直属の白鷲騎士団で問題をおこし左遷されてきた騎士。堅物で真面目な性格。代々騎士を輩出するグレイ家の次男。
◼︎アリス
平民出身の侍女。控えめで心優しいが、アルテミスのためなら大胆な行動に出る一面も持つ。
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる