この身体俺のでは無いようです!ー異世界転生ってここは何処!?ー

柚ノ木 碧/柚木 彗

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零の章

マクスウェル

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【名付けにより5レベルアップ】
【テイマーからビーストテイマーに上書きされます】
【香気取得】
【光魔法Lv1取得】
【呪札Lv1取得】
【幻術Lv1取得】
【精霊の加護取得】
【精霊の加護は隠蔽されています】
【弊害により弱体化されています】
【レベル5からステータスオープン出来ます。オープンしますか?yes/no】

 一気に【】の機械的な声が頭の中に流れ混乱する。
 昨日のあれから一度も聞こえて来なかったし、今も感情の籠って居ない声だ。
 もしかして上書きされて機械的な音声とかなのかな?

【否。システムとしての機能が働いているだけです】

 システム?

【システムとしての機能は感情的な発言は出来ません】

 それなら、感情的な発言多々なアレは何なんだ?

【隠蔽にある記憶の残骸です】

 残骸って随分…
 うーんでもなんか違うような気が?
 だから隠蔽なのかなあ?

【再度通告、ステータスオープンしますか?yes/no】

 あ、オープンします。
 yesで。

 level  5
 名前  白ハク(偽名) 
 本名  信田あき(隠蔽)/?
 年齢  14歳
 種族  人間/???
 HP   56(弱体化)
 MP   111111(弱体化)
 耐性  外部干渉不可 精神異常不可 
 職業  ビーストテイマー
 スキル 天啓 香気 光魔法Lv1
 特殊技能 呪札Lv1 幻術Lv1
 称号  ?
 隠蔽  記憶の残骸 本名 属性 成長速度UP ○○ ○○ ○○
 加護  精霊の加護(隠蔽)
 弊害  弱体化

 ん?んんん?
 HPはともかく、MPおかしくない?
 何だこの1の羅列。六桁ってどういうこと?一体何事?

「ハクちゃんどうしたの?」

 ディーネさんの声で我に帰る。
 しまった、まだ仕事の途中だった!

「えっと、そのっ」
「レベルでも上がった?」

 にっこりと微笑んでくるディーネさんにうんうんと、つい思い切り頷く。
 …MPの件は黙っておこう。
 話したら怪しまれそうだし、チート過ぎなような気がする。
 弱体化なんて書いてあるけど、MPだけは違うよな。
 ゲームで言うならバグか?
 後でアレフにでもこの世界での平均的な数値を聞いてみるか。

「テイマーは最初のテイムでレベルが上がりやすいのよ。」
「そうなんですか?」
「ええ、そうみたいよ?前厨房で働いていた子の一人にテイマーが居てね、色々教えてくれたわ」

 それにしても、と。ディーネさんは小首を傾げて、「ご主人、僕もレベルが上がりました!」と嬉しそうにしている"モチ"に話し掛ける。

「今まで話せていないのに、急に人の言葉を話す子ってのは初めてみたわ」

 ウサギってそうなのかしら?と不思議そうにしているディーネさんに、名前に関して突っ込みは無いんだなと思いつつ、そう言えばと思い出す。

「モチをテイムした時、ノーブルラビットってあったような」

 …【】が言ってたな、確か。
 そうだ【】って言いにくいな、よし、勝手に名付けるか。

「あら?ノーブルってレアよ、凄い子テイムしたのねハクちゃん!」
「レアなんですか?」
「滅多に無いわね、私は初めてみるわ」

 マジマジとディーネさんがモチを見るので俺も釣られて見ると、モチは鼻を空中に付きだし、スンスンとひくつかせている。
 何か変な臭い、もしくは食堂での喧嘩が昨夜より酷い惨劇へと発展でもしたのだろうか?
 我ながらちょっと酷い事を考えてると、

【まずいな】

 お?やっと出て来たな[マクスウェル]。

【…悪魔と言いたいのか、記憶無しなおまえにしては気が利いたネーミングだな】

 うっせ、記憶無しは余計だ。システムと区別するのにこの方がいいんだよ。
 それにラプラスよりはらしいだろ?

【ククッ確かにな】

 気のせいかもしれないが、マクスウェルと名付けたヤツが少しばかり機嫌が良くなった気がする。

【それにしてもマクスウェルとはな、いいえて妙だ】

 俺にしては的確だと思うぞ。

【確かに"お前"にしては的確かもな?】

 ………この、悪魔め。

【ははっ、まあそう言うな】

 いいけどさ、それより…

【"これ"が終わったらミサに会え】

 これ?
 これって何だ?と聞こうとしたら…
 急に背中がざわざわとざわめく。
 何?何なんだ?嫌な感じがするっ!

「母さん、何か変な感じがする!」

 厨房に血相を変えてアレフとその父、キアフが駆け付けてくる。
 足元に居るモチまで全身鳥肌がたっているように、毛並みが逆立っているっ!

「ご主人っ!!外です!空から沢山来ます!!」
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