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焔ノ章
貴方もです
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姿を隠蔽されていた天空島の周囲をミトラの風の高位精霊達が見回り、異常が無いかどうかを確認してくるという事でハク達もライトシールドから降り、地上へと移動する。
『周囲に落下した魔物の駆逐はどうやら無事終わった様じゃな』
ハクとモチの周りを上空に上がりつつ事の次第を見詰めているミトラはそう報告し、次いで自身の弟の方を見詰める。
轟音を発して未だに燃え盛る業火と化したモノは時折火花を飛ばし、周辺地域へと飛び火する。その度にファンダムの人々が「ぎゃー!」とか「消火、消火が先だ!」と右往左往して木で出来た桶やバケツ、もしくは動物の皮で出来た水筒を持って消火に繰り出している。先程等街の中央の民家に飛び火し、自警団の者達や待機していた魔法使い達が大慌てで消火活動を開始していた。
迷惑掛けまくってすまんのじゃと萎れるミトラ。
周囲はそれに関しては何とも言えずにいた。どう考えてもミトラの弟が街に襲撃しに来ている魔物と闘って居るわけだし、かといって被害は出るし。しかも相手は大精霊で悪気が無いのは解っているし、と言った具合である。
『未だ拮抗しとるのじゃな』
「あれは俺だと傍に寄れないなぁ」
ハクがそう答えるとモチも「熱いです」と答える。
熱もそうだが相手が大き過ぎる。
一体どうやって倒せと言うのか。
ハクもモチも解決策が分からない。
「(う~ん向こうの世界の戦車とかバズーカとか、もしくは大砲とかあればどうだろう?)」
とか思ったが、それでもこの火力に耐ええるのだろうから無理では無いだろうか?兎に角あのデカブツはミトラや他の者に任せよう。適材適所だ。
【…逃避ともいうがな。】
ハクの内部で呆れた様に聞こえた気がするがそれはそれ、聞こえなかった事にした。
『そうじゃの、アレは妾達精霊に任せるのが一番じゃ。だがあの天空の島も気になるのじゃ。また魔物が出て来ても困るのじゃ』
街の上空に浮いている島。
今はまだうんともすんとも言わず、敵が居るのかどうかも一見するだけだと分からない。それに先程ハクが火薬を放った時に一回目は出て来たが、二度目は扉が落ちて来ただけ。だとしたら踏み込めるだろうと言う事で、精霊達の見回りが済み次第何人かのチームを組んで偵察に行く事にした。
「あまり大人数で行くのも良くないだろうし、どうなるかな」
「ですね」
モチはピキュと一鳴きし、ちょこんとその場に座り込んでいる。
同じようにハクも地面に座り込んでおり、減った魔力を回復中である。
* * *
「あー!やっと見つけた~っ」
カリナタがタッタッと軽快な音を鳴らせながら走り寄り、座り込んでいるハク達の傍に寄って来て同じように座り込む。手には幾つか動物の皮で出来た水筒を持っており、その水筒をハクとモチに「どうぞ」と手渡してくれた。
「お疲れ様ですカリナタさん」
モチがぴきゅーと鳴いて労うと、カリナタはふふふ~と笑ってから「何もしてないけどね」と苦笑する。
「お陰で魔力満タンだから、恐らくあの天空の島へ行くチームに入れるとは思うけど」
「島行くですか?」
「恐らくね。多分ハク君達も選抜に選ばれるんじゃない?」
何せ上空であの島を発見した人物だ。
不測の事態にも何か突飛な事をして収拾させるかも知れないと、先程ディーネが呟いていたのを聞きちゃったとハクに教える。
「俺、怪我人だけど…」
しかも結構な。
等と言いハクは傍に座っているモチの頭を撫でる。
モチはモチできゅぃ~?と小首を傾げて座りながらも、改めて自身の足に装備しているモノを点検し始める。
腕に嵌めて使う小さな盾と槍、それと特注の武器は背に背負っている。
鍛冶師に頼んだ特注品だ。
代金はどうしようと困っていたのだが、一度はこの街を守る際に使う事と素材は自力で集める事と言う条件で安価で作ってくれた品。
本来ならもっとするのだろうが、モチに武器の制作をする為に鍛冶師に紹介したのがケンネルであり、またその鍛冶師がケンネルの彼女でありドワーフの混血であった為、同じ低身長で悩む同士と言うよしみで安価にしてくれたのである。
頼んでいた武器を背中の革袋に背負って居たのだが、そろそろ使うべきかなと取り出して装着する。一見するとただの靴にしか見えない。
だが中に仕込まれている為に普通の靴よりは少しだけ重く、そしてとても硬い。
その場で軽く跳ねてみるが足に少しだけ重さが感じられるだけで違和感は左程無い。
少しは気に為るかな?と思いつつ、モチは各種武器の点検を軽く仕出す。
「そうでしたって、動いて大丈夫なの?」
「今の事は平気。それにモチも居るからな」
そう言ってモチの頭にポンポンと手を乗せると、モチが「えへへ~」と嬉しそうに笑う。
その姿に何処からか背後から「かわいー!」と言う黄色い悲鳴が上がったが、その声にモチは"知らないふり・見てないふり"をする。理由は下手に相手にすると余計黄色い悲鳴が上がり面倒だからだ。
「モチは相変わらず人気者だな」
ぴぴきゅ~とグリグリ主人に撫でられて幸せそうな顔をしているモチとハクの横で、一人だけ「貴方もです」と心の中でだけカリナタは突っ込んだのだった。
『周囲に落下した魔物の駆逐はどうやら無事終わった様じゃな』
ハクとモチの周りを上空に上がりつつ事の次第を見詰めているミトラはそう報告し、次いで自身の弟の方を見詰める。
轟音を発して未だに燃え盛る業火と化したモノは時折火花を飛ばし、周辺地域へと飛び火する。その度にファンダムの人々が「ぎゃー!」とか「消火、消火が先だ!」と右往左往して木で出来た桶やバケツ、もしくは動物の皮で出来た水筒を持って消火に繰り出している。先程等街の中央の民家に飛び火し、自警団の者達や待機していた魔法使い達が大慌てで消火活動を開始していた。
迷惑掛けまくってすまんのじゃと萎れるミトラ。
周囲はそれに関しては何とも言えずにいた。どう考えてもミトラの弟が街に襲撃しに来ている魔物と闘って居るわけだし、かといって被害は出るし。しかも相手は大精霊で悪気が無いのは解っているし、と言った具合である。
『未だ拮抗しとるのじゃな』
「あれは俺だと傍に寄れないなぁ」
ハクがそう答えるとモチも「熱いです」と答える。
熱もそうだが相手が大き過ぎる。
一体どうやって倒せと言うのか。
ハクもモチも解決策が分からない。
「(う~ん向こうの世界の戦車とかバズーカとか、もしくは大砲とかあればどうだろう?)」
とか思ったが、それでもこの火力に耐ええるのだろうから無理では無いだろうか?兎に角あのデカブツはミトラや他の者に任せよう。適材適所だ。
【…逃避ともいうがな。】
ハクの内部で呆れた様に聞こえた気がするがそれはそれ、聞こえなかった事にした。
『そうじゃの、アレは妾達精霊に任せるのが一番じゃ。だがあの天空の島も気になるのじゃ。また魔物が出て来ても困るのじゃ』
街の上空に浮いている島。
今はまだうんともすんとも言わず、敵が居るのかどうかも一見するだけだと分からない。それに先程ハクが火薬を放った時に一回目は出て来たが、二度目は扉が落ちて来ただけ。だとしたら踏み込めるだろうと言う事で、精霊達の見回りが済み次第何人かのチームを組んで偵察に行く事にした。
「あまり大人数で行くのも良くないだろうし、どうなるかな」
「ですね」
モチはピキュと一鳴きし、ちょこんとその場に座り込んでいる。
同じようにハクも地面に座り込んでおり、減った魔力を回復中である。
* * *
「あー!やっと見つけた~っ」
カリナタがタッタッと軽快な音を鳴らせながら走り寄り、座り込んでいるハク達の傍に寄って来て同じように座り込む。手には幾つか動物の皮で出来た水筒を持っており、その水筒をハクとモチに「どうぞ」と手渡してくれた。
「お疲れ様ですカリナタさん」
モチがぴきゅーと鳴いて労うと、カリナタはふふふ~と笑ってから「何もしてないけどね」と苦笑する。
「お陰で魔力満タンだから、恐らくあの天空の島へ行くチームに入れるとは思うけど」
「島行くですか?」
「恐らくね。多分ハク君達も選抜に選ばれるんじゃない?」
何せ上空であの島を発見した人物だ。
不測の事態にも何か突飛な事をして収拾させるかも知れないと、先程ディーネが呟いていたのを聞きちゃったとハクに教える。
「俺、怪我人だけど…」
しかも結構な。
等と言いハクは傍に座っているモチの頭を撫でる。
モチはモチできゅぃ~?と小首を傾げて座りながらも、改めて自身の足に装備しているモノを点検し始める。
腕に嵌めて使う小さな盾と槍、それと特注の武器は背に背負っている。
鍛冶師に頼んだ特注品だ。
代金はどうしようと困っていたのだが、一度はこの街を守る際に使う事と素材は自力で集める事と言う条件で安価で作ってくれた品。
本来ならもっとするのだろうが、モチに武器の制作をする為に鍛冶師に紹介したのがケンネルであり、またその鍛冶師がケンネルの彼女でありドワーフの混血であった為、同じ低身長で悩む同士と言うよしみで安価にしてくれたのである。
頼んでいた武器を背中の革袋に背負って居たのだが、そろそろ使うべきかなと取り出して装着する。一見するとただの靴にしか見えない。
だが中に仕込まれている為に普通の靴よりは少しだけ重く、そしてとても硬い。
その場で軽く跳ねてみるが足に少しだけ重さが感じられるだけで違和感は左程無い。
少しは気に為るかな?と思いつつ、モチは各種武器の点検を軽く仕出す。
「そうでしたって、動いて大丈夫なの?」
「今の事は平気。それにモチも居るからな」
そう言ってモチの頭にポンポンと手を乗せると、モチが「えへへ~」と嬉しそうに笑う。
その姿に何処からか背後から「かわいー!」と言う黄色い悲鳴が上がったが、その声にモチは"知らないふり・見てないふり"をする。理由は下手に相手にすると余計黄色い悲鳴が上がり面倒だからだ。
「モチは相変わらず人気者だな」
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