商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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 ど、どうしよう。
 さっきから変な所でどもってしまう。
 そうして、その。
 ついつい嵯峨さんの手を意識して見てしまう。

 今俺達二人は帰路をのんびりと歩いているのだけど、横で並んで居るが少しだけ距離がある。
 と言うか、これ絶対狙っただろう京夏君!?
 嵯峨さんと俺を二人きりにしようと、落合君を巻き込んで「寄り道して帰る」と言ったのだろう。

 もしかしたら本気でこの後、京夏君の大好きな彼氏である落合君と二人だけでデートをしたかっただけなのかも知れない。むしろコッチの様な気がする。
 悪戯好きな子だし…。

 何にしよ、少しだけ気不味い。


「小林さん」

「あ、はい」

「この後用事あります?」

「特には」


 寄りたくても先程のゲーセンでゲットした戦利品を持っているから、一度家に帰ってからの方が良い。とは言え寄る所って言うより、スーパーとか店や家で使う食材を買い足して置きたいぐらい。


「この荷物、コインロッカーにでも預けて何処か寄って行きますか?帰りはタクシーで帰れば楽ですし」


 あ、そうか。
 荷物何処かに預けてしまえば楽になるよな。
 ついつい普段の節約癖…貧乏性とも言う…で徒歩で帰宅するものだと思っていた。


「それなら普段行ったことがない食料品店とか輸入した食材を売っている店に行ってみたいな。良い食材とかあったら店で使いたいし」


 美味しいのは正義ですし、何より腹が膨れるのは嬉しい。
 食べ過ぎは注意だけどね。


「それは良いですね。是非美味しい食材や珍しい物があったら食べたいですし、料理上手な小林さんの手作りなら尚更頂きたいです」

「はは、褒めても何も出ないですよ。とは言え頑張って作りますけど」


 自分の食う分は手抜きは時折あるけれど、店で出す分には手抜きはしていない。
 出汁も作るし、魚だって捌く。ただ大量だと一人で全部するのは時間が掛かるから、お店の人に捌いてもらうことは多いけど。更には野菜屑は勿体無い精神で店では出さないで一人で消費しているけど、余るからふりかけにして小瓶に入れてお店に無料で出して居たりもする。
 消費大事なのです。
 貧乏性じゃないよ!勿体無いお化けが出るからね!
 お化けは信じて居ないけども。


「それなら此処から少し歩きますけど、輸入雑貨や食品を置いてある店があるのですが見に行ってみますか?」

「是非!」


 何か面白い物が置いてあるかな?
 ワクワクする~!と思って居たら、「それではコッチに」と。
 うん?と思って居たら、


「もう少し先に行くとコインランドリーの隣にコインロッカーがあるんですよ。其処で一旦荷物を置いていきましょう」


 ん?
 あれ、土地勘ある?
 それとも、もしかして…。

「あ、バレました?」と苦笑する嵯峨さん。


「つい先日、落合君と下見しておいたのですよ。スマートに案内したいなって思って」


 あれ、スパダリってこの人みたいな男性の事を言うのかな。
 俺のダーリンじゃないけど(吐血)。
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