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66 赤ちゃんは可愛い
しおりを挟むあああ、可愛い。
可愛いが掛ける二乗!
クスクスと末明さんに笑われてしまっておりますが、これは譲れません。
だって可愛いから!
「な~に言っているのさ、小林さん」
「まぁわかるけど、俺と不破の赤ちゃんは可愛いしね」
うんうん!
何度も頷いちゃうよ、ほんとーに可愛い!
※
早朝5時。
お泊りをしていた不破さんの自宅の下の階から元気な双子ちゃんの泣き声がして、目が覚めてしまった。赤ちゃんって元気だな~と思う。
自分の小さい頃もきっとこんな感じだろう。
赤ん坊が居る家にご厄介になっているのだから泣き声位では文句は言いません。それが物言えぬ赤ん坊のお仕事だからね。
…なんて、母さんが良く言っていた。
俺は田舎出身だから都会の人みたいな環境育ちでは無いけど、偶に泣き喚く赤ん坊を抱いて居るお母さん達が必死で赤ちゃんを慰めているのを見ると痛々しくなる。
俺が育った田舎だと、婆さんや爺さん達が「あらあら元気ね~」と長閑に見ているものだけれど、都会は違う。
鋭い視線を赤ん坊に投げて悪態をつく大人。
文句を言う人達。
もっと人生にゆとりを持てれば良いのにと思う。
そうかと言って俺がそのお母さん達に手助けを出来るわけでは無いのだけど。何せ子供を産んだこともないから赤ちゃんにどう対処したら良いのかわからない。だからせめてと余計なお世話にならないようにしているだけ。
傍観者。
申し訳ないなぁと思うのだけど、せめて心の中で元気に育てよ~と思うことにしている。勿論不埒な輩が出て来た場合は対処したいとスマホを握り締めるぐらいはするけれど、それぐらい。
大抵は赤ちゃんが落ち着いて泣き止むからね。
さて、と。
まだ早いけど喉が渇いたので水を貰いに下の階へ起きて行ったら、台所で末明さんとその旦那さんの不破さんが双子ちゃん達のオムツを交換していた。
あらやだ、家族団欒の所をお邪魔しちゃったよ!
なんて何処のおばちゃんみたいな台詞を思ったのはほんの束の間。
台所の入り口から伺っていた俺の顔を見た長男の晃明君がにっぱーと口を開け、次いで長女の雪羽ちゃんが「きゃあ~」と此方に向かって手を出す。
ぐぉぉ、なんていう可愛さ!
この子達将来イケメン&美女に育つぞ~、しかも滅茶苦茶モテモテになっちゃうだろうね!
イケメンな不破さんと儚げ美人さん、末明さんの子供達だ。どう見ても周囲がほっとかないよ!
少なくとも現段階で俺がメロメロです!
そう言えばこの子達双子だけども見た目が少し違う。
性別の差があるのかも知れないが、雪羽ちゃんの方が少しだけ鋭い気がする。何がって良くわからないけど…うん。晃明君は柔らかな雰囲気があるんだよね。
もしかして雪羽ちゃんがαで晃明君はΩ、とかかな。
いやいや、将来はまだわからないよね、うんうん。
「おや、雪羽は店長ちゃんが気に入ったのかな?やたら店長ちゃんに向かって片手を動かしているねぇ」
「逆に晃明はパクパクと口を開けるね、何故だろう?」
不破さんと末明さんが不思議と言いつつ二人のオムツ交換は終了。
途端双子ちゃん達はご機嫌になったのか、きゃあきゃあきゅわきゅわと何か話しているがわからない。
「もしかして俺、抹茶や日本茶の匂いがしているから不思議なのかな?」
洗濯してもお風呂に入っても、何となく染み付いて居るんだよなぁ…特に抹茶やほうじ茶の匂いが。
不破さん宅だと珈琲やカレー等の店のメニューの匂いがほんのりとしているけど、俺は茶葉の匂いが良くするらしい。
自分の匂いなのかな?
一戸京夏君が何度か「お茶のいい匂い~」とふらふら寄って来るので戸惑う。
何せ彼はαだから。
Ωの俺はどうしても身構えてしまう。
とは言え大抵落合君が速攻で首根っこを押さえてくれるから助かります。
首にはプロテクターがあるとは言え、ウッカリ事故は避けたいしね。
「ああ、成程」
「だから晃明は口を開けて居るのかな?」
「この子お茶の匂いが好きなのかもね~」と末明さんはのほほんと微笑んで、その横ではササッと赤ちゃん用ミルクの用意をする不破さん。流石パパ、馴れている。凄い。
「朝早くから五月蝿くしちゃってゴメンね、子供達の泣き声で起きちゃったでしょ。まだ早いからもう少し寝ていても大丈夫だよ」
「いえ、可愛い双子ちゃんの姿を朝早くから見せて貰えてご褒美ですよ。それに赤ちゃん達が居るのに泊まらせて貰って此方こそすいません」
気を使わせてしまったなとしみじみ思う。
末明さんが幾ら俺のことを心配したとしても新婚家庭、しかも産まれたばかりの赤子が居る家にご厄介なるなんて本来なら良くないと思う。
それに以前は不破さんを盗み見て、格好良いな~って思っていた身の上。
今の状態って昔の感情のままなら、かなり贅沢なのではと思う。
「そうそう、昨日嵯峨君に連絡入れておいたから。後で此方に店長ちゃんの顔を見るついでに朝食を食いに来るって」
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