商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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104 子供扱い?

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「こんなに沢山のおかずにご飯、御握りまである!有難うございます!」

「いえいえ」


 つい「いえいえ」と言いつつ嵯峨さんの腰を見てしまった。
 もしかして気にしているのかな?俺の目線が其処に向いたら一瞬だけ困った顔をし、次いで苦笑を浮かべた。
 なんか、御免。
 いや~だって細い。
 これ絶対三食食っていないよ。断言出来る、太らない体質にしては細過ぎる。

 そんな嵯峨さんは作業している俺の横で「お手伝いします!」と、料理は出来ないからと洗い物をやってくれた。「俺の食事事情改善してくれているのに、せめてこれぐらいはしないと」と。

 ふと、嵯峨さんがきっかけで俺のお茶屋で朝食提供するようになったことを思い出す。

 最初大家さんである嵯峨さんにだけ朝食を出せば良いかと思っていたのだけど、気が付いたら何時の間にか大勢のお客さんが来るようになって、それなら朝食を提供してしまえと色々店を改良した。
 お金が無いから彼方此方からテーブルとか貰って来たり、椅子とか中古で買って来た物に手を加えたりして。その時から荷物の移動とか手伝ってくれたな、嵯峨さん。
 朝御飯を提供して貰えるからとか何とか言って。
 幾ら大家っていえども人が好過ぎない?なんて思ったなぁ。


「それじゃ、ゲストルームに行きましょうか」

「え?」


 時間にして約三時間。
 多めに炊いたご飯は御握りとかにし、おかずも色々工夫して多めに作り置きも作って置いた。想像通りタッパーとかは無かったため、スーパーで予め購入しておいたフードパックやフリーザーバッグにアレコレと詰め込んでから冷蔵庫や冷凍庫へと詰め込んだ。ついでに製作日も記載。こうしておけばダメになる前に消費出来るだろう。
 多分。
 大丈夫だよね?

 所で。
 ゲストルーム?嵯峨さんの部屋の客間のことかな?
 台所で全ての作業を終えた瞬間、嵯峨さんから言われた言葉にクエスチョンマーク。

 何それ?
 えーと?


「ああ、説明していませんでしたね。このマンションはゲストルームと言う、来客用宿泊ルームが付いているのですよ。今日明日、明々後日までは予約が入っていませんのでゆっくり出来ますよ」

「え」


 ピシリッとその場で固まる。
 いや、だって、だって。俺…覚悟して此処に来たんだよ。
 嵯峨さんに、その、番になっても良いって。
 項を、噛んで貰えたら嬉しいなって。
 口に出してはいないけど、それでも、好きな人の部屋に二人っきりになるのをわかっていて居ると言うのに。

 子供扱い?
 それとも、大事にしようとしているということ?
 もしかして、俺ってば魅力無い?
 うわぁぁぁ、後者だったらどうしよう!!色気が無いのは自覚しているけど!
 何せ『運命の番』相手であるヒムカさんに中学の時思いっきりスルーされたって言う前例があるし、鼻たれ坊主時代から大人になって少しは良くなったかなって思っていたけど所詮中身は俺。
 しかも服装が色気なしの何時もの甚平。
 お茶屋を営んでいるからって徹底して和装にしようと意気込み、洋服はなるべく着ないようにしていたから現代日本では比較的浮いているんだよね。年齢がある程度行ったら馴染むかなと思って。
 俺みたいな男Ωだと色気とか無理なのだろうか。

 うーん、胸元を隠すようにキッチリ着込んでいるけど、少しは開ければ色気が出るだろうか?


「ぶふっ!」


 胸元を開けてみたら嵯峨さんが鼻を抑えてその場で蹲ってしまった。

 あれ、下向いてしゃがみこんでいるってことは失敗だよね?
 何だかブツブツ言っているけど、大丈夫?
 やっぱり俺、色気とか皆無?


「ち、乳首みえ…」

「ひえぇええ!」


 大慌てで甚平の胸元を抑えて隠す。
 瞬間的に顔面に熱が上がったのを自覚しつつ、嵯峨さんから「ぴんく」「か、かわい…」とか言う声が聞こえているのですけどー!!

 と言うか、嵯峨さんまで思ったこと口にしているようですけどー!?
 乳首とかハッキリ口に出して、俺達変な時だけお揃いになっているような気が…げふんげふん。
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