45 / 52
魔王が何故か、主神?の乗り物を召喚した件
あ、はい。
しおりを挟むエルフ
・今から5千年前に滅んだ種族。自然と豊かさを司る小神族であった。エルフはとても美しく細身で若々しい外見を持ち、森など自然が豊富な場所に住む。長命で知識や魔法の力が豊富。異空間の天空から抜け出た一族に滅ぼされる。
「…」
何これ。
私の種族であるエルフは五千年前に既に滅ぼされているって事?
召喚の一覧に書かれていたエルフの文字を『鑑定』を使って見てみたら出て来た言葉。私の鑑定がLv2だから詳細には出て来ないだろうなって思ったんだけど、結構細かく書かれて居て驚いた。更にこの他の文字にはハーフエルフの文字もある。けど、これは文字だけ。召喚リストにも記載されて居ないって事は、恐らくこのハーフエルフも滅ぼされているって言う事なんだろう。
因みにこの事はこの場に居る人には簡単に伝えた。「私の種族である『エルフ』が召喚出来るように為った事、そして既に「とある一族によって、五千年前に滅ぼされて居る」という事。
「ねぇアデル」
「なんだ?」
「アデルって三千と1歳なんだよね?何か知ってる?」
するとううーんと唸り、
「今の所は残念ながら何も」
ついでに、1歳ぐらいサバ読んでも良いじゃないかって小さな声で聞こえた気がするけど、それはスルーで。うん、私の足元にアデルの配下がちょこんと来ていて、『スルーですよ。突っつくと拗ねますから』って布地に記載されて居たからってのもある。まぁスルーしても軽く拗ねてるみたいだが、それもスルーだ、スルー。
スルー力が最近特に付いて来てる気がする。
「うんにゃ~…あ!もしかしたら町の図書館で何か書いているかもそれにゃーよ」
「図書館?」
って言うと本が沢山あるっていう。うわー…私此方の文字分かるのかな?アデルの配下の蜘蛛達が書いている文字は読めるけど、大丈夫かなぁ?
するとアデルがんーと唸り、
「図書館か。とすると有料だな」
「そうにゃ、町の図書館は拝観料金が発生するにゃ。って、お金無かったんにゃぁよね?」
ちなみに先程商品を見せて貰った時に私はお金が無かったので、先日からダンジョンに突っ込んできた魔物とかの部位を商品と物々交換して貰った為、お金は一つも無い。
「交換出来るものは粗方しちゃったし、お金…」
いやほんと、どうしよう。
そう言えば街に入るのにも入場料みたいなモノが発生するのだろうか?だとしたら益々お金…。
「ん~そうにゃーね、町に入るのは契約魔法を使うだけで私の連れだって言えばタダだけど、図書館は流石に…うーん、ダンテどうしよう?」
「お、俺が貸「却下」」
アデルが即貸すって言いそうになったけど、私が割って入って却下する。
途端にションボリするアデル。でもねぇ、これ以上貸しを作るのは性に合わないし、何でもかんでも借りたくはない。
「レーベルはまだ此方で産まれて間もないんだから、俺に少しぐらい…」
「いーやです」
今度はションボリしたままヴァルヘルムと遊んでるルクレツィアの側に行って、慰めてもらって居るって一体何千歳なのよ全く。
「ぱぱ、ママ、に、アピール、ん~、と、とらいちっぱい、ね?」
と言ってナデナデするルクレツィア。
その背後に居て何となく同情しているアルフォンソ。
そして…口をハムハムと動かしているヴァルヘルム。
多分ヴァルヘルムは無関心なんだろう。もしくは…頭部見てない?じ~…とアデルの頭部を見て、次にセンギョクの頭部を見て、
「ぷく」
え?
ぷく?
「ちょっ!今ヴァルヘルム俺の頭部を見て笑った!」
熱り立つセンギョクを一目見て、また「ぷく」と鳴いてからツーンとそっぽを向き、
『ブルルルルルッ』
とセンギョクを馬鹿にした様にしてる?
「ちくしょー!てめヴァルヘルム勝負しやが、ぎゃあああああっ」
パッカーンとヴァルヘルムの八本の足に蹴られて見事に弧を描き宙を舞うセンギョク。
「にゃんちゅ~か、レーベルちゃんの配下は小芝居が得意?」
そこでウンウンと頷くアデルの配下達とダンテ。
其処でアデルの配下からスッと何かを包んだ布を幾つか渡され、一斉に配下の蜘蛛達が、
『おひねり』
『餞別』
『これで町でお菓子を買って来て下さい。残りはお使いのお駄賃として取っておいて下さい』
『僕鋏お願い。これはそのお駄賃。そろそろ錆びてきた。残りは仕事料ってことで受け取って』
『僕は農具の鎌をお願いします。同じく残りはお駄賃で』
『砥石お願いします。残りは他のと同じで受け取って下さいね』
と言って、布を開いてみると…
「金貨5枚…って多!」
日本円で五万ぐらいだ。
幾ら何でも多すぎじゃない!?
「駄目だよこんな!」
『いえいえ、どうせレーベル様が町に行くって言えばウチのマスターが意地でも付いて行きますし』
『マスターが世話になってる人ですから』
『うちのマスターが毎度すいません』
『不器用でヘタレですけど、あれでいい人なんです、多分、きっと。希望的観測ですが。どうか見捨てないで友人として接してやって下さい』
『マスターちょっと、ちゃんとして下さいよ?レーベル様に見捨てられたら慰めるのは僕達なので、非常に面倒なんですから』
足元にワラワラと接して来たアデルの配下達の蜘蛛達がワイワイという感じで、布を掲げて此方に見せてからアデルに布を広げている。って、包み隠さず見せてるってどうなの…。何気に凄い事書いてるし。
「配下達のがレーベルに上手くやってる…と言うか、またディスられてる…」
其処で更にしょげないアデル。
そしてツンツン突っつかないルクレツィアにアルフォンソ。
何故かミンまで同情の眼差しで…
「マスター石鹸、残りのお金でお願いしますね」
あ、はい。
0
あなたにおすすめの小説
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる