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病室に入ったら、天井も床も何もかも真っ白な部屋。
阿須那父さんが白い顔色で、ベッドで寝ていて。
腕から点滴を数本…
「え。」
点滴と阿須那父さんを交互に見て、病室の入り口で固まってしまった。
とは言え僕が病室に入ったら、元気いっぱいな笑顔で阿須那父さんがハグをして来たので安堵。
大丈夫。
阿須那父さんの点滴を腕にさして居る姿は重病人のようでショックを受けたけれど、でも大丈夫。阿須那父さんが笑っているから大丈夫。それにもし、余程のことがあるならば陽平父さんがこの場から離れたりはしないから。
「陽平は病室に入れないα共に説明しにいったか。」
「うん。」
α共って。
不破さんや先程家の前にいた、ガタイの良い外人さん達のことかな。
何となく先程の外人さん達って、某映画に登場するメイ・イン・○ラックの人達を思い出す。個体差はあるけれど、全員同一規格のシックな色合いの背広を着込んでいたし、雰囲気もαのせいか威圧感を感じた。
約一名変た…うん、コミカルって思っておこう。
これ以上考えると変態さん一名だけでインパクトが強すぎて脳内が支配されそう。
それにしても、阿須那父さんって昔から言葉使いが悪い。
陽平父さん曰く「見た目から侮られるから昔から言葉だけでも威勢を保っているんだ。可愛いだろう?」なんて惚気と共に言われた。
可愛いかどうかは自分の親相手なので判断出来ないけど。
威勢がいいのは昔から知っているし、言葉の裏にある優しさも僕は知っている。
「妊娠したって。」
「あ~…。」
それな、と言葉に詰まったような、困ったような様子で此方を見る阿須那父さん。
因みに僕を此処まで送ってくれた恭介さんや京夏さん達は院内に入れない為、病院の駐車場にて停めた車内で待機。恭介さんは特に心配して受付まで入って来たけど、流石に其処からは車に戻っていった。
恭介さん芸能人だから、待合室に居た人達が騒ぎ出しちゃってね…。
αだし、流石に色々と不味い。
少し寂しいけど待合室に居た人達にサイン求められてしまったし、仕方がない。
「阿須那父さん、Ωなの?」
「…元、な。」
「元?」
「珍しいことに胎児のうちからΩだって判明した個体だったらしい。」
個体って、まるで、
「そ。俺、某研究所で産まれた元実験体だから。」
まるで他人事のように語る阿須那父さん。
過去のことでも思い出して居るのか、珍しく伏せた目も何処か虚ろ。
「俺の親も性別が女性のΩ同士でな。そんな珍しい親から出来た珍しい個体、それが俺。」
「それじゃ、僕は」
もしかして。
「…此処から先は陽平が来てから話したいのだけど良いか?」
やっぱり、そうか。
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