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4 月下の出会い
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「はぁ……疲れた……」
陛下に挨拶をして、殿下にも軽く挨拶をして一段落してから俺は外の庭園に逃げていた。他にも挨拶回りはしてきたけど、やっぱり皆俺の態度の変化にかなり驚いていたしそれで余計に疲れたのだ。それに……
「あれだけカロリーあるものが並ぶと流石にねぇ……」
一周回ってむしろ気持ち悪くなってきたので逃げたというのも正解だろう。はぁ、月が綺麗だなぁ………。
そんなことを思っている時だった。カツカツと静かな足音が聞こえてきたのでそちらを向くと銀髪の美少女がそこにはいた。暗くて見えにくくてもその顔を忘れるわけがなく、向こうも俺に気づいたのか少しだけ驚いたような表情をしていた。
「えっと……ハウル公爵様ですよね?御機嫌よう」
「先程振りです、ベルン公爵令嬢。このような場所に何か御用ですか?」
「少し風に当たりたくて………ハウル公爵はどうしてこちらに」
「このような場所だと悪目立ちしてしまいますので避難してきました」
そう言うと少しだけクスリと笑う彼女。その笑みに少しだけホッとすると彼女が首を傾げたので俺は正直に言った。
「本日はお顔が暗くて思えたのでその表情が少しでも晴らせたなら幸いです」
「そう……見えましたか?」
「あくまで私の主観です。皆さんからは普通に見えたと思いますよ」
その言葉に彼女は驚いたような表情を浮かべた後に、何かを迷ってから聞いてきた。
「ハウル公爵からは私とケーニッヒ様がどう見えますか?」
「婚約者として相応しいお2人かと。ですがお互いに何か別の人を……というか、殿下が別の方のことを想ってるようにも見えますね」
「そうですね……きっと、ケーニッヒ様は私のことは眼中にはないんだと思います」
悲しそうに呟く彼女。
「ハウル公爵も聞いた事がありますよね?ケーニッヒ様が平民の女の子と密会してると」
「噂でなら」
そう澄まして言うけど………え?マジで?まさかもうヒロイン接触してるの?早くない?でも、だとしたらこの表情の理由は察しがついた。
「あれは事実です。私も止めるように婚約者として言ったのですが………関係ないと言われてしまったのです」
「そうでしたか……」
「……すみません、忘れてください。少し疲れて変なことを言ってしまいました」
無理をして笑う彼女。そんな顔を見て胸が締め付けられて俺は思わず立ち上がると小さな彼女の頭を撫でていた。
「貴女は何も悪くありませんよ。それに無理して笑わなくてもいいです。少なくとも私達、いえ、信用出来る人達や大人の前では無理をしないでください」
「でも……」
「子供は大人に甘える権利があります。それに……」
そっと彼女の目尻に少しだけ浮かんでいた涙を掬いとると俺は微笑んで言った。
「私は笑ってる顔の方が好きです。だから泣きたい時は泣いてください。そしてその後で心から笑える時がきたら笑ってください。ベルン公爵令嬢に涙は似合いませんからね」
「………ひっぐ………ぐすん………」
ポロポロと涙を零す彼女。俺は無礼かもだけど、優しく抱きしめると彼女は俺に抱きついて泣いた。これを誰かに見られたら俺はロリコンの上に鬼畜の称号を与えられるだろうけど……やっぱり好きな人には笑って欲しいからね。そうして彼女が泣き止むまでずっと側にいるのだった。
陛下に挨拶をして、殿下にも軽く挨拶をして一段落してから俺は外の庭園に逃げていた。他にも挨拶回りはしてきたけど、やっぱり皆俺の態度の変化にかなり驚いていたしそれで余計に疲れたのだ。それに……
「あれだけカロリーあるものが並ぶと流石にねぇ……」
一周回ってむしろ気持ち悪くなってきたので逃げたというのも正解だろう。はぁ、月が綺麗だなぁ………。
そんなことを思っている時だった。カツカツと静かな足音が聞こえてきたのでそちらを向くと銀髪の美少女がそこにはいた。暗くて見えにくくてもその顔を忘れるわけがなく、向こうも俺に気づいたのか少しだけ驚いたような表情をしていた。
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そう言うと少しだけクスリと笑う彼女。その笑みに少しだけホッとすると彼女が首を傾げたので俺は正直に言った。
「本日はお顔が暗くて思えたのでその表情が少しでも晴らせたなら幸いです」
「そう……見えましたか?」
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その言葉に彼女は驚いたような表情を浮かべた後に、何かを迷ってから聞いてきた。
「ハウル公爵からは私とケーニッヒ様がどう見えますか?」
「婚約者として相応しいお2人かと。ですがお互いに何か別の人を……というか、殿下が別の方のことを想ってるようにも見えますね」
「そうですね……きっと、ケーニッヒ様は私のことは眼中にはないんだと思います」
悲しそうに呟く彼女。
「ハウル公爵も聞いた事がありますよね?ケーニッヒ様が平民の女の子と密会してると」
「噂でなら」
そう澄まして言うけど………え?マジで?まさかもうヒロイン接触してるの?早くない?でも、だとしたらこの表情の理由は察しがついた。
「あれは事実です。私も止めるように婚約者として言ったのですが………関係ないと言われてしまったのです」
「そうでしたか……」
「……すみません、忘れてください。少し疲れて変なことを言ってしまいました」
無理をして笑う彼女。そんな顔を見て胸が締め付けられて俺は思わず立ち上がると小さな彼女の頭を撫でていた。
「貴女は何も悪くありませんよ。それに無理して笑わなくてもいいです。少なくとも私達、いえ、信用出来る人達や大人の前では無理をしないでください」
「でも……」
「子供は大人に甘える権利があります。それに……」
そっと彼女の目尻に少しだけ浮かんでいた涙を掬いとると俺は微笑んで言った。
「私は笑ってる顔の方が好きです。だから泣きたい時は泣いてください。そしてその後で心から笑える時がきたら笑ってください。ベルン公爵令嬢に涙は似合いませんからね」
「………ひっぐ………ぐすん………」
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