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6 お茶会へ
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「お待ちしておりました、ハウル公爵」
「ご招待ありがとうございます、ベルン公爵令嬢」
本日も大変愛らしい彼女は俺の言葉にくすりと微笑んで言った。
「宜しければ名前で呼んでください。年下ですのでそう呼ばれた方が気が楽です」
「では、ドロテア様。私もベスターで構いません」
「かしこまりました、ベスター様」
そうして軽く挨拶をしてから中に入って俺は奇妙な違和感を感じた。そしてそれが確信に変わったのは庭園に出た時のことだ。
「あちらの離れの建物は?」
「……別館です」
「なるほど、失礼しました」
その確信を言葉には出さずに彼女に合わせてお茶を飲む。てっきり他にも人を呼んだと思ってたけど、どうやらお茶会というより、お茶の時間のようだ。
「これは……美味しいですね」
「私のお気に入りです。ベスター様に気に入っていただけて良かったです」
そう微笑む彼女はやはり可愛らしい。やっぱりこんな可愛い女の子がデブを選ぶことはまずないだろうね。本当ならこの子の初恋を叶えてあげたいが……攻略対象と親しくもない俺が出しゃばるべきではないのだろう。
本当に彼女にとって辛い時は少しでも力になれればなるつもりはある。最も、彼女がそれを望むかはわからないけど……多分そういうこと全部溜め込んでしまうタイプだろうしね。そこを甘やかに溶かしてあげたいものだ。
「……あの、昨晩はすみませんでした。私、関係ないはずのベスター様に色々と話して……それに、その……子供みたいに泣いてしまって」
年齢的にはまだ子供でもおかしくはないのだが……まあ、女の子にそれを言うほど野暮ではない。
「少しでも貴女の心が軽くなったなら構いませんよ。私に出来ることならなんでもしますから」
「……ベスター様はお優しいですね。私の周りにはそんなことを言ってくれる人は居ませんでした」
……やっぱりか。まあ、そうだろうね。貴族だし、ましてや彼女は公爵令嬢で王太子の婚約者。どうしたって周囲からの期待は高まるし、彼女が本心を言うのにはそれなりの覚悟が必要なのだろう。
「私は優しくなんてありませんよ。ドロテア様は私の悪名をご存知ですよね?」
「……『豚公爵』ですよね。知ってます。色々聞いてます。でも、実際にお会いしたベスター様はお噂と全然違いました」
まあ、ほぼ別人だしね。
「私はこの通り見た目が酷いので一時期荒れてましてね。今は昔よりも少しはマシになりましたが、やってきたこと……過去は変えられません。でも、貴女には未来がある。どうか願わくば進みたい道に進めることを祈っております」
「進みたい道……それは難しそうです」
ゆっくりとカップを置いてから彼女は悲しそうに言った。
「私ではケーニッヒ様のお心を戻すことは出来ません。今のままでは私は皆が望む王妃になることも中途半端になりそうなんです。それに……きっと、ケーニッヒ様の婚約者でなくなれば私には価値も居場所もなくなります」
「……では、ドロテア様は本当は何がしたいという希望はあるんですか?」
「それは……あります。でも、きっと叶いません」
叶わないか……まあ、そう思ってしまうよね。
「じゃあ、私がドロテア様の夢のためにお力添えすると言えばどうします?」
「……どうして、ベスター様はそこまで私のことをよくしてくださるのですか?」
好きだから……と言えばきっと彼女は困ってしまうだろう。なら答えは一つだ。
「貴女を助けたいとおこがましいかもしれませんが思うからです。ご迷惑でなければ私に貴女の手助けをさせてください」
「ベスター様………」
しばらく何かを悩んでから、彼女はポツリと言った。
「……ケーニッヒ様との関係を解消したいです。そして……この家から出たいです」
「わかりました。任せてください」
その時は彼女としても無理を承知で言ったのだろう。でも、俺の本気はそんなもの関係ない。だからやれることは全部やってやる。
「ご招待ありがとうございます、ベルン公爵令嬢」
本日も大変愛らしい彼女は俺の言葉にくすりと微笑んで言った。
「宜しければ名前で呼んでください。年下ですのでそう呼ばれた方が気が楽です」
「では、ドロテア様。私もベスターで構いません」
「かしこまりました、ベスター様」
そうして軽く挨拶をしてから中に入って俺は奇妙な違和感を感じた。そしてそれが確信に変わったのは庭園に出た時のことだ。
「あちらの離れの建物は?」
「……別館です」
「なるほど、失礼しました」
その確信を言葉には出さずに彼女に合わせてお茶を飲む。てっきり他にも人を呼んだと思ってたけど、どうやらお茶会というより、お茶の時間のようだ。
「これは……美味しいですね」
「私のお気に入りです。ベスター様に気に入っていただけて良かったです」
そう微笑む彼女はやはり可愛らしい。やっぱりこんな可愛い女の子がデブを選ぶことはまずないだろうね。本当ならこの子の初恋を叶えてあげたいが……攻略対象と親しくもない俺が出しゃばるべきではないのだろう。
本当に彼女にとって辛い時は少しでも力になれればなるつもりはある。最も、彼女がそれを望むかはわからないけど……多分そういうこと全部溜め込んでしまうタイプだろうしね。そこを甘やかに溶かしてあげたいものだ。
「……あの、昨晩はすみませんでした。私、関係ないはずのベスター様に色々と話して……それに、その……子供みたいに泣いてしまって」
年齢的にはまだ子供でもおかしくはないのだが……まあ、女の子にそれを言うほど野暮ではない。
「少しでも貴女の心が軽くなったなら構いませんよ。私に出来ることならなんでもしますから」
「……ベスター様はお優しいですね。私の周りにはそんなことを言ってくれる人は居ませんでした」
……やっぱりか。まあ、そうだろうね。貴族だし、ましてや彼女は公爵令嬢で王太子の婚約者。どうしたって周囲からの期待は高まるし、彼女が本心を言うのにはそれなりの覚悟が必要なのだろう。
「私は優しくなんてありませんよ。ドロテア様は私の悪名をご存知ですよね?」
「……『豚公爵』ですよね。知ってます。色々聞いてます。でも、実際にお会いしたベスター様はお噂と全然違いました」
まあ、ほぼ別人だしね。
「私はこの通り見た目が酷いので一時期荒れてましてね。今は昔よりも少しはマシになりましたが、やってきたこと……過去は変えられません。でも、貴女には未来がある。どうか願わくば進みたい道に進めることを祈っております」
「進みたい道……それは難しそうです」
ゆっくりとカップを置いてから彼女は悲しそうに言った。
「私ではケーニッヒ様のお心を戻すことは出来ません。今のままでは私は皆が望む王妃になることも中途半端になりそうなんです。それに……きっと、ケーニッヒ様の婚約者でなくなれば私には価値も居場所もなくなります」
「……では、ドロテア様は本当は何がしたいという希望はあるんですか?」
「それは……あります。でも、きっと叶いません」
叶わないか……まあ、そう思ってしまうよね。
「じゃあ、私がドロテア様の夢のためにお力添えすると言えばどうします?」
「……どうして、ベスター様はそこまで私のことをよくしてくださるのですか?」
好きだから……と言えばきっと彼女は困ってしまうだろう。なら答えは一つだ。
「貴女を助けたいとおこがましいかもしれませんが思うからです。ご迷惑でなければ私に貴女の手助けをさせてください」
「ベスター様………」
しばらく何かを悩んでから、彼女はポツリと言った。
「……ケーニッヒ様との関係を解消したいです。そして……この家から出たいです」
「わかりました。任せてください」
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