異世界転移して悪役令嬢を拾ったので、とりあえず溺愛します

yui

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ロバートとしばらく話してから遥は今度はシルベスター王国に来ていた。本当ならここには二度と来ない予定だったが・・・どうしてもここでやらないといけないことがあるので仕方ない。
遥が訪れたのはとある貴族の屋敷ーーー当然遥がどうどうと入ろうとすれば衛兵に止められて、すぐに宰相や次期国王あたりの耳に入りかねないので、お忍びで潜入する。

しばらく屋内を調べてから遥は目的の人物がいそうなところを探していると、一つだけここ最近になり片付けられたと思われる部屋を見つけることが出来たのでそこでしばらく待機しているとーーータイミングのいいことに一人若い侍女が部屋にやってきた。

「・・・・お嬢様」

その人物は部屋で悲しげな表情を浮かべていたので・・・おそらく彼女がルナの言ってたサラスだろうと思って遥は静かに声をかけた。

「お前がサラスか?」
「・・・!?だ、だれーーー」
「静かに」

驚いてキョロキョロする侍女を遥は黙らせて確認するように侍女に囁いた。

「もう一度聞く、お前がルナという少女の元侍女だったサラスで間違いないか?」
「お、お嬢様を知っているのーーー」
「落ち着け。俺はルナの味方だ」

そう言うと侍女ーーーサラスはしばらく戸惑っていたが、遥の質問にこくりと頷いた。

「そうか・・・マリアという侍女もこの屋敷にいるのか?」
「は・・・はい・・・」
「そうか・・・君らが再就職する気があるなら今すぐにこの部屋にマリアという侍女を連れてきてくれ。ルナが会いたがってるからな」
「お、お嬢様は無事なんですか!?」
「元気だーーーとりあえず質問には後で答えるから早く連れてきてくれるか?他の人間には悟られないように・・・いいね?」

そう言うとサラスは慌てて頷いてから部屋を出ていった。
最悪衛兵でも呼ばれればどうしようかと思っていた遥だが・・・ルナの名前が効いたのかサラスは素直に一人の年配の侍女を連れて戻ってきた。
静かに扉を閉めるとサラスが連れてきた年配の侍女ーーーおそらくルナの言ってたマリアという名前の彼女は表情を引き締めて聞いてきた。

「お嬢様はどこにいるんですか?」
「俺の家だよ。安心していい。ルナは元気に過ごしてるから」
「屋敷に不法に侵入して、尚且つ侍女を脅した得体の知れない方を信じろと?」
「脅してはいないけど・・・まあ、もっともだな」

遥はそれに頷いてから静かに右手を上げてくるりと回転させるとーーーそこに徐々に光が集まり、やがて水面に影が映るようにそこにルナの姿が現れた。

「お嬢様ーーー」
「こちらの声は届かないけどーーーこれでルナが無事だって信じて貰えたかな?」
「・・・それであなたは何が目的で私達に接触したのですか?」

冷静にそう聞いてくるマリアに話が早くて助かると言いたげに遥は微笑んだ。

「簡単な話だよ。君たちがルナの味方ならーーー再就職先に家を提供しようと思ってね。もちろん家族がいるならそちらの面倒も見よう」
「・・・何故そこまでして」
「決まってる。俺がルナの旦那様だからだよ」

その言葉にーーーサラスとマリアは驚いたような表情を浮かべてからサラスはなんとなく信じれないような感じに、そしてマリアはどこか納得したような表情を浮かべた。

「これほどの写しの魔法の使い手ーーーそしてお嬢様は魔の森に追放されたことを考えると、あなたが噂の異郷の民・・・時雨遥様なんですね」
「知っているなら話が早い。さて・・・どうする?」

その問いかけにマリアは迷うことなく返事をした。

「・・・夫と息子を連れていってもいいでしょうか?」
「ま、マリアさん!?本気ですか!?」
「サラスあなたも噂ぐらいは知ってるでしょう?魔の森に住む異郷の民ーーー魔物殺しの密かな英雄とさえ言われている時雨遥という者の話を」
「確かに知ってますが・・・」
「それに・・・今写っているのは紛れもなく私達がお救い出来なかったルナお嬢様の姿ーーー私は、これが例え罠でも、お嬢様への贖罪になるならなんでもするつもりよ」

マリアの言葉にサラスはしばらく視線をさ迷わせてからーーー遥に頭を下げて言った。

「わ、私も・・・旦那が騎士団にいるのでお願いします」
「というわけです。あなたの話を聞かせて貰えますか?」

その二人の返事を聞いて遥は頷いて言った。

「こちらが提示するのは新しい職場と新しい住みかーーーそして、ルナへの再び仕えることが出来る環境というのでどうかな?」
「あなたに仕えるのではなくて?」

そのマリアの質問に遥は首を竦めて言った。

「仕えるのはルナでいいよ。俺はルナが幸せになるならなんでもするーーー大好きな愛しい妻だからね」

そのストレートな言葉にサラスは若干顔を赤くしてーーーマリアはしばらく呆然としてからくすりと笑った。

「なるほど・・・お嬢様は随分と英雄様にご執心されているのですね」
「もちろんだ。ちなみに国はアーカシア王国だが・・・問題ないな」
「ええ。お嬢様に再び仕えることが出来るならどこにでもいきましょう」
「わ、私もです・・・」

その返事に満足そうに頷いてから遥は具体的な二人の今後について話してから、アーカシア王国に連絡をして準備を進めたのだった。


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