44 / 46
結婚式
しおりを挟む
パチパチと拍手が辺りに響く。教会にいるのはそう対した人数ではないのでその拍手もやや小さく感じるが・・・その拍手をする人間は皆、遥とルナの結婚を心から祝福していることがわかった。
「おめでとう遥!ルナさん!幸せにな」
遥の友人であるロバートはそう嬉しそうに言った。
「おめでとうございます。ルナさん凄く綺麗です。遥さんとお幸せに」
マイヤもどこか感動したように二人に拍手を送る。
「お嬢様・・・本当におめでとうございます」
いつも毅然としている侍女のマリアも今日ばかりは涙を隠さずに嬉しそうにそう言った。
「うう・・・おめでとうございます。お嬢様素敵です・・・」
嬉し泣きを再現しているのはルナの侍女であるサラス。彼女も心からルナの幸せを祝っていた。
『おめでとう。本当にめでたいね』
わざわざ人間の姿をしてまで来てくれたドラゴンのクロも微笑ましそうに言った。
そんな回りの人からの祝福にどこかこそばゆく感じながらそれらにお礼を言って皆の前に出る遥とルナ。
「皆、ありがとう。これからも俺達夫婦と仲良くしてくれると嬉しい」
そう遥が言うと隣にいるルナもそれに照れつつも言った。
「その・・・夫の遥ともどもよろしくお願いします・・・」
夫という言葉にルナは照れ照れだったが・・・それでも遥のことをナチュラルに『夫』と言えたのはまさに二人が心から結ばれた証なのだろう。
『きゅー!』
「おっと・・・こはくも、ありがとうな」
気を使ってマリアとサラスの元にいたドラゴンのこはくも、雰囲気的にそろそろ大丈夫だと思ったのかルナと遥の元に飛んできた。そんなこはくを二人で優しく抱き締めてから遥は改めて祝福してくれる皆を見てから言った。
「本当に今日は来てくれてありがとう。じゃあ、最後に・・・ルナ。そのブーケを投げて」
「投げるって・・・これを?」
ルナの手元には先ほど渡された小さいブーケがあり不思議そうに首を傾げるルナに遥は簡単に説明した。
「これはとある地方の伝統的なことでね。新婦である花嫁が来賓に幸せをわけるという意味で小さい花束を投げることになってるんだよ。わりと言われてるのは未婚の女性がそれを受けとると次に結婚しやすくなるっていうことなんだけど・・・せっかくだしやろう」
「遥がそう言うなら・・・」
不思議そうにしつつもルナはその言葉に目一杯の力でブーケを空高く上げてーーー狙ったのかはわからないが、それは偶然にもマイヤの手元に引き込まれるように落ちていった。
「えっと・・・私ですか?」
不思議そうに受け取ったブーケを見つめるマイヤに遥は苦笑気味に言った。
「これで俺達の幸せをお裾分けしたから、次はマイヤがロバートと幸せに結婚するだろうね」
「そうなのですか?」
隣のロバートにチラリと視線を向けたマイヤ。ロバートはその視線を受けて少しだじろぎながらもポツリと言った。
「その・・・まあ、兄上達が結婚式あげたらすぐにやるつもりだけど・・・」
「そうですか・・・ふふ。わかりました」
仲睦まじそうな雰囲気の二人をほっこりと見守ってからやがて結婚式は終盤へと差し掛かっていた。
遥がこの日のために用意した異世界式の豪華な宴会料理を皆で美味しそうに食べて、ウェディングケーキを二人で、『はじめての共同作業』としてやったりと、賑やかに時間は過ぎていく。
『遥、ルナ。改めておめでとう』
そんな中で、賑やかに会食をしていると、ドラゴンのクロが他の参加者が一通り挨拶をし終えてからひっそりと近づいてきて二人を祝った。
「クロ。ありがとう」
『なに、友人として当然のことだよ。それにしても・・・シロのタマゴは無事に還ったのだな』
クロの視線は遥の膝の上に陣取るこはくに向けられていた。そんなクロの視線を受けてこはくは不思議そうに首を傾げた。
『きゅー?』
『ふむ・・・なるほど。懐かしいシロの魔力だな』
「ああ。名前はこはくにした」
『こはく・・・なるほど、いい名前じゃないか』
そう言って膝の上のこはくに手を伸ばすクロだが・・・そのクロの手が近づくと、こはくは少し警戒したように『きゅー・・・!』と鳴いた。
『はは・・・やはり、私だとダメか』
「こはく、どうしたの?」
いつもの大人しいこはくからは想像できない程に警戒したようにクロを威嚇するこはくを不思議そうに見つめるルナだったが・・・遥とクロはそれを見て苦笑していた。
『やはりシロの子供だな。私に対してここまで警戒した様子を見ているとシロを思い出すよ』
「そういえば、クロはシロからかなり嫌われていたしな」
「そうなの?」
不思議そうに首を傾げるルナに遥はこはくを撫でて言った。
「二人は本当に相性が悪くてね。真面目なシロと、どこか飄々としたクロは結構いつも喧嘩ばかりしてたよ」
『どちらかと言えば、私が彼女に嫌われていただけだがね』
懐かしそうに語る二人。その様子を見て、自分の知らない遥の話に少し嫉妬に近いような感情を抱くルナだが・・・そんなルナの気持ちを察したかのように遥はルナの肩に手を回すと言った。
「機会があればルナには色々話すよ。それに・・・ルナしか知らないことの方が多いからそこまで気にしなくてもいいよ」
「べ、別に私は・・・」
視線を反らすルナだが・・・いつもならそこで遥の追撃を許すところだが、なんとなく結婚式の雰囲気からか、素直に頷いて言った。
「・・・約束だからね。私は・・・その・・・遥のこと全部知りたいから・・・その・・・あの・・・」
「・・・ああ。ルナには隠し事はしないよ。約束する」
「・・・うん」
そこで恥ずかしそうに微笑むルナに遥は一瞬我を忘れて襲い掛かりそうになるが・・・強靭な精神力で耐えた。それほどにウェディングドレスを着たルナの照れたような笑みが魅力的だったということなのだが・・・そんな二人を孫を見守るように優しくクロが見守っていたのだった。
「おめでとう遥!ルナさん!幸せにな」
遥の友人であるロバートはそう嬉しそうに言った。
「おめでとうございます。ルナさん凄く綺麗です。遥さんとお幸せに」
マイヤもどこか感動したように二人に拍手を送る。
「お嬢様・・・本当におめでとうございます」
いつも毅然としている侍女のマリアも今日ばかりは涙を隠さずに嬉しそうにそう言った。
「うう・・・おめでとうございます。お嬢様素敵です・・・」
嬉し泣きを再現しているのはルナの侍女であるサラス。彼女も心からルナの幸せを祝っていた。
『おめでとう。本当にめでたいね』
わざわざ人間の姿をしてまで来てくれたドラゴンのクロも微笑ましそうに言った。
そんな回りの人からの祝福にどこかこそばゆく感じながらそれらにお礼を言って皆の前に出る遥とルナ。
「皆、ありがとう。これからも俺達夫婦と仲良くしてくれると嬉しい」
そう遥が言うと隣にいるルナもそれに照れつつも言った。
「その・・・夫の遥ともどもよろしくお願いします・・・」
夫という言葉にルナは照れ照れだったが・・・それでも遥のことをナチュラルに『夫』と言えたのはまさに二人が心から結ばれた証なのだろう。
『きゅー!』
「おっと・・・こはくも、ありがとうな」
気を使ってマリアとサラスの元にいたドラゴンのこはくも、雰囲気的にそろそろ大丈夫だと思ったのかルナと遥の元に飛んできた。そんなこはくを二人で優しく抱き締めてから遥は改めて祝福してくれる皆を見てから言った。
「本当に今日は来てくれてありがとう。じゃあ、最後に・・・ルナ。そのブーケを投げて」
「投げるって・・・これを?」
ルナの手元には先ほど渡された小さいブーケがあり不思議そうに首を傾げるルナに遥は簡単に説明した。
「これはとある地方の伝統的なことでね。新婦である花嫁が来賓に幸せをわけるという意味で小さい花束を投げることになってるんだよ。わりと言われてるのは未婚の女性がそれを受けとると次に結婚しやすくなるっていうことなんだけど・・・せっかくだしやろう」
「遥がそう言うなら・・・」
不思議そうにしつつもルナはその言葉に目一杯の力でブーケを空高く上げてーーー狙ったのかはわからないが、それは偶然にもマイヤの手元に引き込まれるように落ちていった。
「えっと・・・私ですか?」
不思議そうに受け取ったブーケを見つめるマイヤに遥は苦笑気味に言った。
「これで俺達の幸せをお裾分けしたから、次はマイヤがロバートと幸せに結婚するだろうね」
「そうなのですか?」
隣のロバートにチラリと視線を向けたマイヤ。ロバートはその視線を受けて少しだじろぎながらもポツリと言った。
「その・・・まあ、兄上達が結婚式あげたらすぐにやるつもりだけど・・・」
「そうですか・・・ふふ。わかりました」
仲睦まじそうな雰囲気の二人をほっこりと見守ってからやがて結婚式は終盤へと差し掛かっていた。
遥がこの日のために用意した異世界式の豪華な宴会料理を皆で美味しそうに食べて、ウェディングケーキを二人で、『はじめての共同作業』としてやったりと、賑やかに時間は過ぎていく。
『遥、ルナ。改めておめでとう』
そんな中で、賑やかに会食をしていると、ドラゴンのクロが他の参加者が一通り挨拶をし終えてからひっそりと近づいてきて二人を祝った。
「クロ。ありがとう」
『なに、友人として当然のことだよ。それにしても・・・シロのタマゴは無事に還ったのだな』
クロの視線は遥の膝の上に陣取るこはくに向けられていた。そんなクロの視線を受けてこはくは不思議そうに首を傾げた。
『きゅー?』
『ふむ・・・なるほど。懐かしいシロの魔力だな』
「ああ。名前はこはくにした」
『こはく・・・なるほど、いい名前じゃないか』
そう言って膝の上のこはくに手を伸ばすクロだが・・・そのクロの手が近づくと、こはくは少し警戒したように『きゅー・・・!』と鳴いた。
『はは・・・やはり、私だとダメか』
「こはく、どうしたの?」
いつもの大人しいこはくからは想像できない程に警戒したようにクロを威嚇するこはくを不思議そうに見つめるルナだったが・・・遥とクロはそれを見て苦笑していた。
『やはりシロの子供だな。私に対してここまで警戒した様子を見ているとシロを思い出すよ』
「そういえば、クロはシロからかなり嫌われていたしな」
「そうなの?」
不思議そうに首を傾げるルナに遥はこはくを撫でて言った。
「二人は本当に相性が悪くてね。真面目なシロと、どこか飄々としたクロは結構いつも喧嘩ばかりしてたよ」
『どちらかと言えば、私が彼女に嫌われていただけだがね』
懐かしそうに語る二人。その様子を見て、自分の知らない遥の話に少し嫉妬に近いような感情を抱くルナだが・・・そんなルナの気持ちを察したかのように遥はルナの肩に手を回すと言った。
「機会があればルナには色々話すよ。それに・・・ルナしか知らないことの方が多いからそこまで気にしなくてもいいよ」
「べ、別に私は・・・」
視線を反らすルナだが・・・いつもならそこで遥の追撃を許すところだが、なんとなく結婚式の雰囲気からか、素直に頷いて言った。
「・・・約束だからね。私は・・・その・・・遥のこと全部知りたいから・・・その・・・あの・・・」
「・・・ああ。ルナには隠し事はしないよ。約束する」
「・・・うん」
そこで恥ずかしそうに微笑むルナに遥は一瞬我を忘れて襲い掛かりそうになるが・・・強靭な精神力で耐えた。それほどにウェディングドレスを着たルナの照れたような笑みが魅力的だったということなのだが・・・そんな二人を孫を見守るように優しくクロが見守っていたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったつもりが、今度はヤンデレ騎士団に追われています。
由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。
さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった!
しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って?
いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!
キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。
だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。
「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」
そこからいろいろな人に愛されていく。
作者のキムチ鍋です!
不定期で投稿していきます‼️
19時投稿です‼️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる