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オタクには辛い仕事
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唐突だけど、旅館と言えば、皆さんは何をイメージするだろうか?
温泉にゆったりと浸かり、豪華な料理に舌つづみを打ち、四季折々の景色を楽しんで安らぎを得る・・・まあ、これはあくまで例ではあるが、多いのはそんな感じだろう。
ストレスが溜まりやすい現代社会から一時的に離れて、疲れた身体と心を癒して次への活力にしたり、大会などの遠征で泊まり込んだり、はたまた、旅行でふらりと気軽に立ち寄る人もいるくらい、今や当たり前になりつつある場所でもあるわけだが・・・そんな癒しの場所にも、光があれば影があるように必ず負の側面が存在するわけで・・・つまり何が言いたいかと言えば・・・
「うがー!土日休んでイベント行きたいー!」
「主任・・・いい加減諦めてくださいよ。何回目ですかその言葉」
部下の吉澤に呆れた表情で言われてしまうが・・・しかし、俺も譲れないものはある。
「だってよー・・・本当は休みなのになんで俺は今日出勤してるわけ?イベント行くつもりだったのにー!」
「仕方ないですよ・・・急に団体のお客が入って、俺と天王寺だけじゃホール回せないレベルになったんですから」
「うう・・・アイフェスのイベント行きたかったのに・・・」
俺、篠崎達也はオタクである。
オタクには種類があると思うが俺はわりとイベント・・・まあ、声優さんのライブだったり、アニメのイベントが大好きな人種なのだが・・・そんな俺にとって現在の職場は地獄である。
「うぅ・・・如月ちゃんの名歌聞きたかったのに・・・」
「主任・・・諦めて仕事しましょうよ」
部下の吉澤に言われてしまうが・・・だってさ・・・
「いや、これがチケット取る前ならまだましだったけど・・・社長の奴、今朝になっていきなり電話で『ごめーん。今日の休みはキャンセルね♪』って言われた時の絶望がわかるか?」
「とりあえず物凄いイラッとはしますね」
「だろ!」
「でも・・・実際、主任がいないとマジで今日は大変な日なので抑えてください」
「うぅ・・・わかってるよ・・・」
こんなんでも俺はそこそこの地位にいる。
高校を卒業してから1年・・・標高2000メートルの山奥にある温泉旅館の『高原の湯』に就職したのがそもそもの間違いなのだろう。
『高原の湯』は山の四季を楽しんだり、絶景の露天風呂・・・夏は隣の山への登山客で賑わっており、冬はスキー客やトレッキングが人気の知る人ぞ知る温泉旅館なのだが・・・そんな場所で俺は働いている。
部門はサービス部門・・・そこのリーダーである主任が俺なのだ。
ちなみに部門は全部で3つあり、会計や送迎、あとは予約がメインの仕事の『フロント部門』に、食事を作る『調理部門』・・・そして、食事を提供したり、部屋の掃除をしたりその他の雑用のほとんどがメインの仕事の『サービス部門』の3つがあり・・・小さい温泉だろうとどこも人では常にギリギリ。
環境のせいか、抜群の離職率を誇る我が旅館で俺は逃げにくい地位である主任なんぞをさせられている。
社畜万歳。
しかも、更に酷いことに・・・俺はオタク趣味があるのだが、イベントがある土日は基本的には最悪なほどに混むので休めないということだ。
電波も悪いし、Wi-Fiだけが頼りな場所。
まあ、つまり・・・旅館という職場はオタクには辛いというのが現実なのだ。
温泉にゆったりと浸かり、豪華な料理に舌つづみを打ち、四季折々の景色を楽しんで安らぎを得る・・・まあ、これはあくまで例ではあるが、多いのはそんな感じだろう。
ストレスが溜まりやすい現代社会から一時的に離れて、疲れた身体と心を癒して次への活力にしたり、大会などの遠征で泊まり込んだり、はたまた、旅行でふらりと気軽に立ち寄る人もいるくらい、今や当たり前になりつつある場所でもあるわけだが・・・そんな癒しの場所にも、光があれば影があるように必ず負の側面が存在するわけで・・・つまり何が言いたいかと言えば・・・
「うがー!土日休んでイベント行きたいー!」
「主任・・・いい加減諦めてくださいよ。何回目ですかその言葉」
部下の吉澤に呆れた表情で言われてしまうが・・・しかし、俺も譲れないものはある。
「だってよー・・・本当は休みなのになんで俺は今日出勤してるわけ?イベント行くつもりだったのにー!」
「仕方ないですよ・・・急に団体のお客が入って、俺と天王寺だけじゃホール回せないレベルになったんですから」
「うう・・・アイフェスのイベント行きたかったのに・・・」
俺、篠崎達也はオタクである。
オタクには種類があると思うが俺はわりとイベント・・・まあ、声優さんのライブだったり、アニメのイベントが大好きな人種なのだが・・・そんな俺にとって現在の職場は地獄である。
「うぅ・・・如月ちゃんの名歌聞きたかったのに・・・」
「主任・・・諦めて仕事しましょうよ」
部下の吉澤に言われてしまうが・・・だってさ・・・
「いや、これがチケット取る前ならまだましだったけど・・・社長の奴、今朝になっていきなり電話で『ごめーん。今日の休みはキャンセルね♪』って言われた時の絶望がわかるか?」
「とりあえず物凄いイラッとはしますね」
「だろ!」
「でも・・・実際、主任がいないとマジで今日は大変な日なので抑えてください」
「うぅ・・・わかってるよ・・・」
こんなんでも俺はそこそこの地位にいる。
高校を卒業してから1年・・・標高2000メートルの山奥にある温泉旅館の『高原の湯』に就職したのがそもそもの間違いなのだろう。
『高原の湯』は山の四季を楽しんだり、絶景の露天風呂・・・夏は隣の山への登山客で賑わっており、冬はスキー客やトレッキングが人気の知る人ぞ知る温泉旅館なのだが・・・そんな場所で俺は働いている。
部門はサービス部門・・・そこのリーダーである主任が俺なのだ。
ちなみに部門は全部で3つあり、会計や送迎、あとは予約がメインの仕事の『フロント部門』に、食事を作る『調理部門』・・・そして、食事を提供したり、部屋の掃除をしたりその他の雑用のほとんどがメインの仕事の『サービス部門』の3つがあり・・・小さい温泉だろうとどこも人では常にギリギリ。
環境のせいか、抜群の離職率を誇る我が旅館で俺は逃げにくい地位である主任なんぞをさせられている。
社畜万歳。
しかも、更に酷いことに・・・俺はオタク趣味があるのだが、イベントがある土日は基本的には最悪なほどに混むので休めないということだ。
電波も悪いし、Wi-Fiだけが頼りな場所。
まあ、つまり・・・旅館という職場はオタクには辛いというのが現実なのだ。
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