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2 不幸の権化
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それから彼女とは同じクラスになったが・・・彼女とはなかなか接点を持てなかった。
理由は単純明解・・・彼女があまり人との交流をしようとはしなかったためだ。
クラスメイトと会話はするが特別親しい友達を作ろうとはせず、大人しく教室の隅で本を読む彼女・・・その、入学式の日とのギャップに俺はかなり度肝を抜かれてはいたが、ある時に気付いた。
彼女は時折、なにかを恐れるような瞳でクラスメイトと会話をしているーーーそれに対して俺はかなり親近感を抱いた。
きっと、彼女も他人が怖いんだと、そう思うとますます興味が湧き、暇を見ては彼女の様子を観察した。
彼女の行動は基本的には大人しく教室で読書が多かったが、昼時になると姿を消すことがあるので、俺はある日、クラスメイトに滅多にしない断りをいれて、彼女の後を追ってみるとーーーますます驚愕の連続だった。
彼女はお弁当を持ってどこかへ向かうようだったが・・・まず、途中で何もないところで転んだり、持っていた弁当を鳥に拐われて、追い掛けたら運悪く途中で学校の外に落とされた弁当を車にひかれてしまい、落ち込んでいるがなんとか持ち直した彼女は売店に出掛けようとしたがーーー売店に着いてからそこで財布を忘れたらしく何も買えずにションボリ・・・・うん、自分でも説明が難しいくらいにデンジャラスな出来事の連続が起こっていた。
「えっと・・・茅乃?」
流石に見てられずに俺はそこで尾行を中断して彼女に声を掛けるとーーー彼女は少し慌てたような表情を浮かべてから笑顔で答えた。
「あ・・・えっと・・・神藤くんだよね?同じクラスの・・・」
「ああ。茅乃も昼買いにきたのか?」
「うん。ただ、お財布忘れちゃって・・・何も買えないけどね」
その前の弁当の件は省略されているあたり彼女の人間性が見える。
前の一件といい、やっぱりこの子はどこかおかしい・・・というか、やたらと運が悪すぎる気がする。
「そうか・・・なあ、もし良かったら一緒に食べないか?奢るからさ」
「え?でも・・・」
少し困ったような表情を浮かべる彼女・・・まあ、普通に考えたらクラスメイトの男に奢られて一緒にご飯とか下心しか見えないよな。
「その・・・ご迷惑かけるわけには・・・」
「いや、単純に茅乃ともっと話したいと思ったんだよ。迷惑なら断ってくれても構わないが・・・」
「と、とんでもない!むしろその・・・神藤くんは人気だから、私みたいな地味なのと一緒にご飯食べたら変な噂が出て迷惑掛けそうというか・・・その・・・」
「・・・・・」
彼女が迷惑と言ったのは俺のことを考えてだったのか?社交辞令かと思ったがどうにも彼女の表情や仕草から読み取れるのは本心だとしか思えない。
長年人の顔色を見ていたからこそ分かるが・・・彼女のようなタイプは顔にそのまま感情が出るから分かりやすい・・・というか、羨ましいと心底思う。
飾らないで自分をさらけ出せるということがどんなに羨ましいかーーーいや、違うな。
多分ーーー素直なんだろう。彼女は。
変にひねくれてる俺とは雲泥の差の素直さーーーでもだからこそ俺はもっと彼女を知りたくなった。
慌ててる彼女に俺は少し苦笑しながら答えてあげる。
「そうか・・・じゃあ、茅乃。俺と友達になってくれないか?」
「ふぇ?と、友達?」
「ああ、友達。ダメか?」
「ダメ・・・ではないですが・・・あまり私に近づかない方がいいかと。お互いのためにも・・・」
歯切れの悪い答えの彼女に俺はそっと近づいて耳もとに囁くように言った。
「それは、君の不運なアクシデントについてか?」
「!?な、なんで・・・」
「いや・・・入学式の日のことと、ここ最近君を見かける度に起こってることから想定してだけど・・・」
ある意味本当のことだ。
彼女が人を避ける理由・・・最初は俺と同じかと思ったが、度重なる不運なアクシデントと、さっきから話していて思った彼女の人間性から導き出される回答これだ。
彼女はかなりの確率で不幸を呼び寄せている・・・そして、教室での交流の少なさは彼女が周りを自分の不幸に巻き込まないためだと考えればーーー自然とそう思えてしまうほどに彼女は話していてまっさらに思えた。
しばらく黙りこんでから彼女は少し恥ずかしそうにしながら言った。
「その・・・メロンパンが食べたいです・・・」
「わかった」
「あの・・・・信じて貰えるかわかりませんが・・・聞いてくれますか?」
「ああ、ただその前にメロンパンだけ買おうな」
ニッコリと微笑んでそう言うと彼女は顔を赤くして黙りこんでしまったが・・・これは意外と脈ありか?それとも羞恥からの赤面か・・・まあ、いいか。
そう思いつつ、俺は彼女の昼にメロンパンを買ってきて二人で屋上に向かった。
理由は単純明解・・・彼女があまり人との交流をしようとはしなかったためだ。
クラスメイトと会話はするが特別親しい友達を作ろうとはせず、大人しく教室の隅で本を読む彼女・・・その、入学式の日とのギャップに俺はかなり度肝を抜かれてはいたが、ある時に気付いた。
彼女は時折、なにかを恐れるような瞳でクラスメイトと会話をしているーーーそれに対して俺はかなり親近感を抱いた。
きっと、彼女も他人が怖いんだと、そう思うとますます興味が湧き、暇を見ては彼女の様子を観察した。
彼女の行動は基本的には大人しく教室で読書が多かったが、昼時になると姿を消すことがあるので、俺はある日、クラスメイトに滅多にしない断りをいれて、彼女の後を追ってみるとーーーますます驚愕の連続だった。
彼女はお弁当を持ってどこかへ向かうようだったが・・・まず、途中で何もないところで転んだり、持っていた弁当を鳥に拐われて、追い掛けたら運悪く途中で学校の外に落とされた弁当を車にひかれてしまい、落ち込んでいるがなんとか持ち直した彼女は売店に出掛けようとしたがーーー売店に着いてからそこで財布を忘れたらしく何も買えずにションボリ・・・・うん、自分でも説明が難しいくらいにデンジャラスな出来事の連続が起こっていた。
「えっと・・・茅乃?」
流石に見てられずに俺はそこで尾行を中断して彼女に声を掛けるとーーー彼女は少し慌てたような表情を浮かべてから笑顔で答えた。
「あ・・・えっと・・・神藤くんだよね?同じクラスの・・・」
「ああ。茅乃も昼買いにきたのか?」
「うん。ただ、お財布忘れちゃって・・・何も買えないけどね」
その前の弁当の件は省略されているあたり彼女の人間性が見える。
前の一件といい、やっぱりこの子はどこかおかしい・・・というか、やたらと運が悪すぎる気がする。
「そうか・・・なあ、もし良かったら一緒に食べないか?奢るからさ」
「え?でも・・・」
少し困ったような表情を浮かべる彼女・・・まあ、普通に考えたらクラスメイトの男に奢られて一緒にご飯とか下心しか見えないよな。
「その・・・ご迷惑かけるわけには・・・」
「いや、単純に茅乃ともっと話したいと思ったんだよ。迷惑なら断ってくれても構わないが・・・」
「と、とんでもない!むしろその・・・神藤くんは人気だから、私みたいな地味なのと一緒にご飯食べたら変な噂が出て迷惑掛けそうというか・・・その・・・」
「・・・・・」
彼女が迷惑と言ったのは俺のことを考えてだったのか?社交辞令かと思ったがどうにも彼女の表情や仕草から読み取れるのは本心だとしか思えない。
長年人の顔色を見ていたからこそ分かるが・・・彼女のようなタイプは顔にそのまま感情が出るから分かりやすい・・・というか、羨ましいと心底思う。
飾らないで自分をさらけ出せるということがどんなに羨ましいかーーーいや、違うな。
多分ーーー素直なんだろう。彼女は。
変にひねくれてる俺とは雲泥の差の素直さーーーでもだからこそ俺はもっと彼女を知りたくなった。
慌ててる彼女に俺は少し苦笑しながら答えてあげる。
「そうか・・・じゃあ、茅乃。俺と友達になってくれないか?」
「ふぇ?と、友達?」
「ああ、友達。ダメか?」
「ダメ・・・ではないですが・・・あまり私に近づかない方がいいかと。お互いのためにも・・・」
歯切れの悪い答えの彼女に俺はそっと近づいて耳もとに囁くように言った。
「それは、君の不運なアクシデントについてか?」
「!?な、なんで・・・」
「いや・・・入学式の日のことと、ここ最近君を見かける度に起こってることから想定してだけど・・・」
ある意味本当のことだ。
彼女が人を避ける理由・・・最初は俺と同じかと思ったが、度重なる不運なアクシデントと、さっきから話していて思った彼女の人間性から導き出される回答これだ。
彼女はかなりの確率で不幸を呼び寄せている・・・そして、教室での交流の少なさは彼女が周りを自分の不幸に巻き込まないためだと考えればーーー自然とそう思えてしまうほどに彼女は話していてまっさらに思えた。
しばらく黙りこんでから彼女は少し恥ずかしそうにしながら言った。
「その・・・メロンパンが食べたいです・・・」
「わかった」
「あの・・・・信じて貰えるかわかりませんが・・・聞いてくれますか?」
「ああ、ただその前にメロンパンだけ買おうな」
ニッコリと微笑んでそう言うと彼女は顔を赤くして黙りこんでしまったが・・・これは意外と脈ありか?それとも羞恥からの赤面か・・・まあ、いいか。
そう思いつつ、俺は彼女の昼にメロンパンを買ってきて二人で屋上に向かった。
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