転生した魔王様は悪役令嬢を愛でる

yui

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「ふむふむ、なるほどそういうことか」

婚約のための顔合わせが終わり、自室に戻ってから俺は1人で未来視の魔法を使って詳細な情報を得ていた。

婚約の顔合わせは予想通りというか、面倒そうに終わらせた我が兄と、常に俺のことを意識しまくっていたミーシャというお互いに全く相手を見てない状況に終わり、我が父はかなり深刻そうな顔をしていたのが特に見物だった。

病弱キャラの俺が突然人外な動きをした件についても色々問われたが首を傾げていると勘違いという形で勝手に処理をしてくれたので助かる。まあ、超常的な現象というのは人の思考力を低下させるからな。くくく。本当に愉快だ。

「悪役令嬢、乙女ゲーム………これは異世界のものか?やはりこのゲームが終わったら異世界に行くのも1つの手だな」

未来視に出てきた我が兄とくっ付く人間が呟いていた単語が気になって調べたが、どうやら異世界の知識を持っているようだ。おまけに我が兄以外にもその側近を籠絡したようでなんとも面白い光景が見えるが………一つだけ不愉快なこともある。

「ふむ、嫉妬する姿は大変可愛いものだが、冤罪をふっかけられて滅びを迎えるのは納得しかねるな」

人間とは元来欲に忠実な生き物だ。それを否定はしないし、俺はそれを見て楽しむが……自分の物にしたいミーシャがこのような不愉快な結末を迎えるのは受け入れ難いものだ。まあ、俺が介入したことでその未来は大きく変わるが。

「さてさて、この将来出てくる女今すぐにでも殺すことは容易だが………それではつまらんな」

せっかくだ。どうせなら奴等には楽しく踊って貰ってから退場して貰うとしよう。ふむ……そうなると今すぐミーシャを俺の物にしたいが……この女が出てくるまでは軽いスキンシップで辛抱するとしよう。

どうせなら我が兄とこの女達には愉快に踊って貰って楽しい夢を見せてやってから奈落に突き落とすことにしよう。その時の絶望も見物だが、あとはミーシャが俺の物になってからの楽しみが大きいものだ。

「さてさて、そうなるとあと何年か我慢せねばならぬか……まあ、勇者を待つよりは短いが、早いとこミーシャを俺の女にしたいものだ」

あの愛らしい生き物を愛でたくて辛抱堪らなくなりそうだ……こんな気持ちは久しく味わってなかったな。俺だってこれまで数々の美女、美少女を愛でてきたものだが……たまにはこんな焦らしもありだろう。

「さしあたってはミーシャを愛でつつも、俺が動きやすいようにするとしよう」

俺が魔王を名乗ったところで信じる輩はいないだろうが……用心するにこしたことはない。とりあえず俺は俺で力を抑えてこのゲームを裏から操るのと、ミーシャを愛でることに専念しようと決めてほくそ笑むのだった。


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