異形の魔術師

東海林

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王立魔術院編

第17話

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 翌日
 目を覚ますと、残念クール系のメイドサンと目が合った
 確かルーミィさんと言ったかな?
 どうやら日替わりでミシュリーさんのサポートをしてるようだ

 ・・・・・・・これ以上増えないよね?


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 さて1日休んで大分顔色の良くなった研究班の面々
 それでも大分疲労が貯まっているようで本調子ではなさそうだ
 朝から各属性の親和性を測ったり、魔力操作能力を測ったり、今は魔力量の調査中
 研究班の部屋はまだ片づいてないので、会議室の一室で行われている
 測り方は簡単、装置に魔力を流すと取り付けられている円盤がぐるぐる回って、何回回ったかカウンターが数えるらしい
 これってご家庭に付いてる電力計と同じような物じゃないかい?
 記憶の中の物はデジタルに置き換わりつつあるようだったけど

 ちなみにこの魔力カウンター(商品名)、自分に合わせて極悪仕様に変更されている
 普通の人の10倍の魔力消費量で円盤が1周回る特別仕様
 これがかれこれ3時間近く回っているけど、一向に魔力が尽きる気配が無い
 魔力が尽きてぶっ倒れても良いよに、すぐ隣に申し訳ない程度の寝床が準備されているけど、これ使う機会あるのかか?

 研究班のメンバーも最初の20分でやっぱりと言う顔をして、辛くなったら止めていいからと研究班の部屋の片付けに行ってしまって偶に様子を見に来るだけ
 そして今度見に来たのはキシリアさんだ

「は~い、調子は如何?」
「まだまだ余裕がありますね」
「予想はしていたけどここまでとはねぇ。知ってる?コレこの国で一番魔力量が有ると言われてるユリウス魔法士団長でも1時間も持たずにギブアップする代物よ」
「そう言われましても、ねぇ?」
「まぁいいわ、実験は中断してくれる。休憩にするよ」

 そう言って研究班の部屋に連れてきてくれた
 部屋は昨日に比べて大分片づいている
 中央の机ではルクシス主任とドルトスさんが先に休憩していた

「やぁお疲れ様、その様子だとまだまだ行けそうだね」
「ええ、それでも感覚的には半分以上使ってる感じです」

 空いている席に進められて座ると、黒い液体の入ったカップが置かれる
 この香りは……もしかしてコーヒー?

「驚いてる驚いてる」
「初めて見るんだろ、大丈夫だコレは黒茶と言って豆由来の飲み物だ」

 そういってドルトスさんが飲んでみせる

「独特の香りとコクと酸味があってコレはコレで癖になる。眠気覚ましにもなるしな」

 恐る恐る口にしてみると、前世で飲んだ事があるブラックコーヒーに近いような気がした
 元々コーヒー派じゃないんだけどね

「それにしても、ランディ君のテスト結果は凄いね。予想はしてたけど底が見えないって言えば良いのかな」
「ですよね、それなのに魔法のコントロールは一級品、魔法の知識も豊富、そして面倒くさいと評判の魔方陣の知識まであるし」
「キシリア、面倒くさいと何処での評判だ?魔方陣は生活に無くてはならない技術だ、それをだな・・・・・・・」
「ドルトスとキシリアの夫婦喧嘩は気にしないでくれ、いつもの事だ。それよりも、魔法の知識とコントロールは学生の時の物かい?」
「はぁ、学生と言うよりも子供の時からですかね、ご存じだとは思いますが、この体になる前は魔力量はあっても各属性の親和性も低いので、使い道が殆ど無い無かったんです」

 いつの間にかドルトスさんとキシリアさんの喧嘩も止めて聞く姿勢になっている

「各属性の親和性が低いだけで、最低限の属性魔法は使えたのでなんだか勿体ないし、魔法への憧れも捨てきれませんでしたから、独学ですけど研究してましたし、補助で魔方陣も使えないか調べてたんですよ」
「独学なの?貴族だよね?家庭教師はいなかったの?」
「実家は子爵家でしたけど自分は三男でしたからあまり、ただ魔力が有るだけで魔法士として見込みが無いと判断されて、親は騎士の家系だったので剣の道で生きていけるようにと手ほどきをしてくれてましたから」
「なるほど、コントロールに関しては?」
「それも独学です。あまり威力も無い属性魔法を効果的に使うにはと考えた時、思い描いたように発動させ対するには必要不可欠だったんですよ」

 それ以外にも前世のロマンだったりするんですけどね
 ほら、自由自在に動く念動兵器ってカッコいいじゃないですか!
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