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2章
29.
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姫の私室に足を踏み入れるのは羅都さん、族長、北条さんを除いていない。
ナンバーズも初めて入った。
殺風景で必要最低限の物と専門書しか置かれていない。
羅都さんは奥の部屋を開け全員を書斎らしき所に案内した。
「皆知っているか?400年前の部族戦争のこと。」
羅都さんは所狭しと並んだ書斎の本棚の一部を動かすと、隠し扉が現れた。
「はい、精霊や神獣の血を継いでいる四大部族が滅んでしまったという戦争ですね。確か、王と四大部族が争っていたとか。」
來珂が答えたが俺達も知っている有名な話だ。
「そう、原因となったのは王がとある部族の長のみが作れるという薬が原因だったんだよ。」
「それと、姫が倒れたのにどういう…ムガッ」
悠紀の口を抑え來珂は何か察したようだった。
「ま、まさかその薬ってこの“不死鳥の涙”か?」
七瀬が呟くと、羅都さんはうなづいた。
「そう、そしてここがその不死鳥の涙を作っている部屋だよ。」
隠し扉の先には先程來珂がみせた写真と同じ青い液体が入った瓶や、色とりどりの薬品に材料が置かれていた。
「他にも解毒薬から、猛毒薬まで全て唯が作っているんだよ。これらの薬は少し特殊らしく、流石にそのままでは効能が高すぎて使えないから、風華組で10分の1に薄めて使っているよ。」
薬が置かれた部屋の片隅には大きな花。
品種は分からないが、赤い薔薇に近いようだ。
「煉城くん、唯をそこの花に寝かせてあげて。」
言われた通りに開いている花に唯を寝かせると、羅都さんは俺たちを見渡した。
「四大部族戦争の前に、まずは唯との出会いを話さないといけないね。知っていると思うが、唯と僕達は実の親子ではないんだよ。」
羅都さんはそのまま姫との出会いを語りだした。
「風華組には御神体として祀られていた大きな結晶化した花があったんだ。1年に1度当主はそこに必ず赴き祈りを捧げなければならないという掟があり、僕と次期当主である李都も連れて毎年祈りをささげていたんだ。」
「結晶化した花…」
ぽつりと來珂が呟く。
結晶化した花なんて、そう何個もあるはずは無い。
今“目の前に結晶化した花”がある。
「そう、この花が代々風華家が祀ってきた“花”だよ。…5年前のある日、同じように祈りにきた僕たちをまっていたのは開いた花と、その前に倒れている唯だったんだ。」
それまでずっと蕾だった花が開きましてや人が倒れているなんて思いもしなかったなぁ~。っと羅都さんは姫の髪を撫でながらクスクスと笑った。
「…花、……姫…?」
呂姫が言うように、姫の過去がいまいち理解できない。
「ああ、倒れていたというか、代々我々が祀ってきたのは結晶化した花の蕾だったんだよ。ずっと受け継がれてきたこと蕾は400年間開いたことはなかった。
…ここまで言えばわかるかな?」
400年開いたことがなかっただと?
つまりは…
「そう、みんなも想像しているとおり、唯は400年ずっと封印されていたんだよ。…そして、風華組は唯を守るためにずっとこの花を隠しつっけてきたんだ。」
風華組は400年前に設立された組織。
そして、それは海の悪魔リヴァイアサンの血を継ぐクリスティ・リーナ・アクアと精霊ノームの血を継ぐヴァイアレ・ルゥ・アースによって設立されたという。
風華家はヴァイアレの子孫だそうだ。
だから、族長は土の力を受け継いでいるのか。
四大部族戦争の時、当時の王である塔矢・ルシファエル・イグリードは不死鳥の涙を唯一作れる風の部族長セルフォード・ミラ・シルフを狙っていた。
その理由は様々だが、当初の狙いはセルフォードの薬。
最終目的はセルフォード自身。
だが、セルフォードは不死鳥の血を継ぐによって火の部族の長、レグニス・ルーグ・コウレンの番だ。
2人を引き裂くことは簡単にはできない。
「つ、番って付き合ってたってことか!」
「ユウ、単純な事をきかないでください。バカが移ります。…ですが、その話は初めて聞きましたね。」
「まぁ、近年は男女結婚が当たり前になってきたからね。血を絶やさないために、男同士の結婚は当たり前だったんだ。男同士でも妊娠出来るように薬まであるからね。」
そして話を続ける羅都さん。
「イグリードはセルフォードを手に入れるために四大部族に戦争をしかけたんだ。クリスティとヴァイアレはセルフォードによって助けられ、逃がされた。」
「ですが、塔矢・ルシファエル・イグリードは能力者ではないはず。それなのに能力者である四大部族が負けるなんて…」
そう、來珂が言ったように、よっぽどがない限り能力者の力は強い。
「そうなんだけどね、僕も詳細は知らないんだ。…話を続けるよ。その後レグニスは四大部族の敗北を悟り、セルフォードを奴に捕えられないようにこの花に封印した。封印後のレグルスはどうなったか分からな「ルーグは封印直後に殺されたよ。花の中で意識が薄れていく中、イグリードがルーグに剣を突き立てているのがみえたから。」…唯、起きたのかい?」
ナンバーズも初めて入った。
殺風景で必要最低限の物と専門書しか置かれていない。
羅都さんは奥の部屋を開け全員を書斎らしき所に案内した。
「皆知っているか?400年前の部族戦争のこと。」
羅都さんは所狭しと並んだ書斎の本棚の一部を動かすと、隠し扉が現れた。
「はい、精霊や神獣の血を継いでいる四大部族が滅んでしまったという戦争ですね。確か、王と四大部族が争っていたとか。」
來珂が答えたが俺達も知っている有名な話だ。
「そう、原因となったのは王がとある部族の長のみが作れるという薬が原因だったんだよ。」
「それと、姫が倒れたのにどういう…ムガッ」
悠紀の口を抑え來珂は何か察したようだった。
「ま、まさかその薬ってこの“不死鳥の涙”か?」
七瀬が呟くと、羅都さんはうなづいた。
「そう、そしてここがその不死鳥の涙を作っている部屋だよ。」
隠し扉の先には先程來珂がみせた写真と同じ青い液体が入った瓶や、色とりどりの薬品に材料が置かれていた。
「他にも解毒薬から、猛毒薬まで全て唯が作っているんだよ。これらの薬は少し特殊らしく、流石にそのままでは効能が高すぎて使えないから、風華組で10分の1に薄めて使っているよ。」
薬が置かれた部屋の片隅には大きな花。
品種は分からないが、赤い薔薇に近いようだ。
「煉城くん、唯をそこの花に寝かせてあげて。」
言われた通りに開いている花に唯を寝かせると、羅都さんは俺たちを見渡した。
「四大部族戦争の前に、まずは唯との出会いを話さないといけないね。知っていると思うが、唯と僕達は実の親子ではないんだよ。」
羅都さんはそのまま姫との出会いを語りだした。
「風華組には御神体として祀られていた大きな結晶化した花があったんだ。1年に1度当主はそこに必ず赴き祈りを捧げなければならないという掟があり、僕と次期当主である李都も連れて毎年祈りをささげていたんだ。」
「結晶化した花…」
ぽつりと來珂が呟く。
結晶化した花なんて、そう何個もあるはずは無い。
今“目の前に結晶化した花”がある。
「そう、この花が代々風華家が祀ってきた“花”だよ。…5年前のある日、同じように祈りにきた僕たちをまっていたのは開いた花と、その前に倒れている唯だったんだ。」
それまでずっと蕾だった花が開きましてや人が倒れているなんて思いもしなかったなぁ~。っと羅都さんは姫の髪を撫でながらクスクスと笑った。
「…花、……姫…?」
呂姫が言うように、姫の過去がいまいち理解できない。
「ああ、倒れていたというか、代々我々が祀ってきたのは結晶化した花の蕾だったんだよ。ずっと受け継がれてきたこと蕾は400年間開いたことはなかった。
…ここまで言えばわかるかな?」
400年開いたことがなかっただと?
つまりは…
「そう、みんなも想像しているとおり、唯は400年ずっと封印されていたんだよ。…そして、風華組は唯を守るためにずっとこの花を隠しつっけてきたんだ。」
風華組は400年前に設立された組織。
そして、それは海の悪魔リヴァイアサンの血を継ぐクリスティ・リーナ・アクアと精霊ノームの血を継ぐヴァイアレ・ルゥ・アースによって設立されたという。
風華家はヴァイアレの子孫だそうだ。
だから、族長は土の力を受け継いでいるのか。
四大部族戦争の時、当時の王である塔矢・ルシファエル・イグリードは不死鳥の涙を唯一作れる風の部族長セルフォード・ミラ・シルフを狙っていた。
その理由は様々だが、当初の狙いはセルフォードの薬。
最終目的はセルフォード自身。
だが、セルフォードは不死鳥の血を継ぐによって火の部族の長、レグニス・ルーグ・コウレンの番だ。
2人を引き裂くことは簡単にはできない。
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「ユウ、単純な事をきかないでください。バカが移ります。…ですが、その話は初めて聞きましたね。」
「まぁ、近年は男女結婚が当たり前になってきたからね。血を絶やさないために、男同士の結婚は当たり前だったんだ。男同士でも妊娠出来るように薬まであるからね。」
そして話を続ける羅都さん。
「イグリードはセルフォードを手に入れるために四大部族に戦争をしかけたんだ。クリスティとヴァイアレはセルフォードによって助けられ、逃がされた。」
「ですが、塔矢・ルシファエル・イグリードは能力者ではないはず。それなのに能力者である四大部族が負けるなんて…」
そう、來珂が言ったように、よっぽどがない限り能力者の力は強い。
「そうなんだけどね、僕も詳細は知らないんだ。…話を続けるよ。その後レグニスは四大部族の敗北を悟り、セルフォードを奴に捕えられないようにこの花に封印した。封印後のレグルスはどうなったか分からな「ルーグは封印直後に殺されたよ。花の中で意識が薄れていく中、イグリードがルーグに剣を突き立てているのがみえたから。」…唯、起きたのかい?」
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