風華風唱-400年経った世界は残酷で優しかった

Aime

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2章

28.

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side:唯都


義樹と学院に戻ると待ち構えていた光に怒られてしまった。



そうだ、光に伝えるの忘れていたな。



そのまま2人で光の説教を聞き、今は夜。



義樹は部屋に戻り眠りについたみたいだ。



俺は自分の部屋の窓から飛び降り、そのまま能力を使い学院から抜け出した。



屋根から屋根へ音もなく飛び移り、着いたのは風華組本邸。



離れの自室1階にはナンバーズのみが集まる空間が広がっている。



襖を開けると、既に到着していた他のナンバーズがさっと跪いた。



No.2の極炎(ごくえん)、煉城 暁(れんじょう あきら)。



No.3の雹牙(ひょうが)、氷斬 悠紀(ひょうざん ゆうき)



No.4幻光(げんこう)、高宮 來珂(たかみや らいか)


No.5 弐雁(にかり)、五井 七瀬(ごい ななせ)


No.6 蓮華(れんげ)、飯山 呂姫(いいやま ろき)



そして風華組組長代理の父の羅都。



「姫、No.7と8を除いたナンバーズ、招集によりはせ参じました。」



「ん、父さんも遅い時間にありがとう。」



「いいよー。他ならぬ唯ちゃんの頼みだものー。」



緩い父さんは相変わらずだ。



「報告を聞こうか。」



「はい、では私から。」



ライが資料を俺に渡してきた。



「我々はイナヅカの支店に潜入ができました。薬の副作用の研究がされていたみたいで、半アヤカシ化した者が沢山監禁されていました。」



「そーなんだよ、すっごく胸糞悪かったぜ。詳細は分からなかったが、2瓶だけトリナッツァとは違う薬が置かれていたぜ。・・・確か色は青かったな。」



ユウも顔を顰めながら報告する。



「えぇ、瓶には“不死鳥の涙”と。ーバサッ・・・姫?」



“不死鳥の涙”その名前を他人から聞くのは久しぶりだ。



動揺したのか、俺は持っていた書類を落としてしまう。



「ちょっとまて、幻光。不死鳥の涙といえば、姫の薬じゃねぇか!」



アキは1度俺の薬を見たことがあったので気づいてしまった。



「姫の薬?何故そんなのがイナヅカに?」



「…っつ、イグリード…っ、が…。」



不死鳥の涙、イナヅカ・・・イグリード。



『…ミラ、すまない。』



くそ、あの記憶がっ…。



「唯?…っは!!唯、落ち着きなさい!!」



俺の様子がおかしくなってきたのに気づいた父さんが、全員に待ったをかける。



ぶわっつと室内に風が吹き荒れる。



風が、抑えきれない。



俺の記憶がふっと途切れた。




ーーーーーー

side:アキ


不死鳥の涙。


それは以前俺が姫にイナヅカから連れ出された時に使ってくれた、姫の薬だ。



作成方法は聞いたことがなかったが、様々な傷、病を癒すことができるそうだ。



「…イグリード…っ。」



突如風が吹き荒れ、倒れる姫。



咄嗟に近くにいた俺が抱きとめる。



「姫、姫!」



七瀬が声を掛けても意識は無い。



他のナンバーズも動揺しているのか、姫の周りに集まってきた。


「どういうことだよ、極炎!」


ユウが俺に噛み付いてくるが、俺にも分からない。



「…ひ、め…!」



「皆、落ち着きなさい。」



羅都さんが立ち上がり、姫を抱える俺に近寄ってきた。



「おそらくフラッシュバックだろう。しばらくしたら起きるが、煉城くん唯を連れて着いてきなさい。」



そう言うと羅都さんは姫の私室へと向かった。








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